MT300 高精度ディジタル圧力測定器

MT300の特長

MT300は、横河計測が誇る高精度デジタル圧力計です。微差圧から高圧まで計測可能で、高確度かつ長期安定性を実現し、あらゆる圧力測定ニーズに対応します。

豊富なラインアップ

MT300は、圧力計3モデル、13レンジをラインアップしています。 豊富なラインアップで、お客様のアプリケーションに応じて、最適な圧力計モデル、レンジをお選びいただけます。



また、医療関係のお客様向けに、生体内圧力計量機器、または血圧計量機器の開発・生産などの用途を目的に、「生体内の圧力の計量」、「血圧の計量」に限定してmmHgやmmH2O、Torr等の法定計量単位として認められている 非SI単位が表示可能なモデルもラインアップしております。

高確度、長期安定

横河独自開発のシリコンレゾナントセンサの採用により、0.01%の高い測定確度を実現しています。 また、長年にわたり蓄積した測定データが裏付ける長期安定性能により、12ヵ月間、測定確度を保証しています。

様々な圧力計測ニーズをサポートする豊富な機能

高精度な圧力測定を実現するための高分解能表示や高速測定、同期測定機能を備え、効率的な作業をサポートするリークテストや統計処理機能、外部機器との連携を容易にする出力機能や通信インタフェース、データストア機能を提供することで、フィールド機器の校正業務の効率化に大きく貢献します。

高精度な測定をサポートする各種機能

効率的な作業をサポートする各種機能

外部機器との連携をサポートする各種機能

フィールド機器の校正業務を支援

電力、ガス、原子力、化学・石油精製・石油化学、薬品など、プロセスオートメーションのフィールドには、圧力、温度、流量などの計測を行う各種のセンサが、大量に使用されています。
これらのセンサは定期的に校正が施され、プラントの生産物などの品質が一定に保たれています。なかでも圧力の測定を行う差圧・圧力伝送器は、その使用数量の多さからフィールドで計装された状態で校正されることが多く、プラントのメンテナンス作業としても作業量が多いため、その作業効率改善が設備稼働率向上などのキーポイントとなっています。
MT300は、トランスデューサなどへの電源供給が可能な24VDC出力、計装信号（1-5V、4-20mA）の測定が可能なDCV、DCA測定、またリチウムイオンバッテリ駆動により、AC電源のない環境に持ちだすことが可能で、その校正業務の効率化に大きく貢献します。

独自で開発・設計したシリコンレゾナントセンサ

高い感度と分解能、優れた長期安定性

シリコンレゾナントセンサは、 YOKOGAWAが世界で初めて自社開発に成功した、高性能センサです。シリコンレゾナントセンサは、計装の高度化にともなう高精度要求に対応でき、また従来より過酷な環境でも長期に安定した計測を行なうことを可能にしました。

極めて小さい温度依存性

2個の振動子を使用し、圧力は2つの固有振動数の差から求める差動方式をとっており、周囲温度のような外部環境の影響を相殺できます。また振動子が真空状態にあり、周囲温度や湿度などの影響を受けません。

国家計量標準機関に⁨⁩向けた取り組み

シリコンレゾナントセンサのもつ高い性能と長期に わたる安定性の評価結果から、圧力標準の国際比 較用仲介器として横河のディジタル圧力計、圧力 センサーが採用されています。

活用事例

事例１: 重錘形圧力天びんによる圧力校正

MT300絶対圧モデルは、環境測定として大気圧を高精度に監視、測定することで、重錘型圧力天びんの発生した値に対し、大気圧の揺動を排除した結果を出すために効果を発揮します。

重錘形圧力天びんと圧力校正の重要性

重錘形圧力天びんは、高い校正能力が要求される圧力校正に使用される信頼性の高い機器です。各国の国家計量標準機関やハイエンドな校正事業者の圧力標準として広く採用されています。
重錘形圧力天びんを用いて校正をする場合、圧力計を接続し、校正された値が正しく発生されているかを確認する必要があります。また、圧力校正においては大気圧の変化が影響するため、環境測定も重要なポイントになります。

MT300の特長と活用事例

横河のMT300は、発生圧に対し高確度0.01%の測定が可能です。重錘型圧力天びんの発生した値に対し、大気圧の揺動を排除した結果を出すために効果を発揮します。

事例2: 投込式水位計校正における精密圧力測定

圧力コントローラMC100 はオーバーシュートが少なく、安定した圧力供給が可能であり、水位計などへの性能試験を正確に、効率良く行うことが可能です。

投込式レベル計の高精度測定

投込式レベル計は、水深の変化に伴う液圧を測定して水位に換算する高精度な水位計です。超音波方式などの他の水位計と比較して測定精度が高く、中にはプラスマイナス0.2%の精度を保証する製品も存在します。
一般的に、水位20mに相当する圧力値はおよそ200kPaとなり、この精密な測定が水位管理において重要な役割を果たします。

水位計の性能試験方法

水位計の性能試験は、実際に水中に沈める必要がなく、センサーに水位相当の圧力を加えることで行われます。プラスマイナス0.2%という高い精度で水位を測定するためには、200kPa以上の発生圧力と0.1%以下の確度を持つ高精度なデジタル圧力計が必要です。
この要求に応える製品が、横河の圧力コントローラーMC100です。

MC100の特長と優位性

横河の圧力コントローラーMC100は、0.05%という高い確度で水位計の性能を評価することができます。さらに、ニードル弁を使用して供給圧力を制御しているため、他社製品と比較して圧力設定値をオーバーすることがありません。
水位計内蔵の圧力センサーの性能を正確かつ高効率に評価することが可能となります。

事例3 : 防水ケースの半透膜性能試験

防水ケース等で使用される半透膜の性能試験において、MT300では、微小な圧力変化を高精度、高分解能にモニターでき、浸透圧の閾値を正確に測定できます。

半透膜性能試験の必要性

半透膜は、防水ケース内の温度上昇を抑制し高湿度化や結露を防ぐために通気性が求められる一方で、液体の水をケース内へ侵入させない性能も必要です。これらの性能を評価する試験では、半透膜の浸透圧の閾値を測定します。この閾値は、水が半透膜を通過する直前の圧力を指し、これを正確に測定することで、膜の性能や限界を評価することが可能です。

測定に求められる性能

• 高精度・高分解能：微細な圧力変化を正確に捉える。
• 高速応答性：圧力のリアルタイム変化を連続的にモニター可能。

MT300の特長と優位性

MT300には10 kPaレンジがあり、負圧~大気圧近辺の微小な圧力変化を高精度に測定することが可能です。
高速測定モード(オプション)、アナログ出力オプションを付加することで、システム上で圧力変動をモニターすることも可能です。