素材・ナノテクノロジーに関する製品・技術の一覧ページです。
微小気泡を高感度・リアルタイムに観測
超音波エコー装置を利用した微小気泡(マイクロバブル/ナノバブル)の観測技術を研究しています。
近年、体外からの超音波照射により薬剤・遺伝子導入治療へ応用するといった超音波援用のDrug Delivery System(DDS)治療の開発が進められています。これは、超音波照射下の微小気泡が振動を繰り返し、最終的に圧壊する過程で生じる細胞への機械的作用を利用したもので、治療効率を向上させるためには、気泡の非線形振動と気泡破壊の観察が重要です。
私たちの微小気泡観測技術は、DDS治療はもちろん、マイクロバブル/ナノバブルの高感度・リアルタイムな検出が必要となるその他の分野にも幅広くご活用いただけます。
世界唯一のキュプラ長繊維不織布
ベンリーゼ®は、旭化成が製造する、世界で唯一のピュアでサステナブルなキュプラ長繊維不織布です。
操業以来40年以上の歴史の中で、医療用ガーゼから工業用ワイパー、近年ではスキンケアのフェイスマスクとして、時代の変化とともに多様化する需要に対応してきました。
世界で唯一、銅アンモニア法で生産される再生セルロース
天然素材を再生した「再生セルロース」には様々な種類がありますが、旭化成の再生セルロースは、世界で唯一、銅アンモニア法という製法で作られています。綿実油の生産時に副産物として発生するコットンリンターを原料とし、1931年より生産を開始しました。
さまざまな形に加工が可能で、アパレル向け繊維「ベンベルグ®」、長繊維不織布「ベンリーゼ®」、医療向け除去フィルター「プラノバ®︎」など、幅広い分野で使われています。非晶領域が多いため、染料などの分子を吸尽しやすく、また化学修飾や機能性材料との複合がしやすいなど利点があります。
また、天然素材であるコットンリンターを100%原料として作られているため、生分解性があり、土に埋めると堆肥化します。サステナビリティという観点からも需要のある素材です。
7N超高純度ヘリウムガス 業界最高純度で安定供給可能
光ファイバー、半導体、液晶、太陽電池などの先端技術や、医療用MRIをはじめ超伝導分野で欠かせないガス、ヘリウム。世界の限られた地域でしか産出されない天然資源のため調達が難しく、わが国でも安定的な確保が課題となっていました。
イワタニはその解決に向けて、日本で初めてカタールのヘリウム直輸入権益を獲得し、従来の米国産と合わせ、全世界の約8%の数量を取り扱いできるようになりました。
これまで東日本では横須賀とつくばの2拠点でヘリウムを充填しておりましたが、移転集約という形で2019年4月に茨城県阿見町に国内最大級の東京ヘリウムセンターを新設いたしました。充填能力が増強され、純度に関してもこれまで超高純度ヘリウムガスとして提供していた99.9999%を上回る、7N超高純度ヘリウムガス(99.99999%)の充填をスタートしました。
商業用日本初 国内生産の重水素
重水素とは、産業用で広く使用されている水素の同位体です。重水素の性質を生かして、半導体などのエレクトロニクス・光ファイバー・化学・重水素ランプ、核融合など様々な分野で用いられています。
従来、国内への供給は、その大部分を米国からの輸入に頼ってきました。今後、世界的な需要の拡大が見込まれることから、重水素の調達リスクが高まることが予想されています。
そこで、イワタニでは日本初となる重水素の商業生産を開始しました。 イワタニは国産の重水素により、更なる安定供給および短納期を実現いたします。
磁気浮上の技術を活用したベアリングレスモータ
磁気浮上技術を応用してロータ(回転子)を非接触支持することで、従来のモータでは実現できない優れた性能を有する磁気浮上モータの開発を行っています。磁気浮上モータは、超高速・超クリーン環境・真空中・血液中など、特殊環境で使用することができます。
特に、アメリカ企業と協同で人工心臓の研究に取り組んでいます。子牛を用いた動物実験を行い、完全に心臓を除去し、開発した人工心臓を埋め込んで、30日間の生存に成功しました。この技術を用いて様々な産業応用機器に対して最適なモータを設計・製作することができます。
