医薬品のマイクロカプセル化に向けた噴霧条件の検討を支えるミニスプレードライヤー
比較したい条件以外の設定をそろえ、運転データを記録。噴霧条件ごとの粒子径や放出挙動を比べやすく
薬物やタンパク質をポリマーなどで包むマイクロカプセル化では、入口温度や流量などの噴霧条件によって、粒子径・カプセル化率・放出挙動が変わります。そのため、条件を変えながら結果を比べる検討が欠かせません。この記事では、条件ごとの結果を比べやすくするミニスプレードライヤー S-300の機能を紹介します。
サマリー
課題
噴霧条件によって粒子径やカプセル化率、放出挙動が変わるため、条件を変えながら結果を比べる検討が必要です。
解決策
比べたい条件以外の設定値をS-300が自動で一定に保ち、運転データを記録できます。
期待効果
条件を変えた運転の結果を比べやすくなり、目的の放出挙動に合う噴霧条件を絞り込みやすくなります。

日本ビュッヒ株式会社
世界で初めてロータリーエバポレーターを製品化したビュッヒです。 最新型のロータリーエバポレーターは世界中の多くの研究室でご利用いただき、また各種の前処理・分析装置でオペレーターの皆さんの「安全&安心」を第一に、自動化、無人運転などの効率化をお手伝いしています。 私たち日本ビュッヒは、常にお客様のことを第一に考え、付加価値を提供する高品質の製品、システム、ソリューション、アプリケーション、そしてサービスをお届けすることによりお客様のビジネスを支援いたします。
医薬品のマイクロカプセル化
マイクロカプセル化は、薬物やペプチド、タンパク質などの有効成分を、生分解性ポリマーなどで包んだ微粒子にする技術です。製剤やドラッグデリバリーシステムの研究では、放出を制御しやすくし、生体利用効率を高めるために、この技術の活用が検討されます。
スプレードライ(噴霧乾燥)では、有効成分とポリマーなどを溶媒に溶かすか分散させた原料液を、乾燥用の熱風の中に霧状に噴霧し、瞬時に乾燥させます。乾燥と粉末化を1ステップで行い、有効成分を包み込んだ微粒子が得られます。同じ手法は、肺まで運ばれやすい低密度粒子からなる肺疾患治療用パウダーや、熱に弱いワクチンのスプレードライにも使われています。
ミニスプレードライヤー S-300は、少量の材料でスプレードライを行える実験室用の小型装置で、こうした粒子設計の試験研究に適しています。
医薬品のマイクロカプセル化における課題
噴霧条件による粒子特性の変化
マイクロカプセル化した微粒子の粒子径やカプセル化率(有効成分が粒子に取り込まれた割合)、放出の速さは、ポリマー濃度などの原料液の処方だけでなく、入口温度や送液の流量などの噴霧条件によっても変わります。目的の放出挙動を得るには、条件を変えながら結果を比べる検討が欠かせません。
条件を比べるための再現性
条件の違いによる結果を比べるには、変えた条件以外の設定が運転ごとにずれないことが前提になります。運転中の温度や流量の推移が記録に残っていなければ、結果の差が意図して変えた条件によるものかを、後から確かめにくくなります。
有機溶媒を使う処方
マイクロカプセル化に使うポリマーには、有機溶媒に溶かして噴霧するものがあります。有機溶媒のスプレードライには引火の危険が伴うため、それに備えた装置の構成が必要です。
熱に敏感な有効成分
タンパク質やペプチドなどの有効成分は熱の影響を受けやすい物質です。入口温度などの条件を探る際には、乾燥して得られる粒子の温度にも注意が必要です。
ミニスプレードライヤー S-300による解決策

同じ条件での繰り返し運転
S-300は、各設定値を自動的に維持する制御を備えており、再現性の確保に有効です。
S-300には、ベーシック・アドバンス・耐腐食の3タイプがあります。このうちアドバンスと耐腐食では、温度・送風・送液などの運転条件を「メソッド」として保存し、読み出すだけで同じ条件を再設定できます。アドバンスと耐腐食にはさらに、昇温から停止までの一連の運転作業を自動で進める自動モード(オプション)を追加でき、反復運転では作業と監視の手間を省けます。
運転データの記録と出力
S-300は、運転の全パラメーターの推移や変動を、入口温度・出口温度・製品温度・乾燥ガス流量などのグラフとして操作パネルに表示できます。
保存した運転データは操作パネルで再表示でき、PDF形式のレポートやCSVファイルとして出力できます。運転記録は、外部記憶媒体へエクスポートすることもできます。
有機溶媒を使う処方への対応
ジクロロメタンなどの有機溶媒を使う原料液は、補助装置のイナートループ S-395をS-300に組み合わせてスプレードライします。S-395は、乾燥用の熱風に不活性ガスを使って装置内で循環させる装置で、酸素濃度と圧力を監視し、基準値を外れると自動で運転を止める安全機構を備えています。
捕集部の温度監視
S-300の製品温度センサーは、サイクロンの捕集容器部の温度を計測し、上限温度に対するアラームを設定できます。熱に敏感な有効成分を扱う場合に、捕集容器部の温度を確かめながら入口温度などの運転条件を探れます。
粒度分布とノズル
S-300の主な粒度分布は、2流体ノズルで1〜25μm、超音波ノズル(オプション)で10〜60μmです。超音波ノズルパッケージを使うと、実験室用のS-300で、パイロットスケール機並みの大径粒子を得られます。
ミニスプレードライヤー S-300活用による期待効果
条件ごとの結果の比較
設定値の自動維持やメソッドで比較したい条件以外の設定を運転ごとにそろえ、運転データを記録すると、入口温度や流量などを変えた運転どうしの結果を比べやすくなります。粒子径やカプセル化率、放出挙動と噴霧条件の関係を整理し、目的の放出挙動に合う噴霧条件を絞り込みやすくなることが期待できます。
有機溶媒を使う処方の検討
イナートループ S-395を組み合わせた構成では、ジクロロメタンなどの有機溶媒にポリマーを溶かす処方も実験室で検討できます。
関連製品・サービス
ミニスプレードライヤー S-300
ミニスプレードライヤー S-300は、ビュッヒ社が開発した次世代のラボスケールのスプレードライヤーです。 主な特徴として、乾燥用の熱風量を一定に保つ調整機構や、ポンプ送液量を簡単に校正できる機構が備わっています。 また、出口温度と最終製品温度の両方を監視し、熱に敏感な試料を保護することが可能です。 化学分野や先端材料の研究開発、特に電極用材料の研究開発で活用されており、ラボスケールのカテゴリーでは唯一無二のスプレードライシステムとして位置づけられています。
日本ビュッヒ株式会社について

ラボ用分析機器・前処理装置の日本ビュッヒ
世界で初めてロータリーエバポレーターを製品化したビュッヒです。
最新型のロータリーエバポレーターは世界中の多くの研究室でご利用いただき、また各種の前処理・分析装置でオペレーターの皆さんの「安全&安心」を第一に、自動化、無人運転などの効率化をお手伝いしています。
私たち日本ビュッヒは、常にお客様のことを第一に考え、付加価値を提供する高品質の製品、システム、ソリューション、アプリケーション、そしてサービスをお届けすることによりお客様のビジネスを支援いたします。
| 名称 | 日本ビュッヒ株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 110-0008 東京都台東区池之端2-7-17 IMONビル3F |
| 設立 | 2001年06月 |
| URL | https://www.buchi.com/ja |
医薬品のマイクロカプセル化
