水分と同時に脂質・たんぱく質も定量する卓上型 近赤外分析計
前処理なしで水分・脂質・たんぱく質を1回の測定で定量
水分は、食品や飼料の品質管理で原料の受入から出荷検査まで日常的に測定する項目です。卓上型 近赤外分析計は、試料をそのままの状態で測定し、水分と脂質・たんぱく質などの複数成分を1回の測定で定量します。前処理や試薬を使わないため、項目ごとに分析していた日常分析の作業時間の短縮が期待できます。
サマリー
課題
水分・脂質・たんぱく質は項目ごとに分析法と所要時間が異なり、日常の測定に時間がかかります。
解決策
卓上型 近赤外分析計は、試料をそのままの状態で測定し、複数成分を1回の測定で定量します。
期待効果
項目ごとに分析していた日常分析の作業時間の短縮が期待できます。

日本ビュッヒ株式会社
世界で初めてロータリーエバポレーターを製品化したビュッヒです。 最新型のロータリーエバポレーターは世界中の多くの研究室でご利用いただき、また各種の前処理・分析装置でオペレーターの皆さんの「安全&安心」を第一に、自動化、無人運転などの効率化をお手伝いしています。 私たち日本ビュッヒは、常にお客様のことを第一に考え、付加価値を提供する高品質の製品、システム、ソリューション、アプリケーション、そしてサービスをお届けすることによりお客様のビジネスを支援いたします。
水分と脂質・たんぱく質の同時分析
食品や飼料の品質管理では、原料の受入検査、製造工程の管理、出荷検査のそれぞれの段階で成分を確認します。水分は、いずれの段階でも測る項目です。製品の規格や保存性に関わるため、受け入れた原料から最終製品まで測定の対象になります。
品質管理では、水分に加えて、品目に応じた脂質やたんぱく質、灰分なども測定します。
| 品目 | 測定項目の例 |
|---|---|
| 米(玄米・白米) | 水分/たんぱく質/食味値/アミロース等 |
| 小麦・大麦 | 水分/たんぱく質/澱粉等 |
| 小麦粉・セモリナ粉 | 水分/たんぱく質/灰分/粒子径等 |
| 大豆・小豆 | 水分/たんぱく質/脂質/ポリフェノール等 |
| 飼料 | 水分/たんぱく質/脂質/灰分/繊維分等 |
| ペットフード | 水分/たんぱく質/脂質/灰分/繊維分等 |
| フィッシュミール | 水分/たんぱく質/脂質等 |
| 乳製品 | 水分/脂質/塩分/たんぱく質/固形分等 |
| 粉ミルク | 水分/たんぱく質/脂質等 |
| 食肉(牛・豚・鶏肉) | 水分/たんぱく質/脂質等 |
| 加工肉 | 水分/たんぱく質/脂質等 |
水分を測定する対象は、食品・飼料に限りません。天然物を合成した医薬品やポリマー・樹脂など、化学分野も対象に含まれます。
こうした成分の確認には、試料を容器に入れて測定する卓上型 近赤外分析計が使われています。
水分・脂質・たんぱく質の分析における課題
項目ごとに異なる分析法と所要時間
従来の分析法は、項目ごとに手法と所要時間が異なります。
| 測定項目 | 従来法 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 水分 | 乾燥減量 | 約2時間 |
| 粗たんぱく質 | 燃焼法 | 約5分 |
| 粗脂肪 | 溶媒抽出 | 6〜21時間 |
複数の項目を個別に測定するため、1検体あたりの所要時間が長くなります。
試薬・溶媒を使う分析操作
溶媒抽出のように試薬や溶媒を使う分析では、試薬や溶媒の準備と保管、作業時の排気、分析後の廃液の処理が伴います。分析に必要な消耗品や廃液処理のコストもかかります。
測定者による測定値のばらつき
手作業の判断が入る分析では、測定者によって測定値がばらつくことがあります。1日に扱う検体数が多い現場ほど、ばらつきの影響が大きくなります。
卓上型 近赤外分析計による解決策
卓上型 近赤外分析計は、試料をそのままの状態で測定し、水分と脂質・たんぱく質などの複数成分を1回の測定で定量します。実験室や品質管理室での使用に適した NIRFlex N-500 と、IP69準拠の防塵防水で生産ラインのすぐ隣にも設置できる ProxiMate の2機種があり、いずれも農林水産省の認定取得機種です。

