AG アルファ® 水溶性の銀イオン抗菌剤
幅広い抗菌・抗ウイルス性能で衛生環境をサポート
衛生管理が求められる現代において、MGCウッドケムのAG アルファ®は、安全かつ高性能な新しい水溶液の銀イオン抗菌剤です。
無色透明で水溶性に優れ、製品の美観を損なうことなく、幅広い細菌・ウイルス・真菌に効果を発揮します。高い消臭・防臭性能に加え、ヌメリの原因となるバイオフィルム形成も抑制し、快適で安全な環境づくりをサポートします。
目次
AG アルファ®の特長
AG アルファ®は、MGCウッドケム独自の技術により開発された、これまでにない特性を持つ銀系抗菌・抗ウイルス加工剤です。
銀イオンと有機物を複合化させることで、水への溶解性、安定性、そして無色透明性を実現。様々な用途で高い抗菌・抗ウイルス性能を発揮します。

水溶性で無色透明、かつ化学的安定を実現
AG アルファ®は、銀イオンを有機物で錯体化することにより、水中での高い溶解性と化学的安定性を実現した無色透明の水溶液型抗菌剤です。
粉末タイプと異なり、液中で均一に分散し、製品の外観や風合いを維持したまま抗菌・抗ウイルス効果を発揮します。無機系と有機系の特性を融合した構造が特長です。

あらゆる細菌・ウイルスに有効
黄色ブドウ球菌や大腸菌、緑膿菌、黒コウジカビ、カンジダなど、さまざまな細菌や真菌に効果を発揮します。
幅広い菌種でMIC(最小発育阻止濃度)が確認されており、銀イオンが微生物のタンパク質と結合することで、その増殖を抑えます。ウイルスにも効果を発揮し、エンベロープウイルス/ノンエンベロープウイルス両方への有効性が確認されています。
抗菌性能
細菌・真菌類に対し、幅広い抗菌スペクトルを有します。MIC(最小発育阻止濃度)は、細菌や真菌などの増殖を阻止するのに必要な最小限の薬剤濃度で、数値が小さいほど、少量で効果がある=抗菌活性が高いことを意味します。
| CF-01 MIC(単位:μg/ml) | |
|---|---|
| 黄色ブドウ球菌 | 400 |
| 大腸菌 | 400 |
| 緑膿菌 | 200 |
| 黒コウジカビ | 1600 |
| カンジタ | 400 |
| 黒皮カビ | 1600 |
| 白癬菌 | 200 |
除菌性能

- 被験物質:AG アルファ® CF-01 2.0%水溶液
- 試験菌種:黄色ブドウ球菌
- 試験方法:洗剤・石けん校正取引協議会制定「住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法」参考
抗ウイルス性能

- 被験物質:AG アルファ®CF-01 2.0%水溶液
- 接触温度:25℃
- 接触時間:5 分
耐性化が起きにくい
AG アルファ®は長く使っても細菌が耐性を持ちにくいという特徴を持っています。
通常の抗菌剤では、時間とともに抗菌・抗ウイルス効果が低下することがありますが、AG アルファ®はMIC(最小発育阻止濃度)が変化せず、効果が持続します。長期間にわたって安定した抗菌効果を維持することができます。
高い消臭・防臭性能
AG アルファ®は排せつ臭や腐敗臭、汗臭、加齢臭の原因となる成分に対し、優れた消臭効果を示します。具体的には、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、イソ吉草酸などの悪臭成分を大幅に減少させます。
おむつやペットシーツからのアンモニア臭発生抑制にも効果的です。
消臭性能

- 評価方法:JEC301 SEKマーク繊維製品認証基準(2024年10月1日改定版)参考
- 評価サンプル:AG アルファ®CF-01 乾固物0.1g
- 接触時間:2時間
防臭性能

試験方法(自社法)
① 市販無加工おむつ「ブランク」に抗菌剤「CF-01」を0.088g/㎡スプレー噴霧し加工おむつとした。
② 人工尿 150MLにウレアーゼを添加し混合し、すぐに紙おむつへ接種した。
③ 上記の紙おむつをサンプリングバッグに入れ、密閉した。
④ サンプリングバッグに空気を封入し、30℃で静置した。
⑤ 9時間後にサンプリングバック内のアンモニア濃度を、検知管を用いて測定した。
バイオフィルムの発生を抑える
水回りに発生しやすいヌメリの原因、バイオフィルムの発生を効果的に抑えます。細菌とその出す物質が膜のように固まることでできるバイオフィルムは、不潔さや不快感だけでなく、配管や設備の機能低下にもつながります。
AG アルファ®は、こうしたバイオフィルムの形成を約80%抑制することが確認されています。
抗バイオフィルム性能