今後、人工心臓の開発で得られた知見を様々な産業応用機器に活かし、機器の高性能化に寄与したいと考えています。
寒天や飴で作られた安心安全の新しい再帰性反射材
近年、液体を利用した光学デバイスが出現し、注目を集めています。液体は、可視光に対して透明なものが多く、適切に形状を制御することで光学デバイスを実現するのに優れた素材であることがわかってきました。多くの食品も液体であることから、食品も光学素子の素材として適している可能性が高いと考えました。そして研究を重ね「食べられる再帰性反射材」を開発しました。
これまでの光学素子が食べられるとしたら、日用品、エンターテイメント、医療等様々な分野で新しい価値を提供できます。
ガス置換包装を用いたフードロス削減の取り組み
SDGs持続可能な開発目標の中の「つくる責任とつかう責任」という面で世界的にフードロスが注目されています。日本国内においても、フードロス削減法が施行され企業及び個人に対しても努力が求められています。
ガス置換包装を採用することで、賞味期限の延長、フードロスの削減、収益構造の改善が見込まれます。近年コンビニエンスストアやスーパーを中心にガス置換包装の導入が進んでいます。
粒子界面が全く存在せず、つなぎ目がない「シームレス」な活性炭
活性炭は、1nm程度の微細な穴(ミクロ孔)が発達した比表面積の大きな多孔性のカーボン材料です。多くの場合活性炭は粉末・粒状・繊維状といった形状で提供されています。
新規なキャパシタ用多孔質カーボン電極の実現を目指して 2011 年より研究を開始しています。その成果として、粒子界面が全く存在せずつなぎ目がない「シームレス」な活性炭の実用化に成功しました。シームレス活性炭は均一な連通マクロ孔が発達したナノ多孔性カーボンモノリスです。
シームレス活性炭は、蓄電デバイスの一つである電気二重層キャパシタならびにリチウムイオンキャパシタの電極材として、極めて優れた耐久性を示します。キャパシタだけでなく広く蓄電デバイスの電極材として、さらには各種分析ならびにセンサー用のカーボン電極としても、シームレス活性炭は新たな可能性を開くものとして期待されます。
撥水・撥油・防汚・紫外線コントロール・防黴・防腐・抗菌・防藻などの保護剤として、風合いを保ち耐久性を高めます
木材は、水分状態の変化、紫外線、ホコリなどによって寸法変化を起こすほか性質がさまざまに変化します。そのために利用上のトラブルの原因となることが多くあります。また、造膜型の塗料を木材に塗布して屋外で使用していると、数年で変色や塗膜の割れ、剥離などが発生します。
開発者の株式会社丹宇 伊藤博 氏が「経年劣化そのものから材木を守ることができるものとは?」と考えていたところ、京都大学生存圏研究所の今村祐嗣教授と乃出会いがあり、炭素とフッ素の化合物RF基(パーフルオロアルキル基)と酸化ナノチタンで構成された木質美観保護剤「タウンガード」が完成しました。
使用済み天ぷら油で土壌・河川・海洋汚染を減らしたい!
チェーンソーは、金属製のチェーンの外側に刃が装着されており、 刃の摩耗防止、軸など可動部分の潤滑のため、 運転時は常にオイルポンプでチェーンソーオイルをチェーン部分に噴射しています。
ソーチェーンは常に切断する木材に接触し続ける事、常時高速回転、遠心力などにより飛散してしまうため、常時新たなオイルを刃に供給しなければ、焼き付きや刃の摩耗などが発生し動作不良になります。
上記の様な構造上、チェーンソーオイルは使用量全量が土壌に散布されてしまい「土壌・河川・海洋汚染」に繋がります。
チェーンソー使用時に飛散している潤滑油は、推計では年間16,000KL(ドラム缶8万本)以上にも及ぶと言われており、その多くが鉱物性潤滑油です。
そこで、弊社グループではチェーンソーオイルによる「土壌・河川・海洋汚染」防止のため、使用済み天ぷら油から生分解性潤滑油の開発に着手し、成功しました!
