Rtinoの概要
Rtinoは、屋内自律移動ロボット用のソフトウェアです。屋内を移動する際、あらかじめ作成してある環境地図から特徴点を抽出し、現状のセンサーなどから得られる情報と一致させることで、自己位置を推定しています。あらかじめ作成する環境地図を自動生成し、生成した環境地図に対して指定位置に移動を指示することができます。
Rtinoという名称は、ロボットテクノロジーの「RT」と、地図を作るということで、日本中を歩いて地図を作った伊能忠敬の名字である「ino」をいただき、組み合わせたものです。本ソフトウェアが日本中の地図を作って歩くことでお客様の役に立てる日が来ることを夢見ております。 Rtinoは「アルティノ」と読みます。
Rtinoの特徴
従来の自律移動ロボットは、利用者があらかじめリモコンなどでロボットを操作して、地図を作成しておく必要がありました。また、ロボットの移動ルートに障害物が生じると、ロボットが動作を停止してしまうという問題点がありました。「Rtino」は地図自動作成機能と自律移動機能を連携させることで、これらの課題を解決していきます。
- 特徴
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- 利用者の操作を介することなく、フロア内の地図を自動作成します。
- 移動ルート上に障害物が生じても、回避して移動を継続します。
- フロアのレイアウト変更に対しては、速やかに地図の再作成を試み、環境変化に柔軟に対応していきます。
- 専用レールや走行ガイドの設置工事が不要です。
地図自動作成
オフィスや工場などにおいて、ユーザ操作を介さずに、 ロボットが自動で自律移動に利用する地図を作成する機能です。同種のロボットでは、手動リモコン操作などにより地図を作成しますが、それらを自動化しています
従来の移動ロボットは、地図作成時にリモコンなどでの手動操作を必要としますが、「Rtino」はロボットが測距センサーで周囲情報を取得し、地図作成を自動で行います。ランダムに走行して地図を作成するのではなく、地図未作成地点を検索しその地点まで移動して地図を作成、また他の地図未作成地点を探索します。この探索・移動・作成を繰り返し、効率よくフロア全体の地図を作成します。
フロアにある機材や通路に置いてある障害物などを回避しながら移動して、地図を作成します。台車が入れない狭い場所などは、通過できないルートとして地図上に認識します。作業フロアのレイアウト変更に対し、迅速に地図の再作成を自動で行うので、ロボットが環境変化に柔軟に対応して移動することが可能です。
自律移動
自動作成された地図をもとに、指定された目的地点へ移動します。地図作成後に置かれた障害物も、回避して移動します。
障害物が通路をふさぐことで近距離ルートでの到達が不可能な場合には、地図をもとに迂回ルートを選択します。人や台車などの動く障害物を検知し、接近すると回避や停止します。
追加機能
Rtino Manager
複数台のRtinoを搭載したロボットを一元管理するためのアプリケーションです。Rtino Managerアプリケーションをインストールした管理用機器と、Rtino搭載ロボットをLANなどの通信環境に接続することで、複数台のロボットを一つの管理機器上で管理することができます。Rtino搭載ロボット個々に対しての指示や監視をすることができます。
Rtino WebUI
タブレット、PC、スマートフォンなどのブラウザ上からロボット操作を可能としたWebアプリケーションです。Rtino Managerとは異なり、Rtino搭載機にhttpサーバを立ち上げ、http通信する事でロボットを操作する事ができます。対象のロボットに対しての走行指示や状態の確認をすることができます。
位置決め走行機能
自律走行時で利用するSLAMではなく、独自に開発した走行機能です。測距センサを使用した形状認識により、ターゲットを捕捉しながら走行し、高停止精度の走行を実現しています
仮想物体回避機能
カメラでARコードなどを認識し、仮想的な物体を認識することで、動作を変更します。恒久的に進入してはいけないエリアを設定することや、一時的に進入動作などを制限するケースにおいて、ARコードを貼るだけで立体的に対応することができます。
物体認識動作機能
カメラで色や形を認識し、認識したものに対して、動作を設定します。かメラでとらえることができれば、デプスセンスなどと組み合わせて物体までの距離や場所を特定し、その物体に近づくことや、逆に避ける動作などを設定することができます
追従機能
前方の移動する対象物を認識し、追従して走行する機能です。歩幅から位置を複数台走行させることにより、所謂「カルガモ走行」が可能となります。また紐/テープなど、指定色のラインを追従して自動走行することもできます。追従する色を分けて複数経路を設置しておくことで、 シーン別に経路を変えるような運用も実現することができます。
塗りつぶし走行機能
閉じた空間に対して塗りつぶしの要領(所謂弓形走行)で経路を決定し走行することができます。自動地図作成機能で地図を作った後、そのまま塗りつぶし走行 機能を実行するができます。
ご提供形態
製品販売での
ご提供 |
今回説明した基本機能については、ソフトウェアパッケージの販売を行います。追加機能や管理アプリケーション(Rtino Manager)については、別途契約が必要となります。 |
請負開発による
ノウハウのご提供 |
お客様の製品に載せるため、もしくは製品の前段階における研究開発のために、弊社のノウハウを活かして請負開発にて受託することができます。 |
セミナーやコンサルタントによる
ノウハウのご提供 |
今回説明した範囲はもとより、ROSやRTMなどのミドルウェアの基礎の説明、自律移動機能の説明、ロボット技術の基礎や応用の説明など、広範囲にわたってノウハウをご提供することができます。 |
業務提携等による
共同開発 |
お客様がこれから進める方向性と当社の今後の取り組みが合致するならば、共同にて研究開発を 進めるという方向性もあります。 |