概日リズム(サーカディアンリズム)とは? 人々の健康な暮らしに貢献する最新の概日リズム研究をご紹介

概日リズム(サーカディアンリズム)とは? 人々の健康な暮らしに貢献する最新の概日リズム研究をご紹介

概日リズムとは?

「概日リズム」とは

概日リズム(サーカディアン・リズム)とは、人が持つおよそ24時間の周期です。人間のみならずほぼすべての動物、植物、菌類、藻類に至るまで、この周期が存在することが知られており、一般的には「体内時計」という呼び方もされています。

概日リズムと健康維持の関係性

体内時計には、月単位、季節単位など、さまざまなリズムがありますが、概日リズムはその名の通り、一日の中での変化を指します。実際の周期は24.5時間と一日より少し長いため、何もしないと少しずつずれてしまいますが、目から入る光や、食事などの刺激でリセットし、全身を同調することによって、24時間に調整されて動き出します。人間の生理機能のうち、睡眠覚醒のサイクル、体温変化、ホルモン分泌、神経活動、摂食、エネルギー代謝、運動機能など、多くの現象や変化がこのリズムに制御されていることがわかってきています。

体内時計の乱れは、ホルモン分泌に異常をきたし、交感神経、インスリンの働きなどにも影響を与えることで、肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の要因にもなるのです。睡眠障害やうつ病などとの関連も報告されてきています。

働き方の多様化という時代の変化もあり、概日リズムを知ること=体内時計を管理することは、健康維持に欠かせないものとして注目されてきています。

概日リズムを可視化するジーピーシー研究所の役割

概日リズムを可視化するジーピーシー研究所の役割

ジーピーシー研究所は、蛍やクラゲなどの生物発光の仕組みや蛍光タンパク質を、遺伝子改変技術を活用することで、本来発光しないマウスや細胞などに導入した光る研究ツールを開発しています。

発光のメカニズムをプログラムすることで、病気になったら光る細胞や何らかの薬品に反応して光る細胞、免疫細胞だけが光るマウスといった具合に、細胞内の様子を可視化(イメージング)することができるのです。

この技術を用い、体内時計を制御する時計遺伝子のひとつを光らせることで、概日リズムの可視化に成功しました。

概日リズムが見える「bmal1レポーター細胞」

概日リズムが見える「bmal1レポーター細胞」

例えば元気な時は緑に光り、病気になると赤く光る。病気を退治する細胞が集まってくるとその部位が強く光る、といた具合です。私たちは、蓄積してきた生物発光に関する技術を使って、これまでになかった新しい研究ツールを作り出そうと考えました。

細胞内の遺伝子発現変化をリアルタイムかつ継続的に計測することに面白さがある魅力的なターゲットとして、私たちは体内時計を形成している時計遺伝子に出会いました。

複数ある時計遺伝子のうち、コアループを形成する要素のひとつで、約24時間で遺伝子発現の増減を繰り返す時計遺伝子のひとつbmal1が私たちの概日リズム研究のきっかけです。

光るマウス

細胞は、bmal1が増えている時に強く光り、bmal1が減ると弱く光ります。その強弱のリズムを測定することで、いま細胞がどの時刻にあるかを判断することが可能になります。

これが、GPC研究所の生物発光研究ツール「MIELUCeLL(見えるセル)」の最初の製品、概日リズムが見える「bmal1レポーター細胞」です。

鳥取大学発 ベンチャー企業の創業ヒストリー

鳥取大学発 ベンチャー企業の創業ヒストリー

ジーピーシー研究所は、鳥取大学の染色体改変技術の第一人者である押村光雄教授による染色体工学技術を、創薬開発研究へ実用化することを目的として2012年に設立しました。染色体工学という研究領域をベースに、様々な遺伝子改変の技術を活用し、そこに生物発光・蛍光イメージングの技術を融合させることで、薬づくりや機能性成分の探索・評価を行い、研究のツールや手法を開発・提供しています。

遺伝子改変の技術を使う研究の対象は実に幅広く、言ってしまえばどんな研究もできてしまうのですが、あえて発光・蛍光イメージングに絞り込むことでユニークさを出しました。「発光・蛍光イメージングを使った概日リズムの研究」を開始するまでが、設立以来、一番苦労したところかもしれません。

