特殊鋼とは
特殊鋼とは、鉄に炭素以外のさまざまな元素を加えた合金鋼のことをいいます。特殊鋼は、硬度 / 強度 / 粘り強さ / 耐磨耗性 / 耐熱性 / 耐食性などにおいて優れた特性を有しており、自動車や機械など、さまざまな産業分野で、製品の軽量化や信頼性向上、工具類や工業部品の性能向上などに貢献しています。
特殊鋼製品の製造ステップ
特殊鋼製品の製造は、原材料の精緻な選定から始まり、一次加工による鋼片の形成、厳しい品質検査を経て、二次加工メーカーでの高度な加工技術による製品仕上げに至るまで、高度な技術と厳格なプロセスを要求される複雑な工程です。
Step1 |一次加工
特殊鋼の製造プロセスにおいては、まず原材料を溶かすことから始まります。続いて、不要な成分を取り除き、必要な合金成分を加えます。その後、この混合物を鋳型に流し込み、冷やして固め、鋳片を形成します。この鋳片は、大きなローラーなどを用いて圧延され、鋼片となります。鋼片はさらに、様々なサイズの棒鋼やコイルに加工され、厳密な品質検査を経て、二次加工を行うメーカーに引き渡されます。
Step2 |二次加工
特殊鋼は、初段階の加工を行うメーカーから、更なる加工を施す二次メーカーへと送られます。二次加工メーカーへ依頼する企業は、自らが製造する製品に適した特性と形状を持つ特殊鋼を必要としています。この要望に応えるため、二次加工メーカーは様々な技術を用いて、顧客の要求に沿った特殊鋼の形状、サイズ、そして機械的特性を具現化します。
高い精度が要求される特殊鋼二次加工
宮崎精鋼が担う特殊鋼二次加工は、自動車産業の基幹素材として使用されるなど、各種の量産工程で重要な役割を担っています。このため、外観品質を始めとする顧客の品質要求は厳しく、寸法精度においても、バラつきのない高い精度が要求される分野です。宮崎精鋼は、独自の技術力でお客様に満足いただける高い品質を実現しています。
特殊鋼部品適用例
宮崎精鋼の提供する製品は、グローバル化が進む中で、自動車業界を中心に、締結部品や、各種冷間圧造用パーツ材料として、国内外のお客様に広く使用されています。
豊富な経験に裏打ちされた高品質・高信頼性
宮崎精鋼は、1938年 の創業以来、特殊鋼棒線二次加工の分野で確かな実績を築いてきました。特に、品質要求の厳しい自動車業界においては、製品の95%以上を販売、国内主要自動車メーカー集購材の認定工場となるなど、高い信頼を獲得してきました。また、環境面においても、いち早くエネルギー消費の削減、廃棄物の管理とリサイクルなどの環境保全活動に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献しています。
ニーズをカタチにする3つのコア要素
宮崎精鋼は、引抜、ピーリング(研削)、焼鈍、被膜、冷間鍛造など、多彩な加工技術を有しています。これらの高度な加工技術に加え、創業以来培った特殊鋼ノウハウ、効率的な生産体制と先進的な設備を駆使し、形状や寸法はもちろん、お客様の求める機械的性質を確実にカタチにし、最終製品の軽量化や信頼性・性能の向上に貢献しています。
社内一貫生産による高付加価値創出力
宮崎精鋼は、素材の調達から、冷間圧造用鋼線や精密磨棒鋼の製造、ファインスラグの製造まで社内一貫生産で対応可能です。これにより、お客様のニーズに柔軟にお応えし、管理工数 / 工程内在庫 / 物流コストの削減に貢献すると同時に、高品質製品の提供により、お客様の最終製品の性能向上に貢献します。
主要製品|4つの特殊鋼製品群
宮崎精鋼では、引抜、ピーリング(研削)、焼鈍、被膜、冷間鍛造などの加工技術を用いて、精密磨棒鋼、引抜鋼管、冷間圧造用鋼線、ファインスラグの4つの特殊鋼製品群を製造しています。「技」を活かし、基本に忠実に誠意をもって「モノづくり」に取り組むことで、お客様のニーズにお応えしています。
精密磨棒鋼
特殊鋼線材(COIL)または棒鋼(BAR)を素材に、冷間で引抜加工を行う引抜製品、表面キズゼロを保証するピーリング(研削)製品、長尺センタレス(研磨)製品と、それらに切断・面取等の加工を施してお客様の用途や要望に応じて高品質・高性能の磨棒鋼製品を製造しています。
引抜鋼管
