製造業向けVRソフト Xphere(クロスフィア)

Xphereは、製造業における設計から製造、保守、トレーニングに至るまで、幅広いフェーズで活用されています。

製品や設備の仕様確認

設計した製品や生産設備を仮想空間に実物大で再現し、運用時の視認性や作業性、安全性、構造を事前に確認できます。ロボットとの隙間や制御盤へのアクセス、スイッチの操作性などを実際に体を動かしながら検証することで、実機製作後の大規模な手戻りを防ぎ、改修にかかる費用と期間を削減します。

データ提供元：iCAD株式会社

工場レイアウトの確認

製造ライン全体の規模感や、設備・作業者の姿勢や動線を3D空間で直感的に検証できます。従来、段ボールなどで行っていた模擬的な検証に比べ、早期によりリアルな環境で通路幅や作業スペース、さまざまな身長の作業者から見た視認性などを確認可能です。複数パターンのレイアウト検討も容易に行え、最適な工場設計に貢献します。

製品の組立性の確認

VR空間で実際に部品の取り付け・取り外しを行い、組立作業性や工具のアクセス性、視認性といった課題を洗い出せます。設計部門から製造部門への組立手順の説明や、製造部門からの改善要望の確認など、関連部門間での認識共有を円滑にし、コミュニケーションツールとしても効果を発揮します。

製品の組立トレーニング

VR空間で組立手順のトレーニングが可能です。従来の手順書や動画では伝わりにくい身体の動きや部品の取り付け位置、工具の扱い方などを体感的に学習できます。これにより、組立作業者の習熟度向上や、保守サービス担当者のトレーニングにも効果が期待できます。

データ提供元：日産自動車株式会社様

VR酔いしない高速レスポンス

国際特許を取得した独自の軽量3Dデータ構造「DVX」により、自動車や大規模な生産設備といったデータでもスムーズな描画を実現します。処理が高速なため、VR特有の「酔い」が少なく、長時間の検証作業でも快適に行うことが可能です。これにより、人の感覚による自然な検証作業を支えます。

VR空間で部品を自在に移動可能

VR空間内で、コントローラーを使って部品を掴み、自由に移動させることができます。ボルトを外してカバーを取り外すといった、実際の作業に近い手順での取り付け・取り外しシミュレーションも可能です。これにより、組立作業性やメンテナンス時の部品へのアクセス性などを、より直感的に検証することができます。

直感的な操作性

VRは日常的に使用するツールではないからこそ、誰でも迷わず使えるシンプルな操作性が重要です。Xphereは、VRに不慣れな方でも短時間で操作を習得できる、分かりやすいメニュー構成を追求しました。

多様な3Dデータをインポート

iCAD SXやVPSのデータをダイレクトにインポートできるほか、CAITA V5、STEP、Parasolidなど、製造業で広く使われている主要な3D CADのデータ形式に対応しています。また、工場設備などを3Dスキャナで計測した点群データも取り込めるため、既存の環境と新設する設備をVR空間上で重ね合わせて検証することも可能です。

対応ファイル	iCAD SX／VridgeR／Space Vertex／VPS DMU／VPS MFG／VPS GP4／VPS IOC／CATIA V4／CAITA V5／STEP／Parasolid／NX／JT／VRML／STL／FBX／I-GES／RVM／ASCⅡ／E57／LAS

iCAD SXやVPSで設定した動きをVR再現

Xphereは３Dの形状だけではなく、関連製品で付加した情報を読み込んでVR検証に利用できます。
Xphereには、設計～製造にわたるものづくりを3Dデータをフル活用して支援する関連製品があります。例えば関節を設定してユニットの動作を確認する、組立順番・作業を検討する、ラインでの作業者の動きや姿勢を検討する、制御プログラムの動作検証をすることなどが可能です。Xphereはこれらの関連製品で作り込んだ動きをVR空間で再現することができます。実物での検証に近い検証環境を実現します。

