高速三次元カメラモジュールとは?
高速三次元カメラモジュールとは、任意のタイミングで多重露光可能なカメラと、液体内部の疎密波(超音波)に基づく共振型の液体可変焦点レンズを組み合わせたカメラモジュールです。一秒間に1000枚の画像を計測することができます。さらに各フレームごとに任意の焦点位置の画像を計測することで、高速な三次元情報計測を実現します。
高速三次元カメラモジュールにはTAGレンズ(Tunable Acoustic Gradient index Lens)を使用しています。TAGレンズは70kHz-100kHzで焦点距離が高速に振動する共振型の液体可変焦点レンズです。TAGレンズの振動は非常に高速です。その一周期は14.5μs程度で、特定の焦点距離の画像のみを撮影するためには100ns程度の短い露光時間が要求されます。
特定の焦点位置の情報を取得するには、その焦点位置に達した瞬間のみ短時間の露光をする必要があります。TAGレンズの焦点位置の振動は共振現象に基づくため特定の焦点位置で固定することができません。その上、焦点変動が非常に高速なため、通常のカメラでは特定の焦点位置の画像を計測できません。
この問題を解決するため、 TeCEカメラ(Temporally Coded Exposur Camera)を開発しました。TeCEカメラは、任意のタイミングに短時間露光を複数回実行できます。また、短時間露光によって発生した光電子をカメラ内のコンデンサに積算可能です。
このTeCEカメラとTAGレンズを同期させ、撮影したい焦点位置となる瞬間に何回も露光を行うことで(多重露光)、希望する焦点位置の画像を十分な明るさで取得することができる高速三次元カメラモジュールを実現しました。
用途例
ネジ頭の立体的な映像の取得
10枚奥行きの位置変えながら撮影することでネジ頭の三次元画像を撮影できます。10枚撮影したとしても10ミリ秒なので、立体の情報が100volume/s、100ヘルツ程度で撮ることができます。
水中を泳ぐ細胞の軌跡を三次元で可視化
応用技術
Simulfocus Imagingの概要
静岡大学の川人祥二教授グループと共同で、高速三次元カメラモジュールをさらに発展させたSimulfocus Imagingを開発しました。Simulfocusはsimultaneous(同時に起こる)とfocus(焦点)を組み合わせた造語です。
これまでの技術は1カ所のみ露光をあけていたので他のところは使っていませんでした。ある意味、光を無駄にしていたといえます。他の箇所でも露光をあけ、それぞれ別々にためることができないかを検討していたところ、静岡大学川人教授が4-tap lock-in pixel image sensor(4タップロックインピクセルイメージセンサー)を開発されていました。このイメージセンサーは一つの画素の中に複数の画像格納領域をもち、それぞれについてナノ秒精度で独立して多重露光ができるイメージセンサーです。このイメージセンサーをTAGレンズと組み合わせることで、1台のカメラで実質的に同時に複数箇所の異なる場所にピントが合っている画像の撮影に成功しました。
顕微鏡系と望遠系で実際に撮影した動画
団体情報
出展団体名 | |
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所在地 | 〒371-8510 群馬県 前橋市荒牧町 4-2 群馬大学 荒牧キャンパス |
設立年月 | 2016年04月 |
従業員規模 | 501名以上 |
URL |
よくある質問
はい、可能です。開発したモジュールは、顕微鏡のカメラポートに接続できるもので、市販の光学顕微鏡に利用できます。
群馬大学 研究・産学連携推進機構
群馬大学が世界水準の研究大学として発展することを目指します
高度教育研究及び産学連携に必要な戦略を策定し、研究企画立案、研究資金の調達・管理、知的財産の活用等を総合的にマネジメントし、本学の研究力を顕在化することによって、本学が世界水準の研究大学として発展することを目的に以下の業務を推進しています。
(1)高度教育研究及び産学連携に係る戦略策定に必要な情報収集及び分析
(2)高度教育研究及び産学連携に必要な戦略の策定及びマネジメント
(3)高度教育研究及び産学連携に関するプロジェクト等の企画立案
(4)高度教育研究及び産学連携に係る大型ファンディングへの対応及び統括等
出展団体名 | 群馬大学 研究・産学連携推進機構 |
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所在地 | 〒371-8510群馬県前橋市荒牧町4-2 群馬大学 荒牧キャンパス |
設立年月 | 2016年04月 |
従業員規模 | 501名以上 |
URL | https://research.opric.gunma-u.ac.jp |