
セラミックス・ガラスのシート化受託加工
材料設計から少量試作まで。無機粉末をシート形状に
山村フォトニクスは、セラミックスやガラスをはじめとする無機系の粉末材料を、シート状に成膜する受託加工を行っています。LTCC基板用グリーンシートの製造で培ったドクターブレード方式の成膜技術を基盤とし、お客様の要求特性に合わせ、材料の配合設計から一貫して対応します。 標準品では満たせない特性のカスタム材料も、お手元にある粉末のシート化も、少量の試作段階からご相談いただけます。
サマリー
課題
解決策
期待効果

山村フォトニクス株式会社
1949年創業。ガラス材料設計と、ガラスと金属の気密封止技術(Glass to Metal Seal)をコア技術とする開発型メーカーです。 オプトエレクトロニクス関連部品、ガラスセラミックス、ガラス加工の3事業で、電子・光学部品から基板材料まで手がけています。
山村フォトニクスのシート化受託加工が選ばれる理由
幅広い無機粉末に対応
セラミックス、ガラス、その他の無機系粉末を、シート状に成膜できます。酸化物か窒化物かといった材料の種類による制約は少なく、粉末の成膜が可能であればシート化を検討できます。ガラス粉末単体でのシート化にも対応します。

| セラミックス | アルミナ 窒化アルミ(AlN) 窒化珪素(SiN) 窒化ホウ素(BN) ジルコニア コージェライト |
|---|---|
| ガラス | 各種ガラス粉末 |
材料設計からの受託対応
お客様の要求特性をうかがい、ガラスとセラミックスの配合設計から受託します。誘電率、誘電損失、強度、熱膨張係数など、狙う特性に合わせて材料そのものを組み立てる進め方です。
標準品番では対応が難しい要求にも、材料設計の段階から踏み込んでご提案できます。LTCC基板用グリーンシートの開発で蓄積した材料選定のノウハウが、この対応を支えています。
粉末支給での受託加工
材料設計からお任せいただくことも、お客様に粉末をご支給いただいて成膜だけを受託することもできます。ご支給いただいた材料と要求特性をもとに、当社でシートを設計します。「これまでシートにしてこなかった材料を、シート形状にしてみたい」というご相談にも対応します。
ペーストやタブレットの形で使ってきた材料をシートに置き換えることで、新たな使い方が見えてくるケースがあります。
少量・試作段階からの対応
開発段階での性能検証に向けて、少量からのシート試作に対応します。また、少量であれば、簡単な電極印刷や積層基板の試作にも対応します。
試作と評価のサイクルを、小さく早く回せるため、開発スピードを落とさずに材料の検討を進めることができます。
グループのガラス組成開発との連携
親会社である日本山村硝子株式会社のニューガラスカンパニーは、ガラスの組成開発を得意としています。粉末ガラス、ガラスタブレット、ガラスペーストなどを開発・製造しており、基板材料、封着用ガラス、焼結助剤、グレーズといった幅広い用途に材料を供給しています。
このガラス組成開発と当社のシート化技術を組み合わせることで、既存の材料では満たせない要求特性にも踏み込めます。特徴のあるガラス材料をシート形状にして、基板材料としてご提供できる点が強みです。

シート化受託加工の仕様と対応範囲
成膜サイズ・厚み・納入形態
対応できるサイズと厚み、納入形態は以下のとおりです。ご要望に応じて切り出して納入することもできます。表に記載のない仕様については個別にご相談ください。

| シートサイズ | □100〜500mm |
|---|---|
| シート厚み | 30〜300μm |
| 納入形態 | 枚葉/ロール |
ドクターブレード方式による成膜
成膜にはドクターブレード方式を用いています。まず粉末材料に溶剤とバインダーを混合・混錬し、泥状のスラリーを作製します。それぞれの配合比は、要求特性に合わせて決定します。
作製したスラリーを製膜装置に投入し、ブレードですり切ることで、キャリアフィルム上に薄膜を形成します。成膜後は加熱乾燥によって余分な溶剤を除去し、フィルムごと巻き取ります。最後に必要に応じて切断し、検査工程へと進みます。

検査項目
出荷前の検査は、お客様のご要望に合わせて実施します。標準ではバッチごとの抜き取り検査を行い、熱物性や強度の測定はご要求に応じて追加します。
| 標準の抜き取り検査 | 収縮率検査 シート密度検査 基板密度検査 外観検査 寸法検査 |
|---|---|
| ご要求に応じて実施 | 熱膨張測定 抗折強度測定 |
後加工・積層基板の試作対応
成膜したシートへのvia穴あけ加工、各種電極ペーストの塗布・充填にも対応します。お客様からご支給いただいたペーストもご使用いただけます。
LTCCの積層体作製、多層基板の試作も承ります。イメージ図や図面をご提供いただければ、設計および見積りの検討が可能です。なお、焼成温度の高い材料については、シート化までを当社で承り、焼成はお客様側で実施いただく形での対応となる場合があります。
製品ラインアップ
LTCCグリーンシート
LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)は、アルミナなどのセラミックスより低い温度で導体と同時に焼成できるガラスセラミックス材料です。焼成温度が900℃以下に抑えられるため、AgやAuといった低抵抗の導体材料と組み合わせられます。
高強度、低誘電率、低損失といった特性に加えて、焼結時の寸法安定性に優れる点が特徴です。
低誘電率、低損失、高強度、高反射率など、要求特性に応じた標準品番を取り揃えています。いずれの品番も鉛を含みません。

