電気計測器の社内校正用機器|自社の校正室で基準器として使う標準発生器
テスター・指示計器・電力計を自社の校正室で校正する標準発生器
電気計測器を社内で校正できれば、生産や検査の予定に合わせて校正日程を組みやすくなります。そのためには、校正する計測器に適した基準器を選び、校正結果の信頼性を確保することが大切です。横河計測は、電気計測器の社内校正用機器として、高確度で安定した出力を備える標準発生器を提供しています。
サマリー
課題
社内校正には、高確度で出力が安定した基準器が必要です。基準器のトレーサビリティの確保に加え、測定項目の多い計測器では手作業による校正の負担も課題になります。
解決策
高確度で安定した出力を備える標準発生器を用意しています。JCSS校正証明書の発行に対応する機種に加え、電力計WTシリーズの対応機種の校正を自動化する無償ソフトウェアも提供しています。
期待効果
電気計測器を社内で校正でき、生産や検査の予定に合わせて日程を組みやすくなります。電力計の校正自動化で作業時間を短縮できます。JCSS校正証明書を活用することで、取引先にも校正の根拠を示しやすくなります。

横河計測株式会社
横河計測株式会社は、横河電機グループの計測器事業を担う企業です。オシロスコープ、パワーアナライザ、データアクイジション、光通信測定器、圧力計測器など、幅広い精密計測ソリューションの開発・製造・販売を手がけています。 横河電機グループは、精密計測器の開発・提供において100年を超える実績を持ちます。圧力計測の分野でも長年にわたり技術を蓄積し、独自開発のシリコンレゾナントセンサ技術を核とした圧力計測プラットフォームを展開しています。
電気計測器の社内校正用機器
製造業の生産ラインや品質保証の現場では、テスター(回路計)、電圧計・電流計などの指示計器、電力計、温度調節計といった多くの電気計測器が使われています。これらの計測器が正しい値を示しているかを確かめるために、定期的な校正が行われます。
校正は、確度の高い基準器から既知の電圧や電流などを計測器に入力し、計測器の表示と基準の値との差を確かめる作業です。
校正の進め方には、校正を専門とする外部の事業者に委託する方法と、自社の校正室で行う方法があります。外部に委託する場合は、計測器を送り出してから戻ってくるまでの間、その計測器は使えません。校正する台数が多い場合や、生産に欠かせない計測器を校正する場合は、代わりの計測器の手配や校正日程の調整が必要になることがあります。自社で行う場合は、生産ラインなどで使っている計測器を取り外して校正室へ持ち込み、1台ずつ校正してから元の場所へ戻します。
基準器から入力する信号の種類は、校正する計測器によって異なります。
| 校正する計測器 | 必要な信号 |
|---|---|
| 直流のテスター・指示計器 | 直流電圧・直流電流 |
| 交流の電圧計・電流計 | 交流電圧・交流電流 |
| 電力計 | 同時に入力する交流電圧と交流電流 |
| 温度調節計・データロガー | 熱電対の起電力や測温抵抗体の抵抗値を模擬した信号 |
横河計測は、これらの信号に対応する社内校正用の標準発生器として、直流用のプレシジョンDCキャリブレータ 2553A・2560A、交流用の交流標準電圧電流発生器 2558A、交流電力用の交流電力校正器 LS3300の4機種を提供しています。
電気計測器の社内校正における課題
基準器には校正する計測器より高い確度が必要
校正では基準器の出力を正しい値とみなすため、基準器には、校正する計測器よりも高い確度と、出力が時間とともに変わりにくい安定性が求められます。基準器の確度が計測器と同程度では、表示のずれが計測器によるものか基準器によるものかを見分けにくくなります。
社内の基準器にもトレーサビリティが求められる
社内校正の結果を信頼できるものにするには、校正に使う基準器そのものも、定期的に校正を受けている必要があります。基準器は、それよりも確度の高い標準器で校正を受けます。その標準器も、さらに確度の高い標準器で校正されています。
このように校正を順にさかのぼっていくと、国が定める基準である国家標準にたどり着きます。この切れ目のない校正のつながりを「校正の連鎖」といい、校正の連鎖によって測定結果を国家標準までたどれることを、トレーサビリティと呼びます。
ISO規格の認証を取得した生産工場では、計測器の精度を維持するための校正が求められます。取引先や監査の場で、基準器の校正証明書を確認されることもあります。
測定項目の多い計測器は手作業での校正に時間がかかる
電力計のように測定項目や測定レンジが多い計測器は、校正で確かめる値(校正点)も多くなります。校正では、校正点ごとに基準器の出力を設定し、計測器の表示を読み取って記録します。手作業ではこの作業を1点ずつ繰り返すため、1台の校正に時間がかかります。
横河計測の標準発生器による解決策
横河計測の標準発生器4機種は、校正する計測器の種類と測定範囲に合わせて選べます。

