特長
高性能
独自技術で開発した材料を使用し、シミュレーション、製作、磁性焼鈍、効果測定まで全てを自社で行うことによって、高い性能を実現しています。納入時には、磁気シールドの性能評価を行った際の報告書を添えてお届けいたします。
樹脂製ブレッドボード
磁気シールドボックス内に289箇所のM4ネジ穴加工を施した樹脂ブレッドボードを設置しました。コイルやセンサを設置するなど、購入直後からご使用いただけます。
3種類のラインナップ
性能が異なる3つのタイプの製品を用意しております。ご希望に合わせてお選びいただくことで、仕様検討のためのお時間が不要になります。それぞれのスペックについては、仕様一覧をご参照ください。なお、資料には製品(型番ZS5002)の磁気シールド性能(※)を測定した際の詳細データも記載しております。
※性能は代表値
用途例
電子部品メーカー様の導入例
●スペック
納入場所:
電子部品メーカー様
室内寸法:
W=1.2m、D=1.2m、H=1.2m
実績性能:
静磁界 1/869(シールドの方位による)
※当社での社内測定実績
●お客様のご要望
磁気シールドボックスとしては、大きいサイズのものをご依頼いただきました。ただ、従来のシールドボックスの設計でこの大きさに対応するには、諸所の問題点がありました。
【従来の磁気シールドボックスの提案と問題点】
・ワンアクションで開閉できるように1枚扉の設計をする。
→扉が大きく開放時にスペースをとるほか、扉1枚あたりの重量が重くなる。
・シールドが2層構造なので、扉も2層構造(2枚扉)にする。
→扉が大きいため、扉の開閉が2回でも大変になる。
・扉の密閉固定方法は、従来のクリップ式とする。
→クリップで扉を何箇所も止める必要があり、開閉に時間がかかる。
●オータマからの提案・成果
問題点をお客様に伝えたところ、扉の開閉の使い勝手を良くしてほしいとのご要望をいただきましたので、以下の4点を提案。
1)観音開きにすることで、扉1枚あたりの軽量化
2)シールドが2層でも、扉は2層一体型構造にし、開閉を1度で行えるように
3)扉の片側(右側)だけを開閉可能に
4)取手はワンタッチで開閉できるものに変更し、片手で開閉が行えるように
これまで当社では、観音開き扉を用いた多層構造のシールドボックスを設計した実績がなく、今回が初めての試みでしたが、当社で取り扱っているパネル式磁気シールドルームに採用している2層構造を一度に接触できる扉構造を参考に検討し、観音開き扉にしました。
扉を板金製作にすることでコストを抑えることができましたが、重量が重くなるため、スムーズに稼働する蝶番が必要でした。生体磁気用のシールドルームで実績のあった重量用蝶番を用いることで、求めていたスムーズな稼働を可能にしています。
扉の密閉固定方法は、クリップ式だとシールド性能を高めるための接触に対しては有用ですが、使い勝手という点ではほど遠く感じました。加えて「右の扉の持ち手部分を左の扉よりも大きくしたい」という要望もあったため、業務用冷蔵庫などに使用されているロックも一括で行えるハンドルを採用しました。使用実績はありませんでしたが、設計検討を十分に行った結果、性能を確保しつつ、僅かな力で開閉でき、片手に何かを持っていた場合でも簡単に開閉が行えます。提案通りの使い勝手となりました。