素管としてPIC(パイプインコイル)を使用し、磨棒鋼のノウハウと引抜鋼管の技術を融合させ、「軽量化」という新たなバリューを生み出しています。
冷間圧造用鋼線
最新鋭の生産設備を導入し、設備の合理化とリフレッシュを実施しています。これにより、品質・生産性の向上と物流の整流化を図り、環境負荷の削減も実現。 徹底したキズ防止管理のもと、お客様の満足する品質の製品をご提供しています。
ファインスラグ
冷間圧造用鋼線の更なる加工製品、中間粗形材です。冷間圧造用鋼線の製造技術をベースにスラグ形状・金型・加工工程の設計に至るまで、独自のノウハウと徹底した管理により製造しています。コスト削減や環境問題にも貢献する、「形状・焼鈍・被膜」の3拍子揃ったスラグを提供しています。
ECCF(渦流探傷機)による疵保証
ファインスラグは、冷間圧造用鋼線 / ピーリング材 / 引抜材を更に加工する中間粗形材です。このファインスラグ製造に際しては、冷間鍛造の直前にECCFを用いた渦流探傷を行っています。これにより、伸線時に検出する素材および加工キズだけでなく、伸線後から冷間鍛造までに発生する取り扱い疵の検出が可能になり、品質面はもちろん、お客様の管理コストおよび工数の削減にも貢献いたします。
用途・ニーズに最適な被膜処理
宮崎精鋼は、下記の4つの被膜ラインナップを有しています。独自のノウハウを活かして開発したMSコートは、非リン被膜ながら、ボンデ被膜同等の優れた潤滑性を誇ります。また、メッキ前酸洗時の化学反応が少なく、短時間で、きれいな表面に仕上げます。さらに廃液削減を通して、環境負荷低減にも貢献します。
面取り加工
宮崎精鋼は、お客様のご要望に応じて、面取り加工も対応可能です。引抜鋼管の外径・内径の面取り、ワーク同士の接触による打痕疵対策に効果的なR面取りなど、独自の経験とノウハウを活かし、用途やニーズに応じて対応いたします。
高効率・高品質を実現する生産設備
当社の売上の8割弱を占める、主力冷間圧造用鋼線は、最先端の設備と独自のノウハウを駆使して作り出されています。宮崎精鋼は、早くから高効率・高品質を実現する生産設備の導入を積極的に取り入れ、お客様への付加価値の提供、製品品質の向上、さらには環境負荷の低減に取り組んでいます。
品質保証体制
宮崎精鋼では、すべての製品において、最新の検査設備を用い、一貫した管理のもとで厳しい品質保証体制を敷いています。さらに、素材から製品まで、トレーサビリティ管理を実施し、お客様に安心してご使用いただける製品作りに取り組んでいます。
宮崎精鋼が目指すもの
私達が目指すべきは、安全 / 品質 / コスト / 納期 / 環境これらの要素を全て満たし、もの作りの原点に忠実であることです。そのために、さまざまな取り組みを積極的に推進し、企業として更なる進化を図り、社会からより一層信頼される企業を目指します。
密接に連携するMIYAZAKI NETWORK
宮崎精鋼を中心に広がるグループネットワークは、顧客ニーズに的確に応えられるよう、それぞれが特色ある事業を展開し、有機的に結び合うことで、総合力の強化を図っています。グループ一丸となって、他の追随を許さないオンリーワン・ナンバーワンを目指してチャレンジしています。
宮崎精鋼株式会社
Today's Commitment Tomorrow's Technology
特殊鋼棒線二次加工における確かな実績を築いてきた宮崎精鋼。
変えてはいけないもの、変えるべきもの、すなわち「伝統」と「革新」を基本に、創業以来培ってきた基盤技術に新たな発想を加えたオリジナル技術を融合させました。
私たちは常にモノづくりの原点に立ち返り、お客様に満足していただけるようグローバルな視点から、また、環境の立場から、さまざまな課題を克服し、新たなニーズの創出に努めるようチャレンジしていきます。
出展団体名 | 宮崎精鋼株式会社 |
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所在地 | 〒454-8521愛知県名古屋市中川区丸米町一丁目1番地 |
設立年月 | 1938年08月 |
URL | http://www.miyazaki-seiko.co.jp/ |