| 焼成温度 | 900℃以下 |
|---|---|
| XY収縮率公差 | ±0.3% |
| L/S (導体幅と導体間隔) |
50μm/50μm |
高強度/低誘電損失LTCCグリーンシート
モジュールの小型化・低背化ニーズの拡大と、通信分野での低誘電損失ニーズの高まりに合わせ、高強度タイプおよび低誘電損失タイプのLTCC基板用グリーンシートの開発を進めています。
本製品は開発中のため、予告なく仕様を変更する場合があります。

| 高強度タイプ | 基板にしたときの抗折強度を、アルミナ基板と同等レベルまで高めた材料です。 低温での焼結が可能なため、HTCC(高温同時焼成セラミックス)基板では使えなかったAgやAuなどの低抵抗導体を使用できます。 抗折強度:>400MPa |
|---|---|
| 低誘電損失タイプ | 5G通信のサブ6帯(3.6〜6GHz)およびミリ波帯(28GHz〜)における低誘電損失を狙った材料です。 誘電損失:<0.04%(10GHz)/比誘電率:6 |
| 低誘電率・ 低誘電損失タイプ |
低誘電損失に加え、比誘電率を低く抑えた材料です。 誘電損失:<0.13%(10GHz)/比誘電率:4 |
各種セラミックス・ガラスシート

LTCC基板用グリーンシートで培った成膜技術を応用し、各種セラミックスおよびガラス粉末をシート化した製品です。
アルミナ、窒化アルミ(AlN)、ジルコニア、コージェライトなどのセラミックスに加え、各種ガラス粉末もシート形状でご提供します。
無垢基板・積層基板
グリーンシートを焼成した基板もご提供しています。配線を施していない無垢基板と、導体配線回路を形成した積層基板の2種類があります。無垢基板の標準サンプルは、サイズ〜□270mm、厚み80μm〜1mmでご用意しています。
| LTCC無垢基板 | ![]() |
表面が滑らかで、平坦性に優れます。アルミナに比べて熱伝導率と誘電率が低い基板です。 |
|---|---|---|
| アルミナ無垢基板 | ![]() |
高純度のアルミナを用いた、高強度・高耐久性の基板です。セラミックス単体のため熱伝導率が良好です。シートから作製するため、厚み100μm以下の薄い基板にも対応します。 |
| 積層基板 | ![]() |
シートに導体配線回路を形成し、積層・焼成した基板です。 |
用途例
積層基板による小型化・高集積化
セラミックス基板は粉末の焼結体です。作製方法には、粉末を押し固めて基板状にする方法と、いったんシートに加工してから重ねて焼結する方法があります。

シート化する方法では、シートの上に電極を印刷形成できます。積層した各層に電極を立体的に配置できるため、同じ面積でも集積率を高められます。
電子部品やモジュールの小型化・低背化を目指す場合、積層基板の材料が選ばれる傾向があります。
高周波・車載・LED用基板
LTCCグリーンシートは、高周波回路基板、車載用基板、各種LED用基板といった幅広い用途に使われています。
通信分野では、信号を処理する回路基板やフィルターなどの部品にLTCC基板が用いられています。5Gのサブ6帯やミリ波帯では、これまで以上に低い誘電損失が求められるようになりました。
インフラ・半導体装置向け基板

無垢基板・積層基板は、アンテナなどのインフラ用、各種半導体パッケージ用、車載用、医療分野用、半導体装置用など、多彩な用途でご検討いただいています。
厚膜コーティング
セラミックス基板などの上にガラスシートを積層し、焼結することで、厚いガラス層を形成できます。

ペーストでは厚く塗るために何度も重ね塗りが必要になりますが、シートを載せる工程に置き換えれば1回で済ませられます。
狙いの厚みに合わせてシートの厚みを設計できるため、コーティング工程の負荷を抑えられます。
塗布が難しい箇所の接合
ガラスシートは、部材どうしを接合する材料としても使えます。高温接合用のガラスシートなど、用途に合わせた材料をご提案します。
へこんだ場所のようにペーストの塗布手段が限られる箇所でも、シートを載せてその上に別の部材を重ねることで接合できます。塗布工程で悩んでいた形状にも、シート形状であれば対応の余地が生まれます。
シート化受託加工の流れ
お問い合わせ・加工依頼
お問い合わせフォームから、加工のご相談を受け付けています。シートにしたい材料、狙う特性、想定している使い方をお知らせください。イメージ図や図面をご提供いただければ、設計および見積りの検討が可能です。
お打ち合わせ
要求特性、材料、サイズ・厚み、納入形態などをうかがい、仕様を詰めていきます。材料の配合設計から当社が担当するのか、ご支給いただいた粉末で成膜を受託するのかも、この段階で決めます。
シート試作
合意した仕様でシートを試作します。開発段階の性能検証に向けて、必要な分だけの少量試作を承ります。積層基板についても、少量であれば試作に対応します。
ご評価・フィードバック
試作品をご評価いただき、結果をふまえて材料設計や成膜条件を調整します。狙いの特性に届かない場合は、必要に応じて再試作を行います。
受託加工・生産開始
仕様が確定したら、受託加工としての生産に移行します。量産移管はシートを対象とし、これまでの知見と経験に基づいて進めます。品質保証部門と密に連携し、安定した品質でシートを供給します。
山村フォトニクス株式会社について

ガラスのコア技術を活かし、エレクトロニクスの可能性に挑戦し続けます。
1949年創業。ガラス材料設計と、ガラスと金属の気密封止技術(Glass to Metal Seal)をコア技術とする開発型メーカーです。
オプトエレクトロニクス関連部品、ガラスセラミックス、ガラス加工の3事業で、電子・光学部品から基板材料まで手がけています。
| 名称 | 山村フォトニクス株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 224-0053 神奈川県横浜市都筑区池辺町4207 |
| 設立 | 1949年3月14日 |
| URL | https://www.yama-ph.co.jp/ |