- 試験菌種:大腸菌
- 抗菌剤濃度:AG アルファ® CF-01 200ppm
- 試験方法:ISO4768を参考に一部自社法
- 3 cm×3 cmのPET試験片上に形成されたバイオフィルムをクリスタルバイオレットで染色し、590nmにおける吸光度を測定した。
- 接触時間:48時間 接触温度:35℃
安全性
AG アルファ®は、製品の安全性に最大限配慮して開発されました。
有効成分である銀イオンの安定化には安全性の高い成分を使用し、最終製品においても各種安全性試験を実施することで、その安全性を確認しています。
試験を実施済み/認証取得済み
AG アルファ®CF-01は、原液および0.2%水溶液において、変異原性や急性毒性、皮膚や目への刺激性など、幅広い安全性試験を実施し、その安全性が確認されています。
さらに、安全で効果的な抗菌剤として、SIAA(抗菌製品技術協議会)にも登録されています。
AG アルファ®CF-01 製品原液
| 変異原性 | 厚労省ガイドライン準拠(GLP): ・陰性 |
|---|---|
| 急性経口毒性 | ICH-S4 および医薬品非臨床試験ガイドライン解説 2010準拠(GLP) : ・2,000 mg/kg 以上 |
| 皮膚一次刺激性 | ASTM F719-81-1996 準拠(GLP): ・P.I.I. = 4.50(中程度の刺激) ・P.I.I. = 0.0(無刺激、1.4 倍希釈) |
| 皮膚感作性 | 「医療機器の生物学的安全性評価のための試験法について」(医療機器審査 No.36)準拠(GLP): ・陰性 |
| 眼刺激性試験 | OECD405 準拠 : ・I.A.O.I.= 10(最小の刺激) ・I.A.O.I.= 0(無刺激、25 倍希釈) |
AG アルファ®CF-01 0.2%水溶液
| 急性吸入毒性 | 山下法(非 GLP): ・死亡例なし ・病理検査異常なし |
|---|---|
| ヒトにおける皮膚刺激性・ 皮膚感作性 |
ヒトパッチ(非 GLP) (男女20名、被験物質 15μg 貼付24時間): ・皮膚刺激指数 0.0(安全品) |
導入事例
AG アルファ®は、その優れた性能と安全性の高さから、様々な分野での導入が進んでいます。家庭用製品から公共交通機関まで、幅広い用途で衛生的で快適な環境づくりに貢献しています。
| 掃除用ウェットワイパー含侵液 | ・ウェットワイパーの含侵液(水、エタノール、防腐剤、香料等を配合した調合液やアルカリ電解水)へ「CF-04」採用されています。 ・トイレ、フローリング、キッチン等住環境の清掃用品へ銀イオンを配合することが可能です。 |
|---|---|
| 住居用洗浄剤 | ・一般的な粉末型銀系抗菌剤と異なり、液体タイプの洗剤にも均一混合が可能。使用前にボトルを振る行程を省略できます。 ・細菌が増殖しやすい水回り用洗剤に、銀イオンを安定配合することが可能です。 |
| テーブルクロス | ・水性グラビアインキ(アクリルウレタン系)に「CF-01」が採用されています。 ・ISO21702に準拠した試験において、インフルエンザウイルスおよびネコカリシウイルスの感染価が、24時間接触でいずれも99.99%以上減少することが確認されており、テーブルクロスに抗ウイルス性能を付与できることが示されています。 ・AG アルファ®は水溶液タイプのため、処理液に相溶させることができます。製品の美観を損ねないクリアコートが実現可能です。 |
| 壁紙 | ・処理剤に「CF-01」が採用されています。 ・壁紙に処理剤を噴霧コーティングすることで抗菌性能を付与します。 ・コーティングは無色透明で、デザイン性に影響しません。 |
| 水系塗料 | ・食品工場向けの抗菌グレード塗床材(水性ポリウレタン樹脂系)に「CF-01」が採用されています。 ・水系塗料による脱溶剤化と、抗菌・抗ウイルス機能の両立を実現します。 ・衛生管理が重視される食品関連施設や医療機関向けの仕様として活用されています。 |
| 掃除用モップ含侵液 | ・家庭用床掃除モップの含侵液へ「CF-04」が採用されています。 ・モップをかけることで、抗菌・除菌コーティングを表面に付与します。 |
| 室内施工処理液 | ・東京メトロ様車両ダクト、熱交換器、車両内への施工用処理剤に「CF-01」が採用されています。 ・車両や室内など不特定多数の人が出入りする場所に対しても、銀イオンを配合した処理剤の使用が可能です。 |
MGCウッドケムについて
MGCウッドケムは、三菱ガス化学グループの一員として、木材用接着剤で培った技術力をもとに、さまざまな開発用途に向けた製品の開発・製造を行っております。
「バイオマス(植物資源)の有効活用と利用拡大への貢献」、「安全で健康的な住環境の提供」を目標に掲げ、製品と技術の両面からお客様の課題解決に取り組んでいます。
事業内容
MGCウッドケムの事業は、大きく基盤事業と成長事業の2つに分けられます。
基盤事業では、合板やパーティクルボードといった木質建材用の接着剤、断熱材、ホルマリンなどの原料、木材用塗料を扱っています。
成長事業では、ホットメルト粘接着剤と、銀系抗菌剤を扱っており、今後の成長を牽引する柱として注力しています。

沿革
MGCウッドケムのルーツは1933年に食用油メーカーの旧・豊年製油株式会社の化成品部で、大豆油の絞りカスを活用し木材用接着剤を開発、販売したことに遡ります。
長年にわたり合板や木材用接着剤の製造販売を続け、2022年には化学の力で木材の活用を進めたいという想いをこめ、MGCウッドケムという新社名になりました。

企業情報

| 商号 | MGCウッドケム株式会社 (英文字 MGC Woodchem Corporation) |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区神田駿河台3-6-1 菱和ビル8階 |
| 設立 | 1922年 |
| URL | https://www.mgcwoodchem.com/ |