高いエネルギーコスト
多くの工場では、製造設備用の蒸気ボイラーが設置されており、空調にも転用されています。本来、空調には高温の蒸気が不要にもかかわらず、「設備があるから使う」という考えで運用されているのが現状です。蒸気ボイラーを用いた空調方式は、エネルギー効率が極めて悪く、無駄な運転コストが発生しています。
CO₂排出量
2050年カーボンニュートラル実現に向けて、産業界全体でCO₂排出量の削減が求められています。工場における空調システムは、年間数百トン規模のCO₂を排出する主要な排出源となっています。蒸気ボイラーを使用した従来型の空調システムでは、必要以上の化石燃料を消費し、過剰なCO₂を排出しています。
安定した温湿度管理
製造業において、製品品質の安定化には厳密な温湿度管理が必要不可欠です。特にクリーンルームや材料・製品の保管庫では、年間を通じて一定の温湿度環境を維持する必要があります。従来の空調システムでは、外気条件の変化に対して安定した制御が難しく、品質にばらつきが生じるリスクがあります。
従来比30-50%のエネルギーコスト削減
リキッドデシカントは、30-50℃の低温熱源で運用可能な空調システムです。蒸気方式と比較して運転コストを30-50%削減できます。年間500万から1000万円規模のコスト削減が期待できます。
年間CO₂排出量を大幅削減
一般的な工場の空調システムでは年間100トン以上のCO₂を排出していますが、リキッドデシカントへ置き換えることにより、その排出量を大幅に抑制することが可能です。経済産業省からも先進的な省エネ設備として認定を受けており、補助金申請の対象となります。
精密な湿度管理を実現
リキッドデシカント空調機は液体調湿剤の温度と濃度を調整することで接触する空気の温度と湿度を自由にコントロールすることができます。温度と湿度を同時に制御するLDM方式、温度と湿度をそれぞれ制御するLDU方式があり、温度と湿度を完全に独立してコントロールすることが可能です。さらに、液体調湿剤自体が持つ除菌効果により、クリーンルームなどで求められる清浄な空気環境を維持します。
熱源の置き換え
熱源を蒸気ボイラーからより効率的なヒートポンプの温水や排温水にすることが可能です。熱源を温水に替えることで高効率な運転が可能です。
柔軟な導入方式
既存の空調設備を活かしながら、リキッドデシカントユニットを後付けで設置することで、最小限の工事期間での導入が可能です。独自のモジュール化設計により、様々な規模や用途に合わせて柔軟な構成を実現します。
加湿運転イメージ(LDM方式)
LDM方式の加湿運転では、装置の中心となる気液接触部の上部から液体調湿剤を静かに流下させ、この部分に外気を通過させることで加湿を行います。また、30-50℃の低温温水と加湿用の補給水を活用し、効率的な加湿プロセスを実現します。
加湿運転イメージ(LDU方式)
LDU方式は、温度制御と湿度制御の役割を分離した方式です。気液接触部において、液体調湿剤と空気を接触させることで加湿を行います。
除湿運転イメージ(LDM方式)
LDM方式の除湿運転では、装置の中心となる気液接触部の上部から液体調湿剤を静かに流下させ、外気を通過させることで除湿を行います。再生機にて処理機で吸収した調湿液中の水分を外気へ放出し、調湿液を濃縮します。
フィルム製造工場
大手フィルムメーカーの製造工場では、製造環境の温湿度管理に蒸気ボイラー方式を採用しており、蒸気の生成・搬送時のエネルギーロスが大きく、経営課題となっていました。工場全体のカーボンニュートラル推進と運転コスト削減を目指し、リキッドデシカントシステムへの置き換えを決定しました。
製薬工場
医薬品製造メーカーの工場においては、季節や天候の変化による湿度変動が製造工程に影響を与え、品質管理上の課題となっており、従来の空調システムでは外気条件の変動に対する安定性が不十分で、より精密な環境制御が求められています。
カスタマイズタイプ
大風量を必要とする用途に対応する汎用性の高いエアハンドリングユニットです。風量5000㎥/hから対応可能、10,000㎥/h以上の大風量の処理が可能で、カスタマイズ性に優れています。
パッケージタイプ
風量3000㎥/h~9000㎥/hの範囲でパッケージ化されたモデルです。「除湿」「送風」「加湿」の各運転モードによって最適な空気を供給します。
施設と適用の種類
4つのステップ
無料試算・現地調査から設計導入まで4つのステップで行います。