マルチマテリアル化を実現する各種金属の低温・低加圧固相接合
固相接合は材料を溶かすことなく接合する方法で、ひずみが少なく精密な接合に適していますが、接合面には酸化皮膜があり接合を阻害するという課題がありました。本技術は環境調和型の酸により皮膜除去し、低温接合化を図っています。
アーク溶接や抵抗溶接など、従来の接合法には無い特徴を有しており、製品の軽薄短小化・精密化、構造の複雑化など、製品製造における自由度を拡大させるとともに、高付加価値化に適する接合要素技術です。
浮遊する時を刻む
物体を空中に表示させる結像光学素子「パリティミラー®」の魅力をコンシューマーにも伝えるために開発された空中表示時計です。技術的なハードルをいくつも乗り越え、ついに完成いたしました。
CES 2020にて初出展したところ世界中から注目を集めました。
時刻の空中表示はもちろん、日付・温度・湿度などの切り替え操作も本体に触れることなく、空中に浮かぶボタンに指をかざすだけでできる不思議な時計です。
スタイリッシュで、触らずとも切り替えができる不思議な感覚を味わえる「空中表示時計」です。
容易に錆の進行を抑え 建物や設備などの老朽化を抑制
赤錆の上に直接塗工することで、黒錆へ転化させる水性塗料です。
ケレン作業を省くことができますので、大きなコスト低減を図ることができます。
黒錆層がプライマー(下地材)の役目をしますので、直接、上塗り塗装が可能です。
当社独自の反応触媒により、反応速度の異なる無機材料と有機材料の複合化を実現。 これにより、高機能・高付加価値技術の製品化に貢献いたします。
原料溶液を加水分解し、重縮重合などの化学反応を起こさせゲル(ゼリー状の固体)を作成。それを熱処理して内部に残された溶媒を取り除き、さらに緻密化を促進することでセラミックスを得られるという「ゾル-ゲル法」。無機材料、有機材料を問わず、機能性材料を開発する際には広く行われている手法です。
しかし無機材料によるゾル-ゲル反応は、加水分解反応からゲル化まで数百時間も必要になるものがあり材料合成自体が困難でした。そこで当社では、ゾル-ゲル法で使う出発原料に適した反応触媒を発見し反応速度の制御技術を確立。反応速度の異なる無機材料と有機材料の複合化をすることで、新たな機能性材料を開発しました。
龍谷大学や京都工芸繊維大学といった大学機関や、京都市産業技術総合研究所や大阪府立産業技術総合研究所、産業技術総合研究所 九州センターといった公的機関との協同研究により生まれた新機能性材料は、当社オリジナルの反応触媒により、「コーティング薄膜」「多孔質薄膜」といった二次元化や、「多孔質物質」「中空粒子」「中空多孔質粒子」といった三次元化をすることにより、さまざまな製品に活用することができます。
株式会社中戸研究所が開発した新機能性材料は、私たちの生活を変えいく可能性を秘めているといえるでしょう。
完全リモートで脳波計測が可能に
フルリモートニューロリサーチは、オンラインで実験指示を出すことが可能な、非対面方式のニューロリサーチです。家にいながらビデオ通話で直接対話をし、実験指示を通して対象者の「感性」を把握することができます。
電通サイエンスジャムの持つ脳波による感性把握技術は、慶應大学満倉靖恵教授の18年以上の研究によって確立された独自のアルゴリズムを活用しています。その研究は国内外で評価され、多くのクライアント様が商品開発やリサーチ、エビデンス構築などに活用しています。
首都圏に暮らす128世帯の同意を得た生活者の家庭にクラウド連携させた脳波計測器を配布し、在宅型大規模ニューロリサーチパネルを構築しました。実際の生活環境で脳波取得が実現するとともに、スピーディーかつコストパフォーマンスに優れた大規模ニューロリサーチをご提供しております。
