
高周波熱錬のプレハードン材
細径でも曲がらない。熱処理工程を省いた精密軸材。
プレハードン材(プリハードン鋼)は、特殊鋼に焼入れ・焼戻しの熱処理を施した状態でお客様に供給する線材です。高周波熱錬株式会社(ネツレン)は、高周波誘導加熱技術を用いた独自の製造工程により、お客様の要求を満たしたプレハードン材を平塚工場で製造・販売しています。 ネツレンのプレハードン材は、細径材でも曲がりが少なく、お客様側での熱処理工程や矯正工程などを省けることが大きな特長です。ボールねじ用軸材、医療用ドリル、モーターシャフトなど、真直性と高い寸法精度が求められる用途に広く採用されています。

高周波熱錬株式会社
地球に「やさしく」、人に「やさしく」、環境に「やさしく」、暮らしを「ささえる」。そんなIH-Technology 日本で初めてIH(Induction Heating=誘導加熱)技術の事業化・工業化に成功したパイオニア企業。 それがネツレンです。
プレハードン材が選ばれる理由
細径材でも優れた真直性
特殊鋼の細径バー材に熱処理を施すと、どうしても曲がりが生じやすくなります。自社設備や一般的な熱処理工程では、細くなるほどこの傾向が顕著になり、後工程で矯正作業が必要になるケースも少なくありません。
ネツレンは、高周波誘導加熱技術の独自ノウハウにより、熱処理時の曲がりを抑制する製造方法を確立しています。φ2mm程度の細径材でも曲がりが少ない状態で供給できるため、お客様側での矯正工程が不要になる場合があります。
実績例として、SUS440C φ2.0×2200Lにおいて曲がり30μm以下を達成しています。細径材の真直性を重視されるお客様に選ばれている強みです。

高周波誘導加熱のメリット
熱処理を行うと、材料表面に酸化スケール(黒皮)が生じます。また、長時間加熱を伴う一般的な熱処理では、表面に脱炭層(炭素が抜けて硬さが低下した柔らかい層)が形成される場合があります。
ネツレンでは、高周波誘導加熱が数秒という短時間で完了するため、脱炭層の拡大をほぼ抑えることができます。

センタレス研磨による高精度な真円度
この高精度な仕上がりにより、お客様側での研磨工程(外径仕上げ)などの後工程を省略できる場合があり、リードタイムの短縮やコスト低減に貢献します。
実績例として、AISI4150材において真円度2μm以下を達成してます。
素材調達から一貫製造
ネツレンでは、特殊鋼の素材調達から、高周波熱処理、センタレス研磨、定尺切断まで、平塚工場で一貫して製造しています。お客様は使用鋼種・線径・長さ・硬さなどの仕様をお伝えいただくだけで、完品に近い状態の材料を入手できます。
一貫製造による主なメリットは以下の通りです。
| 外注管理工数の削減 | 熱処理外注の発注・管理・横持運送などの事務工数を削減できます |
|---|---|
| 歩留まりの向上 | 曲がりによるスクラップが減り、材料の無駄を抑えられます |
| リードタイムの短縮 | 外注熱処理工程が不要になることで、全体の調達リードタイムを短縮できます |
なお、特定の鋼種について鉄鋼メーカーとの共同開発品など、ネツレンで素材調達が難しい場合には、お客様から素材をご支給いただき加工・納品する材料支給にも対応しています。

製品仕様・対応範囲
対応鋼種・線径・硬さ
ネツレンのプレハードン材は、幅広い仕様に対応しています。SUS440Cをはじめとする特殊鋼各種を取り扱い、お客様のご要望に応じた鋼種・サイズで製造します。
| 線径 | φ2mm〜φ40mm |
|---|---|
| 長さ | 50mm〜4000mm(お客様指定) |
| 硬さ | HRC30〜60程度 |
| 仕上げ | 熱処理まま品(黒皮)またはセンタレス研磨品(みがき) |
対応鋼種や詳細仕様については、お問い合わせまたはカタログダウンロードにてご確認ください。

ズブ焼入れ・中空材への対応
ネツレンの高周波誘導加熱技術は、標準的な表層焼入れ以外の特殊な仕様にも対応しています。
| ズブ焼入れ (全断面焼入れ) |
通常の焼入れが表層のみを硬化させるのに対し、ズブ焼入れは中心部まで均一に硬化させます。中心部まで同じ硬さが必要な用途にご要望に応じて対応します |
|---|---|
| 中空材 (パイプ材) |
パイプ材は熱処理時の曲がりが生じやすく、一般的に加工が難しいとされています。ネツレンは高周波誘導加熱技術を応用し、中空材の熱処理・センタレス研磨にも対応。細径材と同様に真直性に優れた製品を供給できます |
用途例
ボールねじ用軸材

ボールねじは、産業機械や精密機械の位置決め機構に広く用いられる部品です。回転運動を直線運動に変換する役割を担うため、軸材には高い真直性と真円度が求められます。
ネツレンのプレハードン材は、ボールねじ用軸材として多くのお客様にご採用いただいております。センタレス研磨品をご提供し、お客様側でハードワーリング加工など機械加工を実施してボールねじ軸材に仕上げていただいています。
医療用ドリル
医療用ドリルは、細径かつ高い真直性が求められます。
細径になるほど熱処理時の曲がりが課題となるため、ネツレンの真直性に優れたプレハードン材が活用されています。
小型モーターシャフト

小型モーターの軸材(シャフト)にもプレハードン材が使用されています。
回転体の軸材には真直性と真円度が求められるため、ネツレンの高精度な材料が採用されています。
金型ピン
上記以外にも、特殊鋼の熱処理済み線材が必要な幅広い用途に対応しています。
| 用途 | 特徴 |
|---|---|
| 金型エジェクターピン | プラスチック金型用のピン材として使用。高硬度と寸法精度が求められます |
導入の流れ
Step 01|仕様のご相談
まず、ご使用の鋼種・線径・長さ・硬さなどの仕様をお知らせください。素材をネツレンで調達するか、お客様からご支給いただくかについても、この段階でご相談いただけます。詳細はカタログダウンロードまたはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
Step 02|試作評価
お客様からいただいた仕様に基づき、試作テストと評価を行います。テストを経て納入仕様を決定させていただきます。
Step 03|製造・検査
ご確認いただいた仕様に基づき、平塚工場にて製造を行います。素材調達→高周波熱処理(焼入れ・焼戻し)→センタレス研磨→定尺切断の工程を経て、お客様のご仕様に合致しているか検査を実施した上で出荷します。
Step 04|出荷・納品
熱処理まま品(黒皮)またはセンタレス研磨品(みがき)の形態でお客様へ納品します。国内への配送のほか、輸出(港渡し)についてもご相談に応じています。
高周波熱錬株式会社について

世界を支える Fine heat Technology より強く、よりしなやかに
地球に「やさしく」、人に「やさしく」、環境に「やさしく」、暮らしを「ささえる」。そんなIH-Technology
日本で初めてIH(Induction Heating=誘導加熱)技術の事業化・工業化に成功したパイオニア企業。
それがネツレンです。
| 名称 | 高周波熱錬株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 141-8639 東京都品川区東五反田二丁目17番1号 オーバルコート大崎マークウエスト |
| 設立 | 1946年5月 |
| URL | https://www.k-neturen.co.jp/ja/index.html |