• iCAD SX：動作設計で付けた関節や、仮想メカの制御検証の動き
• VPSシリーズ：関節、組立アニメーション、製造ラインや作業者の動き、仮想メカの制御検証の動き

自動車部品メーカー A社

VRを活用した生産準備業務のフロントローディングを目指し、実機完成後の不具合に伴う部品手配や組立、調整などのやり直し工数や費用が削減されました。

Xphere活用タイミング	生産設備の仕様検討
VRでの確認事項 /指摘事項など	シュートの高い位置に手が届かない ワークが邪魔で物が取り出せない 工程内検査時に、検査箇所を目視しづらい ロボットティーチング時に動作が見えない箇所がある 作業場の危険個所の見逃し
効果	設備製作後の指摘が6割減 １ラインあたり400万円前後削減

生産設備メーカー B社

自動組立・検査装置の設計・製造を3DCADで設計。顧客に納品する設備の内部構造や保守性、操作性をVRで事前に確認することで、納品後の手戻りを削減されました。

Xphere活用タイミング	構想段階での製品説明 納品前確認
従来の課題	製造段階で発生する不具合 納入後の仕様変更に手戻りによる費用・期間の増加 DX化の取り組み、3次元データをフル活用したい
効果	オンライン商談でも新規受注獲得 社内展開が活発化、操作の習熟 他社との差別化、技術力PR

総合建設メーカー C社

3Dレーザスキャナで撮影した設置場所の点群データと、CADで設計した3Dデータの建造物を融合させ、VRを使ったプレゼンテーションを実現。現地に足を運ぶことなく設置イメージを明確に伝えることができ、商談期間の短縮と営業活動の効率化を実現しました。

Xphere活用タイミング	設置前の確認 展示会での営業活動
展示利用イメージ
効果	設置イメージを明確に伝えられた 商談期間の短縮と営業活動の効率化

Xphereは、ソフトウェア、VR対応PC、ヘッドマウントディスプレイで構成されます。ヘッドマウントディスプレイは、有線タイプと無線タイプに対応しており、検証内容や環境に応じて最適なものを選択可能です。PCの推奨スペックなど、詳細についてはお気軽にお問い合わせください。

個別のオンラインセミナー

製品の機能や活用事例を詳しくご紹介する、個別のオンラインセミナーを随時開催しています。お客様が抱える課題や検証したい内容をヒアリングさせていただき、最適な活用方法をご提案します。まずはお気軽にお問い合わせください。

実機体験

全国のオフィスにて、Xphereを実際に操作いただける体験会を実施しています。また、ご希望に応じて検証用の機材一式をお貸し出しすることも可能です。お客様の社内で、実際の設計データを使いながら、その効果をじっくりとご評価いただけます。

導入後のサポート

サポートセンターの利用、レベルアップ版のご提供など、手厚くサポートが受けられます。また、ユーザー会も実施しており、各社様の取り組み事例、お困りごと等、お客様相互の情報交換が可能です。

デジタルプロセス株式会社（DIPRO）は、富士通グループにおけるPLM（製品ライフサイクル管理）事業の中核を担う企業として、自動車、航空機、鉄道車両などの輸送機器業界をはじめ、電気・精密機器、機械・プラント、医療機器など幅広い分野の企業に向けて、自動車産業で培った「ものづくりの知見」と富士通の「IT技術」を融合した、実践的かつ高品質なITソリューションを提供し続けています。

Xphereが目指すバーチャルファクトリー

Xphereは、DIPROと富士通グループが提供するPLM製品の検証結果を、VR空間でのリアルスケール検証を通じて最大限に活用することを目指しています。開発プロセスの初期段階からデジタルデータをVRで検証することで、実機段階での問題や手戻りを削減し、製造業のDXを加速させます。

※ Xphereは、デジタルプロセス株式会社の登録商標です。その他、記載されている商品名は各社の商標、または登録商標です。

会社概要

所在地	〒212-0014 神奈川県川崎市幸区大宮町1-5 Fujitsu Uvance Kawasaki Tower
設立年月	1987年 2月
URL	https://www.dipro.co.jp/