コンテキストに優れた生成AIによる特許公報の要約例
サンプル:特開2012-123456
【要約】
【課題】利用者の利便性を向上させること。【解決手段】決済装置100は、受付部110と、出力部130と、払出部140と、を備えている。受付部110は、利用者からの金銭の投入を受け付ける。出力部130は、受付部110に投入された金銭の額面のうちの最小単位の額面の釣銭の数が1以上である場合に利用者へ警告情報を出力する。払出部140は、受付部110に投入された金銭に基づいて利用者に釣銭を払い出し、投入された金銭の額面のうちの最小単位の額面の釣銭の数が1以上である場合は釣銭の払い出しを一時保留する。
生成AIとは?
生成AI(Generative AI)は、ユーザーの指示にしたがって、新しいデータやコンテンツを生成する技術です。
2022年の米OpenAI社による対話型AI「Chat GPT」の登場を機に注目され、膨大なデータから学習し、その学習をもとに新たなコンテンツを生成する能力をそなえ、ここ数年、下記のような分野において急速に発展しています。
生成AIが特許業界へもたらす可能性
特許管理・調査業務における一般的な課題
特許業界は、技術革新の最前線に立ち、知的財産の保護と活用を担う重要な役割を果たしています。
しかしながら、その管理と調査・分析には、多大な時間とコストを要します。特に特許調査業務においては、関連特許の検索や技術動向の分析が必要不可欠です。膨大な特許データベースから必要な情報を抽出する作業は、高度な専門知識も必要となり、決して容易なことではなく、特許調査の効率化・業務負荷軽減というテーマは、特許業界において大きな課題となっています。
特許業界における生成AIの活用動向
前述の課題を背景に、特許業界においても、生成AIは大きな注目を浴びており、近年、生成AIを活用したサービスもいくつかリリースされています。
これらのサービスは、特許管理や調査業務の効率化を図るために生成AIを活用しており、特許文書の自動生成をはじめ、特許分類・技術動向の分析など、特許業務の負担を軽減し、効率化を図る機能を提供しています。
生成AI特許調査・分析オプション Patentfield AIR とは
Patentfield AIRは、Patentfieldに生成AI機能を組み込むことで、4つの既存機能との連携を実現した、Patentfieldのオプション機能です。特許検索から、その検索結果のマップ分析・生成AIによる独自要約の作成や分類付与などをワンストップで実現します。
Patentfield AIRの特長
最大1万件の国内外の検索母集団に対応
Patentfieldのデータベースと連携しており、最大1万件の国内外の検索母集団に対して、設定条件を当て込み、一括で生成AIの出力結果を得ることが可能です。月額3万円のプランでも、*約2万件の処理が可能。 *GPT4o-miniを使用した場合(2024/9時点)
生成AIの出力結果は、公報情報と合わせてエクセルダウロードが可能で、負荷の高かった査読業務効率を向上させることができます。
独自要約からポートフォリオ分析まで、多彩な機能を搭載
生成AIの汎用性を活かした、特許文献の独自要約作成、外国文献の翻訳、実施例の組成・数値の抽出、社内分類などのラベル付与、AI教師ラベルの性能評価、新規アイデア/請求項と先行文献の対比評価、競合企業や技術テーマのポートフォリオ分析など、業務シーンに応じた多彩な機能を提供しています。
Patentfieldの他の4つの機能と連携した活用
生成AIで付与したラベルのマップによる可視化連携、AIセマンティック検索結果に対して生成AIによる関連性の判定、AI分類予測の教師データの性能評価など、各種機能連携が可能です。
通常の検索結果画面へのAI査読結果の反映が可能で、公報内容と照合しながら、生成AIの出力結果の確認も可能です。
Patentfield AIRでできること
Patentfield AIRを活用することで、たとえば、以下のようなことが容易にできるようになります。
また、使い方次第で、さまざまな活用用途の可能性が広がります。
大量の特許文献の高速処理
最大1万件の国内外の検索母集団に対して、一括で生成AIの出力結果を得ることができ、大量の特許文献を高速に処理し、知りたい情報をスピーディーに把握することが可能です。
特許公報のわかりやすい要約
特許公報の「要約」では把握できない内容や、特許文書に馴染みのない人でも読みやすい平素な文章で公報内容を独自に要約することができます。
各種キーワードの抽出
特許公報から特徴的なキーワードを抽出することで、技術トレンドや技術動向などについて、膨大な特許文書から効率的に情報を収集することができます。
特許のポートフォリオ分析
競合他社や技術テーマの特許ポートフォリオを生成AIが分析し、競合企業の技術開発戦略や、特許出願動向を用意に把握することができます。
特許の分類・ラベル付与
生成AIが大量の特許文献を査読してラベル付与することで、大幅な時間とコストの削減・効率的な特許管理や分析が可能になります。
発明の評価
