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クリーンルームとは? 用途や4原則、おすすめの関連製品をご紹介します。

クリーンルームとは? 用途や4原則、おすすめの関連製品をご紹介します。

微細な工業製品や食品加工における製造工程では欠かすことのできないクリーンルーム。クリーンルームを活用することで、一定の微粒子制限基準により室内の空気を適切な状態に保つことが可能です。

そこで今回は、クリーンルームにおける清浄度のクラス分けや、清浄度を維持するための4原則、そしてクリーンルームの関連おすすめ製品についてご紹介いたします。クリーンルームの導入を検討中の企業様は、ぜひ参考にしてみてください。

ポイント

・クリーンルームの清浄度はISO規格やJIS規格が制定されている
・クリーンルームの清浄度を維持するには4つの原則を守る必要がある
・クリーンルームは用途によって「インダストリアルクリーンルーム」と「バイオロジカルクリーンルーム」に分類される

クリーンルームとは?


クリーンルームとは、微生物や微細な粒子の浮遊を制御し、製品汚染を防ぐために設計された部屋です。微粒子とは非常に小さな粒子のことであり、一般的なエアフィルターでは完全に除去できません。そのため、クリーンルームでは室内の圧力制御や気流調節、温湿度管理、清浄水の使用などの工夫によって、外部から微生物や微粒子を取り入れず、内部でも発生しないようにするように設計されています。

クリーンルームの設置や維持には費用が掛かります。清浄度や部屋の大きさによって掛かる費用は大きく異なるため、目的や用途に応じて最適なクリーンルームを設計する必要があります。

クリーンルームにおける清浄度クラスについて


クリーンルームの清浄度は、特定の体積内に存在する一定の大きさ以上の微粒子の数で表されます。この規格は、アメリカ連邦規格Federal Standard209によって1963年に初めて制定され、1993年に改定されたFed.Std209Eが現在の最新版です。この規格による表現では、1フィート立方(約28.8リットル)の空間内に存在する0.5ミクロン以上の微粒子の数によって、クリーンルームの清浄度が決定されます。

クラス100とは、1フィート立方中に0.5ミクロン以上の微粒子が100個以下存在することを指します。1,000個以下であればクラス1,000となり、同様に10,000個以下であればクラス10,000です。クラスが小さいほど空間内に存在する微粒子の数が少ないことを意味します。
国際的には、ISO規格やJIS規格が制定されており、これらの規格では、1m3の空間内に存在する0.1μm以上の微粒子の数によってクリーンルームのクラスが決定されます。

クリーンルームの4原則


クリーンルームの清浄度を維持するためには、以下の4つの原則を守る必要があります。

  1. 微粒子を持ち込まない
  2. 微粒子を発生させない
  3. 微粒子を堆積させない
  4. 微粒子を排除する


クリーンルーム内の清浄度を保つためには、供給される材料にも清浄度が求められるため、人の出入り自体も極力避けなければいけません。クリーンルーム内に入る際には防護服を着用し、微粒子を発生させないようにするのが原則です。また、定期的な清掃はもちろんのこと、クリーン排気ユニットを活用するなどして、微粒子を速やかに排除するための工夫を心がけるようにしましょう。

クリーンルームの用途


クリーンルームはその用途によって、主にインダストリアルクリーンルーム(ICR)とバイオロジカルクリーンルーム(BCR)の2種類に分類されます。

インダストリアルクリーンルーム(ICR)

ICRは、工業用途に使用されるクリーンルームです。高性能フィルターによる除塵効果によって、空気清浄度が確保されています。主に半導体・液晶・電子部品・基板・レンズ・フィルム等の、工業用製品の製造工程において使用され、微粒子を限定されたレベルの数値以下に管理することが可能です。

バイオロジカルクリーンルーム(BCR)

BCRは、食品加工やバイオテクノロジー、医療分野などで使用されるクリーンルームです。医薬品や食品の製造現場では、微生物や菌などを除菌する汚染防止が重要であり、BCRを利用することで安全な製造を実現することができます。

また、医療分野やバイオテクノロジーの研究にも利用されており、BCRは幅広い場所と用途で需要があります。

クリーンルームのおすすめ関連製品

興研オープンクリーンシステム KOACH


オープンクリーンシステムKOACHは、周囲を囲わずにクリーンゾーンを形成するクリーンシステムです。対抗させたプッシュフードからクリーン化した空気を吹き出して、中央で衝突した気流が、垂直・水平方向に押し出されることで清浄空間を形成します。

クリーン環境が必要な作業にあわせて、タイプが選べます。テーブル上での作業に適した卓上タイプから、複数台を組み合わせて大空間をスーパークリーン環境にできるフロアータイプまで、すべてがISOクラス1を実現します。

陰圧クリーンブース


ブース内部を陰圧に保つことで、咳等による汚染エアロゾルがブース外部に拡散することを防止します。ブース内部からの排気はHEPAフィルターを通して浄化され、エアロゾルの拡散を抑制します。

特別な工具は不要で、組み立て・可動式。待合・診断・病床・処置室など院内の既存スペースに局所的に陰圧環境が構築できます。

静電吸着式「パーティクルコレクター」


パーティクルコレクターとは、半導体製造の現場で活躍する「静電チャック」の技術を応用した、パーティクルを捕捉・集塵するツールです。

空間のクリーン化、製品への異物混入防止などさまざまな用途でご使用いただくことができます。

さいごに


今回はクリーンルームについてご紹介しました。クリーンルームにおける清浄度クラスについて、クリーンルームの4原則「微粒子を持ち込まない」「微粒子を発生させない」「微粒子を堆積させない」「微粒子を排除する」について、そして、クリーンルームの用途として「インダストリアルクリーンルーム(ICR)」「バイオロジカルクリーンルーム(BCR)」について、それぞれご紹介しています。

evortでは、クリーンルームに関連するおすすめ製品を掲載していますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。