簡易入力・簡単操作で同時多波長測定を実現
光スペクトラムアナライザSPG-V500は、従来の製品にはなかった高分解能とリアルタイム測定の両立を実現しました。また、マルチモードファイバ入力により、光軸調整の手間を削減し、現場の効率化をさらに加速させます。
SPG-V500は、高分解能とリアルタイム測定の両立を実現しました。スペクトル測定は最短で6μsであり、モードホップなど瞬間的に発生する波長挙動を捉えられるほか、短パルスレーザーのスペクトル計測も可能です。
リアルタイム測定の様子
また、波長分解能が約0.02nmかつ波長精度が±0.4nmであるため、正確により細かなスペクトル計測も可能です。
SPG-V500は、185nmの深紫外線(DUV)~1095nmの近赤外線(NIR)まで、広い波長範囲を1台で計測可能です。
特に、深紫外線(DUV)側の計測を実現できた点が特長であり、エキシマレーザーや波長変換レーザー、滅菌用光源などにも対応しています。
マルチモードファイバのため光が入力しやすく、光軸調整にかかる時間を短縮でき、セットアップが簡単です。パワーメータからの散乱光に光ファイバを向けるだけで測定できるため、波長と出力の同時測定も可能です。
SPG-V500は、電源ボタンのみのシンプルな設計で、『測定条件をPC画面上で順番に選ぶだけ』という直感的な操作性を追求しました。ユーザーの操作は、「レーザーを入力」→「測定条件を選択」→「測定を開始」の3ステップに集約し、誰でも簡単に扱える装置に仕上げています。
PCの操作画面で、リアルタイムで変化するスペクトルグラフを追跡可能です。強度マップやトレンドグラフを活用し、レーザー強度の変動、ピーク数の変化、フィッティング曲線の中心波長の推移を視覚的に把握することができます。
レーザー光源を使用する多くの製品において、「モードホップ」は強度ノイズの原因となり、開発・製造現場ではその抑制が求められています。しかし、一般的な光スペクトラムアナライザではモードホップのような瞬間的な波長変動を正確に検出することが難しく、「対策を講じたくても実態が把握できない」というお悩みが多く聞かれていました。
その理由の一つが、一般的なアナライザに採用されている「モノクロメータ(スキャン式)」の構造です。この方式では、一度に測定できるのは単一波長のみとなります。複数の波長を測るには、波長ごとに順番にスキャンしていく必要があり、モードホップのような一瞬の現象を捉え損ねてしまいます。
このような課題を解決したのが、島津製作所のSPG-V500です。SPG-V500は、「ポリクロメータ方式」を採用しており、複数波長を同時に測定できます。これにより、モードホップのような瞬間的な波長変動も捉えることが可能となりました。
実際にSPG-V500を使用されたお客様からは、「モードホップの発生は何となく認識していましたが、島津の光スペアナを使用することで初めてモードホップの動きを視覚化でき大変驚きました。」との声をいただいております。
高分解能測定には、入射光強度の伝達損失が少ない小口径のシングルモードファイバ(SMF)が一般的でした。しかし、シングルモードファイバへの光入力作業は難しく、光量損失にも注意しながらレンズなどの調整を行う必要があります。
SPG-V500は、最大コア径 φ600μmという大口径のマルチモードファイバ(MMF)を採用しながら、0.02 nm(Typ.)の高分解能波長測定を実現。レーザー光入力時の作業性を大幅に向上させました。
お客様からは、「0.02 nm(Typ.)の高い波長分解能がこれほど気軽に得られるとは思っていませんでした。」「今まで要していた細かな光学調整が不要になり、開発や検査の効率化が進むためユーザとしては大きな価値を感じています。」との評価をいただいています。
瞬間的な波長の挙動を捉え、レーザーの条件設定や波長安定性評価に使用できます。連続保存機能により、波長の経時変化も記録可能です。
事例 | 固体レーザーの波長挙動・出力ノイズ同時測定 出力ノイズ低減のため、パワーメータを併用しスペクトルと出力を同時測定しながら共振器調整を行うことができます。モードホップ(縦モードの不安定性)抑制に役立ちます。 ![]() |
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その他の事例 |
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アレイセンサを用いて同時に一定範囲のスペクトルを取得するため、パルスレーザーの測定にも対応します。測定時間(積分時間)を調整することにより、1パルスのみのスペクトル取得が可能です。
※測定可否はレーザーの繰り返し数や出力などの条件により変わります。
事例 | Qスイッチレーザーのスペクトル評価 ![]() |
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インターバル保存機能により、スペクトル情報を定期的に取得・保存できるため、長期信頼性試験や温度特性評価に使用できます。
事例 | RGBレーザーの連続点灯試験 波長を切り替えながら、自動的にRGBレーザーのスペクトルを保存し続けることができます。 ![]() |
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その他の事例 |
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マルチモードファイバにより光軸調整が簡便であり、測定時間も短いため、検査の自動化にも適しています。C#やPythonなどの言語に対応した制御ライブラリを提供しており、他機器との連携制御も可能です。
事例 | 波長の温度特性・電流特性の自動評価 ![]() |
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その他の事例 |
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SPG-V500はデモ機の貸出が可能で、1週間自由にお試しいただけます。据付も不要なため、測定を行いたいレーザーを準備するだけで計測可能です。詳細は、フォームよりお問い合わせください。
島津製作所デバイス部では、光分析、レーザ加工機/発振器、光通信、医療・診断、食品分析など、さまざまな分野に適用可能な光学製品を自社開発しています。
自社開発を通して培った豊富な知識と技術を活かし、お客様のご要望に応じた幅広い分光ソリューションを提供しています。SPG-V500など標準品の提供の他、分光素子(回折格子)の選定・製作や、光学配置設計、組み込み分光器のご提案も行っております。「分光」に関するお悩みは、島津製作所にお問い合わせください。
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