1. TOP
  2. 記事
  3. パワーデバイス(パワー半導体)とは? 仕組み・種類・用途例についてご紹介します

パワーデバイス(パワー半導体)とは? 仕組み・種類・用途例についてご紹介します

パワーデバイス(パワー半導体)とは? 仕組み・種類・用途例についてご紹介します

一般的に用いられてきた「半導体」とは異なるパワーデバイス(パワー半導体)。インバータ・コンバータ等の電力変換器に用いられます。この記事では、パワーデバイスの仕組み・特性、代表的な種類についてご紹介しています。関連するおすすめ製品も掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

パワーデバイス(パワー半導体)とは?


パワーデバイス(パワー半導体)は、これまで一般的に用いられてきた「半導体」とは異なるものです。半導体は演算や記憶の働きを果たす部品ですが、パワーデバイスはインバータ・コンバータ等の電力変換器に用いられるものです。

パワーデバイスはパワー素子・電力用半導体素子と呼称されることもあるように、電気エネルギーの供給や制御の役割を果たす半導体であると言えます。

一般的な半導体とパワーデバイスの違い

パワーデバイスと一般的な半導体は、異なる目的や電力要件に応じて設計されています。パワーデバイスは電力の制御と変換に使用され、出力電力は小さなものから大規模なものまで対応しています。そのサイズも、クッキーほど小さいものからお弁当箱ほど大きいものまで多様です。

一方、一般的な半導体は、数値計算やデータ保持などのアプリケーションに適しており、非常に低電力で動作します。サイズは一般的に数センチ四方です。

パワーデバイスの将来性

新型コロナウイルスの感染拡大が製造業に多大な影響を及ぼしており、需要の低迷やサプライチェーンの途絶などから、多くの企業が業績の悪化に直面しています。

しかし、この状況においても半導体市場は相対的に安定しており、コロナの影響が比較的限定的であると言えます。むしろ、テレワークの増加に伴い、パソコン、スマートフォン、データセンターのサーバー、ゲームなどの需要が高まっています。省エネルギーや省電力技術の発展、自動車関連の需要増加も見込まれ、2021年以降は市場の拡大が期待されています。

パワーデバイスの仕組み

パワーデバイスは「インバータ」「コンバータ」「周波数変換」「レギュレータ」等の機能をオン・オフのスイッチングで行う仕組みによって成り立っています。

パワーデバイスの特性

パワーデバイスの特性として「制御方式」「定格電圧・定格電流」「ターンオフ時間・ターンオン時間」「熱損失」「回復特性」「SOA」の6項目についてご紹介します。

パワーデバイスのおすすめ関連製品

メタルマスクオプション


用途や相性に応じて、選べるオプションが増えました。
増加する微細部品に対応した壁面処理
量産時の印刷性を安定させるコーティング処理
シルク等の凹凸影響を緩和させる特殊処理等
用途や相性に応じて、選べるオプションが増えました。

枚葉式複合モジュール型 成膜加工装置 uGmni-200, 300


枚葉式複合モジュール型成膜加工装置「uGmniシリーズ」は、複数の異なるプロセスモジュールを同一搬送コアに搭載し、可能な限り構成部品の共通化を行いスペア部品の低減や同一操作画面による使い勝手向上など、電子部品の製造工程において更なる効率化を実現いたします。

ACF圧着装置(フルオート機、セミオート機、マニュアル機)


大橋製作所は、ディスプレイ用設備(LCD、PDP、OLED・・・)の開発からスタートした企業です。
ディスプレイ業界で学んだ、クリーン度、高精度化、高生産性、コストパフォーマンスなどの知識を、携帯電話のモジュール部品組立の世界に応用しました。
世界450社、3500台以上の販売実績と豊富な経験をもち、研究開発用途から量産機、カスタマイズ機、特殊機まで様々な装置を提案可能です。

半導体製造プロセス・設備監視の計測ソリューション


ヴァイサラは、バルクケミカルおよびスラリーの供給、塗布、および使用点での混合、添加、研磨に関わるプロセスのインライン濃度モニタリング用の半導体製造プロセス向け屈折計を提供するとともに、半導体装置および半導体設備の内部および周囲の湿度、露点、温度、圧力の計測機器も提供しています。

還元真空リフロープロセス用鉛フリーソルダーペースト E12 series


E12シリーズのフラックスはパワーデバイス用途として想定される500μm超となる厚いメタルマスクを使用して印刷、リフローを行った場合においてもはんだボールの発生がありません。

パワーデバイスの主な種類

パワーデバイスの代表的な種類として「ダイオード」「トランジスタ」「IC」についてご紹介します。

ダイオード

一方向にのみ電流を流す「整流」を行うダイオード。
※一般整流ダイオード、ファストリカバリダイオード、ショットキーバリアダイオード、ツェナーダイオード、等

トランジスタ

スイッチングや電気信号の振幅を増大させるトランジスタ。
※バイポーラトランジスタ、MOSFET、IGBT等

IC

ダイオードやトランジスタ等の部品をシリコン上に集積したIC(集積回路)。
記憶・四則演算・電力制御等の役割を担う。

パワーデバイスの用途例

パワーデバイスは電源回路を有するあらゆる電子機器に組み込まれています。例えば、スマートフォンやパソコン、冷蔵庫やエアコン等の一般的に普及している電子機器にも用いられていますが、より大きな電力が求められる産業機器への用途が主要分野となっています。また、近年では自動車分野での用途が拡大している傾向にあります。というのも、自動車の分野では自動運転・センシング技術などの半導体が重宝される技術の需要が高まっているからです。

電気自動車(EV)

電気自動車(EV)は、伝統的な自動車とは異なり、エンジンではなく電力をバッテリーから供給し、モーターを通じて走行します。電動車両内での動力制御と電力供給には、パワー半導体が用いられています。電気自動車のバッテリーは直流電力を格納していますが、モーターに供給する前に、この電力をインバータを介して交流に変換し、必要な周波数に調整します。

このインバータ内で使用されているデバイスが、高速スイッチングと高耐圧を備えたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)というパワー半導体です。

電車

電車の機能、例えばモーター駆動、空調装置、ドアの開閉装置なども、パワー半導体の適用によって可能になっています。電力供給が直流の場合、システムは通常、インバーターを使用して電力を交流に変換し、それからモーターや他の装置を制御します。

一方、電力供給が既に交流の場合、変圧器とコンバーターを介して電力を直流に変換し、その後インバーターを使用してモーターや装置を制御します。

5Gの基地局

5G対応スマートフォンの電波を送受信するための5G基地局でも、電源回路にはパワー半導体が重要な役割を果たしています。具体的には、5G基地局の電波送信部分では、そのエリア全体に電波を送信するために送信信号を増幅する必要があります。

この増幅作業にはパワーアンプと呼ばれるデバイスが使用されます。5G基地局のパワーアンプは通常、数W以上の出力を生成する必要があるため、パワー半導体が広く使われているのです。

太陽光発電

太陽光発電システムにおいても、パワー半導体は重要な役割を果たしています。太陽光発電によって生成される電力は直流ですが、一般的な家庭の電化製品は交流電力を必要とします。そのため、太陽光発電で得られる直流電力を、電力を供給できる形にするために、パワー半導体を使用したインバーターが必要です。

さいごに

今回はパワーデバイス(半導体)について紹介しました。一般的な半導体との違いについて、パワーデバイスの仕組みについて、パワーデバイスの6つの特性について、そして、代表的な種類として「ダイオード」「トランジスタ」「IC」について紹介しています。

evortはパワーデバイスに関連するおすすめ製品を掲載していますので、ぜひ一度参考にしてみてください。