新規アイデアと関連性の高い先行特許の抽出や、請求項案の各構成要素が各文献のどの段落に記載されているかなど、効率性の高い発明の評価を実現します。
Patentfield AIR 利用の流れ
Patentfield AIRは、3つのステップでご利用いただけます。
STEP1 | 査読設定条件の作成
いわゆるプロンプトの作成にあたります。公報内容のどの項目に対し、何をしてほしいのかなど、ニーズに応じて査読種別を選択し、指示内容を設定します。
STEP2 | 査読対象集団の検索条件追加
特許の検索条件を作成し、STEP1で作成した査読設定条件を用いて、検索母集団に対して、生成AIを適用します。
検索条件作成時にはPatentfieldが提供する下記の検索種別が使用可能です。
AIによる類似文書検索や類似画像検索も選択可能で、特定特許や意匠に似ている文献の集合を簡易的に特定し、生成AIに査読させることも可能です。
STEP3 | 査読結果の確認
STEP1で作成した査読条件に基づき、STEP2で検索した査読対象集団に対して、生成AIによる査読結果が表示されます。
査読結果は、エクセルデータとしてのダウンロードも可能で、通常の検索結果画面へ反映させ、各公報の内容を参照しながら、AI査読結果の確認をすることもできます。また、Patentfieldのマップ分析機能と連携した活用が可能です。可視化機能を活用することで、さらに効率的な特許検索やトレンド分析を容易にします。
Patentfield AIR 独自の機能のご紹介
ポートフォリオ分析機能
検索結果の1件1件の特許を対象にするのではなく、検索母集団のすべての特許(例えば、競合他社や技術テーマの特許ポートフォリオ)を対象に生成AIが分析し、競合企業の技術開発戦略や、特許出願動向を瞬時に把握することができます。ポートフォリオ分析機能では、対話的に生成AIを利用することができ、生成AIの出力結果に対してさらに指示を与えて、深堀りした分析も可能です。
査読アシスタント機能の活用による通常検索結果画面でのAI査読結果の確認
Patentfield AIRは、Patentfieldのインターフェース自体に生成AI機能を組み込んでいます。
したがって、生成AIによる査読結果は、「査読結果」画面だけでなく、Patentfieldの提供している通常の検索結果表示画面においても、AI査読結果を反映させ、公報原文と併せた査読結果の確認を可能にしています。
この「査読アシスタント」機能を用いた、Patentfieldの通常の検索結果画面でのAI査読結果の確認は、最大5つの査読設定条件を適用することが可能で、下記のように、複数観点での生成AI査読結果を同時に、公報原文と併せて確認することができます。
マップ機能との連携
AI査読結果に対するマップ機能を活用した分析
生成AI査読結果について、マップ機能を用いた分析を行うことが可能です。この場合、前述の「査読アシスタントを有効」に設定した状態で、検索結果画面を表示させます。
生成AIが付与した分類結果を分析軸としたマップ機能の利用
生成AIが査読し、付与した分類(ラベル・抽出タグ)は、Patentfieldのマップ可視化機能と連携した活用が可能です。この可視化機能を活用することで、マップ上で集計や絞り込みが可能になり、さらに効率的な特許検索やトレンド分析を可能にします。
テンプレート・プリセットから入力機能
テンプレート機能
テンプレート機能を選択すると、事前に作成し、保存しておいたテンプレートが選択可能で、これらを利用、編集したユーザー指示文の入力が可能です。
プリセットから入力機能
Patentfield AIRでは、生成AIになじみのない方でも直感的操作でご利用いただけるよう、特許調査・分析用途に特化したプリセット指示文をご用意しています。用途に合わせてプリセットを選択するだけで、指示文を作成しなくても誰でも簡単に生成AIを利用できます。プリセットは、今後も随時拡充予定です。
画像認識
公報の図面や明細書中の図表データを生成AI(GPT-4oなどの一部の生成AIモデル)に認識させることがです。これにより、特許公報に添付されている図面や表の内容のテキスト化や分析、リスト化などの情報抽出も可能です。
その他 補足事項
生成AIのAPIセキュリティについて
Patentfield AIRでは、原則、モデルプロバイダーのAPI環境を利用しています。
ChatGPT PlusなどのWebサービス版では、ユーザーの入出力が学習に利用されることがありますが、モデルプロバイダーのAPI環境においては、ユーザーデータが学習目的に利用されることはありません。なお、データ保存については、不正使用の特定のため、一定期間(Open AIの場合は、最大30日間)は保持されますが、その後、削除されます。
有料トライアルについて
Patentfield AIRは有料オプション機能となり、基本的には年間契約となりますが、ご契約前にトライアルが可能です。
トライアル可能期間や料金は、プランやご利用の並列数などによって異なります。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。