| 校正する計測器 | 適した機種 | 選ぶ目安 |
|---|---|---|
| 直流の電圧計・電流計(アナログメーター)、変換器・伝送器 | プレシジョンDCキャリブレータ 2553A | 直流電圧±32V・直流電流±120mAの範囲に収まる計測器 |
| デジタルテスター、デジタルマルチメータ、大型のアナログメーター | プレシジョンDCキャリブレータ 2560A | 直流電圧±1224V・直流電流-12.24A〜+36.72Aまでの計測器。高分解能モードでは最大6.5桁の分解能で出力を設定可能 |
| 温度調節計・データロガー(熱電対・測温抵抗体の入力) | プレシジョンDCキャリブレータ 2553A・2560A | IECで規定された10種類の熱電対と、Pt100の信号を発生 |
| 交流の電圧計・電流計(アナログメーター)、周波数計 | 交流標準電圧電流発生器 2558A | 交流電圧1.00mV〜1200.0V・交流電流1.00mA〜60.00A、周波数40〜1000Hz |
| 電力計、携帯用指示計器(W・V・A・PFなど) | 交流電力校正器 LS3300 | 交流電圧10mV〜1250V・交流電流0.3mA〜62.5Aを同時に出力。複数台の接続で三相に対応 |
温度関連の校正では、2553A・2560Aは、温度調節計やデータロガーなど、温度センサーの信号を受け取る計器に対応します。温度センサーそのものを校正するには、基準となる温度を発生させる設備が必要です。
高確度・高安定な出力で基準器として使える
4機種はいずれも、基準器として使える高確度・高安定な出力性能を備えています。
| 機種 | 確度 | 安定度 |
|---|---|---|
| プレシジョンDCキャリブレータ 2553A | 直流電圧±75ppm、直流電流±120ppm(1Vレンジ・1mAレンジ、1年確度) | ±15ppm/h |
| プレシジョンDCキャリブレータ 2560A | 直流電圧±50ppm、直流電流±70ppm(代表レンジ、180日確度) | 直流電圧±10ppm/h、直流電流±20ppm/h(代表レンジ) |
| 交流標準電圧電流発生器 2558A | 交流電圧±0.04%、交流電流±0.05%(180日確度) | 交流電圧・電流±50ppm/h |
| 交流電力校正器 LS3300 | 交流電力±450ppm(代表レンジ、1年確度)、位相確度±0.03°(50/60Hz) | 交流電力±100ppm/h(PF=1、出力ON後1分から1時間) |
時間が経過しても出力の変動が小さいため、再現性の高い校正ができます。
電力計WTシリーズの校正を自動化する無償ソフトウェア
横河計測は、自社の電力計(パワーメーター)WTシリーズの校正を自動化するソフトウェアを無償で提供しています。基準器には、交流の校正に交流電力校正器 LS3300、直流の校正にプレシジョンDCキャリブレータ 2560Aを使います。LS3300と2560Aを組み合わせると、交流と直流の両方を自動で校正できます。校正を自動化することで、手作業による校正の負担を減らし、1台あたりの校正時間を短縮できます。
| 対象の電力計 | WT300E、WT300、WT200シリーズ、WT100シリーズ |
|---|---|
| 校正可能な範囲 | LS3300(交流)と2560A(直流)の出力範囲 |
| 通信インタフェース | USB、GP-IB、イーサネット、RS-232 |
| 入手方法 | ユーザー登録をしたお客様が横河計測のWebサイトから無償で入手 |
JCSS校正証明書で基準器のトレーサビリティを確保する
製品の出荷時と、横河計測の引取校正の際に、JCSS(Japan Calibration Service System)校正証明書を発行できます。JCSS校正証明書の発行に対応するのは、2553A・2560A・2558Aの3機種です。
横河計測の標準発生器活用による期待効果
電気計測器の校正を社内で進められる
校正対象に合わせて校正用機器を導入することで、直流・交流の指示計器、テスター、電力計、温度調節計といった主な電気計測器の校正を、自社の校正室で進められます。校正する計測器を外部へ送り出さずに済むため、生産や検査の予定に合わせて校正日程を組みやすくなります。
電力計の校正時間を短縮できる
電力計校正ソフトウェアで校正を自動化すると、手作業に比べて1台あたりの校正時間を短縮できます。例えば電力計WT310Eの交流校正を52点で行う場合、手動では約20分かかる作業が、校正ソフトウェアの使用時には約2分40秒になります。
取引先へ校正の根拠を示しやすくなる
2553A・2560A・2558AをJCSS校正証明書付きで管理することで、国際的に通用するトレーサビリティ体系に基づいた計測器管理が可能になります。海外取引先からトレーサビリティの要求がある場合にも対応できます。
関連製品・サービス
横河計測のキャリブレータ(校正器 / 標準発生器)
横河計測株式会社は、電気計測器の校正に求められる高確度な基準信号の発生に応える、標準発生器・校正器のラインアップを提供しています。 直流電圧・電流の校正に対応するプレシジョンDCキャリブレータ 2553A / 2560A、交流電圧・電流の校正に対応する交流標準電圧電流発生器 2558A、そして電力計校正に対応する交流電力校正器 LS3300の4機種を用意。計測器メーカーとして培った技術を活かし、校正現場の幅広いニーズに応えます。
横河計測株式会社について

PRECISION MAKING
横河計測株式会社は、横河電機グループの計測器事業を担う企業です。オシロスコープ、パワーアナライザ、データアクイジション、光通信測定器、圧力計測器など、幅広い精密計測ソリューションの開発・製造・販売を手がけています。
横河電機グループは、精密計測器の開発・提供において100年を超える実績を持ちます。圧力計測の分野でも長年にわたり技術を蓄積し、独自開発のシリコンレゾナントセンサ技術を核とした圧力計測プラットフォームを展開しています。
| 名称 | 横河計測株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 〒192-8566 東京都八王子市明神町四丁目9番8号京王八王子明神町ビル |
| 設立 | 1954年07月 |
| URL | https://tmi.yokogawa.com/jp/ |