何でもできるから何でも引き受けてしまう、という状態の中で、自分たちの技術がどこにどう求められているのかを掘り下げていきました。クライアントに教えていただいたようなものです。クライアント毎に徹底的にディスカッションし、研究プランを組み立て、目的に合わせた新しい提案をさせてもらったりしながら、今日のスタイルが確立されていきました。

何度も事前に議論をして実験手法を確認し、結果が出たら今度はデータの解析や、次のアクションについて話し合うので、クライアントにとっては、自分たちのラボ、自分たちのスタッフのような感覚でお話しいただけているのかなと思っています。私たちを選び、継続的につながってくださるクライアントの存在が、その証左だと考えて良いのではないでしょうか。

概日リズムと時間栄養学

時間栄養学

世界中の大学や企業の研究から、概日リズムに関する多くの研究成果が報告され、さまざまな知見が集まってきていますが、その知見がまだ、私たちの生活に十分活用されていないのが現状です。

例えば、覚醒作用をもたらすことが知られているカフェインは、エナジードリンクなどの形で商品化はすでにされています。

ではカフェインはいつ飲みますか?ここに時間栄養学的な考えを応用するとカフェインの新しい面が見えてきます。

カフェインを含むコーヒーなどは夜飲まない方が良い眠りを得られると聞いたことはないでしょうか。夕方のコーヒーの摂取は体内時計を後退させ、さらにリズムにメリハリを持たせることが報告されています。

高齢者の中には、極端な早寝早起きや昼夜のメリハリのなさに悩まされる方がいますが、この場合、コーヒーを午後に摂取することで体内時計を遅れさせれば、早寝早起きの身体の時刻を遅くズラせるかもしれません。ただ、カフェインには利尿作用があるので、あまり遅い時間に飲むと夜間のトイレが増えてしまう可能性もありますので、注意が必要です。

このように成分だけでなく、摂取する時刻によって得られる効果や機能を考えることができるのが時間栄養学です。

化粧品に関しても同様に、時刻が重要な切り口になります。朝と夜では、スキンケア製品に求める機能が異なるからです。朝は、紫外線や外部刺激から守り、抵抗を高める機能、夜は傷ついた部分を修復する機能を高めるというアプローチが必要になり、同じ肌の手入れでも意味合いは大きく異なります。

肌細胞の時刻とその機能を意識することで、より効果的なスキンケアが可能になってくるはずです。

「概日リズム」が暮らしにもたらす可能性

「概日リズム」が暮らしにもたらす可能性

ジーピーシー研究所では、発光・蛍光技術を組み込んだ細胞や動物を、研究ツールとして作って販売や、実験データを出すというサービスを行ってきましたが、今後はそこから見つけ出した機能性の素材や物質の販売、機能性食品や化粧品などの製品化といった展開を考えています。

研究のための研究から、世の中の人々、毎日の暮らしの役に立つサービスへ発展させていきます。食事や栄養はもちろん、化粧品や健康食品、薬の評価なども、漫然と行うよりも「概日リズム」を考えあわせることで、より高い効果が期待できるからです。

時刻による体の状態や病状の変化は良く知られており、狙った時刻に望む効果を得られるよう、栄養や薬をどう吸収させるかという研究も進んでいます。栄養も薬も、代謝のリズムを考慮し、一番効果がほしい時間、副作用が起きにくい時間、排泄されやすい/にくい時間、などを考えあわせた効率的な摂取の方法が「概日リズム」を通じて明らかになってきました。体内の時刻と外の時刻、症状の変化と薬効が得られるまでのタイムラグを意識した時間薬理学の概念にも、「概日リズム」は重要な役割を担っています。

こうした「概日リズム」に関する情報をコミットした製品やサービスを、ジーピーシー研究所から広く展開していきたいです。

エビデンスに基づいた本当に価値のあるものを消費者の方々にお届けし、人々の健康的な生活、大きくは人生までサポート出来る存在にしていきたいと考えております。