新熱工業のシーズヒーター
様々な熱課題を解決する専門技術
シーズヒーターとは、金属パイプ(シース)内にスパイラル形の発熱線を挿入し、熱伝導の良い絶縁物(MgO)で高密度に満たした電気ヒーターです。
新熱工業のシーズヒーターは、半導体・厨房機器、理化学機器など多岐にわたる分野で採用されており、独自技術を活かした製品開発力も高く評価されています。
本記事では、新熱工業のシーズヒーターが選ばれる理由、製品ラインナップ、導入事例などをご紹介します。
目次
新熱工業のシーズヒーターが選ばれる理由
新熱工業のシーズヒーターは、その高い技術力と顧客ニーズに即した提案力により、多くのお客様から選ばれています。長尺・複雑な形状への対応、少量多品種のカスタマイズ、そして納入後も続く手厚いサポートが、様々な「熱」のニーズに応えています。
フラット・長尺・複雑な曲げ加工できる技術力
新熱工業では、長年の実績を活かし、シーズヒーターに複雑な曲げ加工を施す独自の技術を確立しています。
特に、最長12メートルの長尺ヒーター製造が可能であり、これは他社にはない特長の一つです。限られたスペースや設置条件に合わせ、多様な形状要求に応じることができます。この技術は、お客様の多様なニーズに応え続けてきた実績に裏打ちされたものです。
少量多品種のカスタマイズ
新熱工業では標準品を基に、少量多品種のオーダーメイドでの製造を得意とし、1本からでも個々のご要望に対応したカスタマイズをすることが可能です。
図面だけでなく抽象的なご要望に対しても、熱計算や設計・形状提案を積極的に行い、最適な仕様の実現につなげる提案力が強みです。
サポート・対応力
納入後の対応も含めた充実したサポート体制を整えています。ヒーターの組み込み作業のお手伝いや、製造した装置の立ち上げ支援やご説明など、ヒーター導入に関わる様々な工程でサポートを提供しています。
また、万が一製品に不具合が発生した場合も、返送いただいた製品の分解調査や非破壊での内部確認などを行い、調査報告書と共に回答します。
製品ラインナップ
新熱工業は、多様化する「熱」ニーズに柔軟に対応するため、標準仕様のシーズヒーターから特定用途に特化した関連製品まで、幅広い製品群を展開しています。
半導体・液晶用ヒーター
半導体・液晶装置の熱処理工程向けに、高度な温度管理に対応するシーズヒーターを提供しています。特に大型ホットプレート用途の最長12mの長尺シーズヒーターは、ヒーター本数を削減することによりコスト低減を実現しました。
また、腐食性ガス環境下でも安定稼働するアルミシース・ハステロイシースヒーターを提供しており、半導体成膜装置などの高耐性が求められる分野で利用されています。
スーパーフラットヒーター
スーパーフラットヒーターは、断面が平たい形状のヒーターです。幅24.1mm、厚み6.9mmの断面を持ち、丸型ヒーターよりも表面積を大きく取れるため、電力密度を抑えられる点が特長です。ヒーター1本に3本のコイル状発熱線を入れることができるため、三相電源にも対応しています。
主にコンビニのフライヤーで多く使われており、液体加熱やホットプレート用途にも活躍しています。
細径シーズヒーター
シース外径がφ1.8mmやφ1.5mmと非常に細い細径シーズヒーターは、省スペースへの設置や局所加熱に適しています。マイクロヒーターと異なり、ヒーターの容量を調整することも可能です。
外径が細いため、金型のノズル加熱や小型ホットプレート、小型気体加熱器などに適しており、航空機向けピトー管への採用事例もあります。
気体加熱器
空気・窒素・アルゴンなどの不活性ガスを加熱するための各種気体加熱器を提供しています。
クリーンホットは、最高500℃の出力が可能で、特殊構造により断熱材を使わず表面温度を低く抑え、クリーンルームにも適応しています。クリーンホットミニは手のひらサイズで、少流量域の加熱に対応しています。流量は0.1L/minから1000L/min超まで、幅広くラインナップしています。
過熱水蒸気発生器
アクアスチームヒーターは、100℃の飽和蒸気を最高500℃の過熱水蒸気へ変換する電気式過熱装置です。シーズヒーター方式により本体は非常にコンパクトで、使用現場近くへの設置が可能です。
熱損失を抑えつつ、優れた温度制御で急速過熱や低酸素環境の形成に対応します。食品の殺菌設備や電子部品の過熱水蒸気乾燥による工程短縮の実績があり、装置単体としての提供も可能です。
導入事例・実績
新熱工業のシーズヒーターは、様々な産業分野でその高い技術力と対応力が評価され、導入されています。「熱」の課題解決に貢献した事例の一部をご紹介します。
産業分野
半導体や液晶製造装置における熱管理において、新熱工業のシーズヒーターは高い信頼を得ています。CVD用ホットプレートには、12mまで製作可能な長尺ヒーターを採用し、加熱効率と省スペースを実現しました。
成膜装置などで求められる耐腐食性には、アルミシースやハステロイシースによる特殊対応も可能です。断熱材不要の構造を持つクリーンホットシリーズは、不活性ガスの加熱とクリーンルーム運用に最適で、小型のクリーンホットミニも展開しています。
精密用途では、航空機の圧力測定部品であるピトー管の凍結防止に細径シーズヒーターや、過熱水蒸気による工程短縮を実現するアクアスチームヒーターも使用されています。
建設設備分野
環境配慮が求められる建設設備分野でも、新熱工業のシーズヒーターが活躍しています。アスファルトフィニッシャの直火バーナーを電気式に変更する際に、表面積が大きく電力密度を抑えられるフラットヒーターが採用されました。
表面積を拡大し電力密度を下げられるフラットヒーターは、建設設備の電気化ニーズに応える製品として、特に欧州で高い評価と多くの導入実績を得ています。
食品分野
コンビニ等で使用されるフライヤーには、1本のヒーターで三相電源に対応できる、スーパーフラットヒーターが多数採用されています。パックごはんの殺菌設備では、従来の蒸気殺菌工程を、アクアスチームヒーターによる過熱水蒸気殺菌に変更することで、工程削減を実現した事例があります。
その他、業務用厨房機器や調理機器において、お湯や油、鉄板の加熱などの様々な用途でシーズヒーターやホットプレートが使用されています。
新熱工業について
企業情報
新熱工業は、シーズヒーターをはじめとする加熱機器の設計・開発・製造・販売を一貫して自社内で手掛けています。製品は多岐にわたる分野で採用されており、独自技術を活かした製品開発力も高く評価され、世界のものづくり現場を支えています。
専門技術を駆使し、さまざまな「熱」のニーズに応える体制を整えています。
沿革
1982年に茨城県水戸市郊外で創業した新熱工業は、電気ヒーターの専門メーカーとして一貫して技術開発と製造を続けてきました。
1989年には研究拠点を筑波に開設し、1999年にはISO 9001認証を取得しています。2002年以降は断熱材不要のクリーンホットや過熱水蒸気装置アクアスチームヒーターなど様々な加熱技術を開発しました。
2019年からは工場を増設し、2021年にはISO 14001取得、2022年にはSDGs宣言を行うなど、設備・環境への取り組みも強化しています。
社名 | 新熱工業株式会社 |
---|---|
所在地 | 茨城県ひたちなか市山崎141-5(第2山崎工業団地内) |
設立 | 1982年10月10日 |
URL | https://www.shinnetsu.co.jp/ |