安価な処理浴を用いて高い耐摩耗性と耐食性を有す高硬度表面を実現
従来、機械部品や金型等、耐久性や耐摩耗性を要求される金属部材は、コーティング、拡散処理、熱処理等によって表面を改質し、耐食性や硬度を向上させてきました。しかし素材や用途、形状によっては、それら処理ができなかったり、耐久性に問題が生じるケースがあります。
そこで高品質でかつ容易に金属表面を硬化することのできる安価な処理方法を研究し、溶融塩浸漬法を用いた「ホウ化処理法」を実現しました。
ステップ1 :
ホウ砂及びアルミニウムを溶融した溶融塩浴を作製
ステップ2 :
溶融塩浴に金属部材を浸漬する
ステップ3 :
金属部材を溶融塩浴から取り出し、水中にて冷却
この方法によって非常に高い硬度を金属部材に賦与することができます。また安価なホウ素源であるホウ砂を用いて短時間で硬化処理を行うことが可能となります。
オンリーワン技術で未来を創造する電解鉄「マイロン」「アトミロン」。最先端分野に貢献する世界トップシェアの実力。
電解鉄は、航空機や自動車などの重要部材用の特殊鋼や合金の原料として使われています。電解鉄を使った合金は不純物が少なく、非金属介在物をほとんど含まないため、疲労強度が向上するほか、耐熱性、耐酸化性などの特性も優れています。磁性材料としては、純度が高いほど軟磁気特性が優れており、高透磁率、高飽和磁束密度、低保磁力を示します。逆に高保磁力の、磁石や磁気記録媒体用原料としても使用されています。
今後とも、上記のような特性を生かし、自動車や航空機の電動化、IoT、循環型社会の構築など、少しでも広く社会に貢献できますよう、多方面との共同研究・開発を進めてまいります。
糊残りの無い粘着で実現したレーザープリンター用耐水紙
レーザープリンター用のエヴァタックLBPの製品化は、弊社設立時からの念願でありました。
その最大の理由は、出力時に高温が必要なLBPでは、糊のついたタック紙での印刷は機械の中で糊が溶け出し、故障を招く恐れがありLBPメーカーが安心して推奨できる製品が少ないことが挙げられます。
当社のエヴァタックに採用されている粘着は、耐熱性に富んでおり高温でも溶け出すことが全くありません。これを利用して印刷品質、厚み、強度等のバランスの良い満足のいる製品化には約3年の期間が必要でした。現在、LBP用からさらに、UVオフセット用へと新たなステージの開発をおこないました。今後も、より多くの皆様のお役に立てるよう日々新たな挑戦を行ってまいります。
防蟻・防腐・防錆効果のある画期的な薬剤
木造住宅の多い日本において、火災で亡くなる人がとても多い事に常々心を痛めていました。そこで、木造住宅の基本部材である「木」自体を燃えなくする事は出来ないだろうか?と考え、そして生まれたのがSOUFA(ソウファ)です。
当社は現在でも木材の不燃化、難燃化を主たる研究テーマとしています。木材への含侵、熱量試験等を通してSOUFA(ソウファ)の性能を日々確認・研究しています。
その中でいくつかの企業から「その他の材料への適用は出来ないか?」「樹脂混錬を行いたいので粉体提供は可能か?」等のお問合せを受けるようになり、セルロース系材料を中心にサンプル出荷も行う様になりました。現在では建材を中心に幾つかの製品に採用されています。
また、木材の不燃化から波及して、紙やパルプ、ダンボール、綿、麻等のセルロース系材料への適用も進んでおり、新しい技術へ応用が始まっています。
最先端素材であるセルロースナノファイバー(CNF)への相性も良い事が確認されています。
まだ誰も見たことのない技術を通して、弊社の基本理念である「減災」へ貢献したいと考えています。