前処理のない測定の手順
NIRFlex N-500 と ProxiMate は、試料を容器に入れて装置にセットし、スタートボタンを押すだけで測定できます。前処理は不要で、有機溶媒や試薬を使いません。測定結果は日本語で画面に表示されます。ProxiMate では、15秒後に成分の定量測定結果が表示されます。食品・穀物・飼料を対象とした測定例では、水分・たんぱく質・脂質などを30秒で同時に測定しています。乾燥減量で約2時間を要する水分も、溶媒抽出で6〜21時間を要する粗脂肪も、項目ごとに手法を分けることなく、同じ1回の測定で値を取得できます。
試料の形態に合わせた測定モードと容器
試料の形態に応じて、照射モードや測定モジュールと、使用する容器を選びます。
ProxiMate の照射モード
- 下部光源モード:反射板と組み合わせて、油脂などの液体の試料も測定
- 上部光源モード:プラスチック製、ステンレス製の容器を使用でき、異物混入防止でガラスの使用が禁止されている食品工場の生産環境にも対応
- 上部と下部の両方の光源を使うモード:測定する試料と測定の状況に合わせた照射モードの切り替え
マグネット式駆動装置で試料を回転させる測定にも対応し、測定ポイント数を増やして非均質な試料の測定誤差を抑えます。容器は、標準試料カップ(直径90mm)、スモール試料カップ(直径50mm)、大容量の試料カップ、ステンレス製シャーレから選べます。大容量の試料カップは、均質でない試料を採取する際の誤差を低減します。液体の試料は、標準試料カップと透過反射カバーを組み合わせて透過反射測定を行います。
NIRFlex N-500 の測定モジュール
- 粉体・固体測定モジュール:粒状、粉体、ペースト等の固体・半固体の試料に対応。トランスフレクションカバーとの組み合わせで液体の試料も測定
- 液体温調測定モジュール:室温から65℃までの温調と、6連のオートサンプラーによる連続測定
- 光ファイバーモジュール:試料の充填が不要で、袋越しの測定にも対応
測定モジュールはソフトウェアが自動で認識するため、交換後すぐに使用できます。バイアル瓶は粉ミルクやココアパウダーなどの粉製品の連続測定に、石英セルはサラダ油などの液体製品の連続測定に使います。どちらも NIRFlex N-500 のみで使用できる容器です。
試料に適した検量線の作成と更新
近赤外分析は検量線に基づく分析のため、対象とする試料に適した検量線が必要です。ProxiMate には、食品や飼料の成分分析のためのアプリケーションパッケージが用意されています。水分・脂質・たんぱく質に関わるものは次のとおりです。
| アプリケーションパッケージ | 同時に測定する項目の例 |
|---|---|
| 穀物・農産品 | 水分/脂質/たんぱく質 など |
| 穀類製品 | 水分/灰分/たんぱく質 など |
| 肉・ソーセージ | 水分/脂質/たんぱく質 など |
| 乳製品(ISO 21543) | 塩分/脂質/たんぱく質 など |
| 酒米、原料麦、芋類 | 水分/たんぱく質/澱粉 など |
| 飼料、サイレージ(ISO 12099) | 水分/たんぱく質/粗繊維 など |
| ペットフード | 水分/たんぱく質/脂質 など |
検量線の更新には、オプションの自動検量線作成機能 AutoCal(ProxiMateのみ搭載)が利用できます。従来法の測定値を入力して学習アイコンを押すと検量線が自動で更新され、近赤外分析の専門知識がなくても操作できます。最小10点の試料と手分析値があれば、検量線を作成できます。
検量線を作るときと更新するときには、AutoCal に入力する従来法の測定値が必要になります。近赤外分析を導入しても、従来法の分析がまったく不要になるわけではありません。一方で、検量線ができたあとの日常の測定には、試薬も溶媒も使いません。
検量線に関わる作業は、導入前の検討から納品後まで続きます。ビュッヒは、導入前のサンプルテストや検量線の作成から、納品後の定期点検や検量線の更新までをサポートしています。
卓上型 近赤外分析計活用による期待効果
作業時間の短縮
水分・脂質・たんぱく質などを1回の測定で取得できるため、項目ごとに分析していた日常分析の作業時間の短縮が期待できます。1検体あたりの測定にかかる時間が短くなることで、日常分析の効率化も見込まれます。
試薬・溶媒の削減
前処理や試薬が不要なため、日常分析の試薬・溶媒の削減が見込まれます。分析に必要な消耗品や廃液処理などのコストの削減も期待できます。
測定者によらない分析結果
測定者のスキルに依存しない分析結果が得られます。複数の工場で共通の検量線を使用すれば、工場間での分析法の標準化にもつながります。
関連製品・サービス
卓上型 近赤外分析計
日本ビュッヒの卓上型 近赤外(NIR)分析計は、食品・飼料、化学、医薬品など幅広い分野の品質管理等に活用できる分析装置です。主力製品である「NIRFlex N-500」と「ProxiMate」は、それぞれ異なる特長を持ち、お客様の多様なニーズに対応します。 NIRFlex N-500は最高水準の精度と柔軟性を誇るフーリエ変換型NIR分析計で、ProxiMateは使いやすさと堅牢性を兼ね備えた、実験室だけでなく製造ラインの隣にも設置可能なNIR分析計です。 迅速で正確な分析により、お客様の製品品質向上と生産性改善に貢献します。
日本ビュッヒ株式会社について

ラボ用分析機器・前処理装置の日本ビュッヒ
世界で初めてロータリーエバポレーターを製品化したビュッヒです。
最新型のロータリーエバポレーターは世界中の多くの研究室でご利用いただき、また各種の前処理・分析装置でオペレーターの皆さんの「安全&安心」を第一に、自動化、無人運転などの効率化をお手伝いしています。
私たち日本ビュッヒは、常にお客様のことを第一に考え、付加価値を提供する高品質の製品、システム、ソリューション、アプリケーション、そしてサービスをお届けすることによりお客様のビジネスを支援いたします。
| 名称 | 日本ビュッヒ株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 110-0008 東京都台東区池之端2-7-17 IMONビル3F |
| 設立 | 2001年06月 |
| URL | https://www.buchi.com/ja |
水分と脂質・たんぱく質の同時分析
