BIOVIA Discovery Studio 医薬品設計用 3Dモデリング・シミュレーションソフト
ターゲットの特定からリード化合物の最適化まで、創薬プロセス全体を支援
BIOVIA Discovery Studio(バイオビア ディスカバリー スタジオ)は、医薬品や医療機器の研究開発を支援する、包括的なモデリング・シミュレーションソフトウェアです。タンパク質の微細な構造や分子間の相互作用を原子レベルで解析し、ターゲットの特定からリード化合物の最適化まで、低分子・高分子医薬品の創薬プロセス全体を加速させます。
ウェーブフロントでは、日本国内の代理店としてBIOVIA Discovery Studioの導入・運用をきめ細やかにサポートしております。
目次
創薬における課題解決
創薬の現場では、治験にかかるコストの高さや臨床成功率の低さが大きな課題となっています。
高コストと低成功率 | 治験には莫大な費用がかかり、失敗すると繰り返し治験が必要になりコストがさらに増大 |
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情報の分断(サイロ化) | 創薬研究と下流工程の間でデータや知識が共有されず、必要のない実験や時間・費用の浪費が発生 |
特許の実質的有効期間 | 承認まで時間がかかると、特許の利用可能期間が短くなり、収益に大きな影響 |
こうした問題の背景には、創薬から承認までにかかる時間の長さがあります。したがって、有効性と安全性を迅速に保証し、承認までの期間をいかに短縮するかが鍵となります。
BIOVIA Discovery Studioは、バーチャルの手法を通じて、こうした創薬サイクルを効率化し支援する強力なツールです。
BIOVIA Discovery Studioの特長
高い信頼性
搭載されている計算化学・計算生物学の基本機能は、世界中の科学者による30年以上の査読研究によって開発・検証されてきました。世界レベルのin silico技術が統合されており、再現性の高い実験結果を得るための指針として、研究開発プロセスを強力にサポートします。
豊富な機能
立体構造のモデリングや汎用性の高い分子動力学シミュレーションに加え、バーチャルスクリーニングに不可欠なデータ管理・分析機能も搭載しています。創薬ターゲットの同定からリード化合物の最適化まで、医薬品開発のあらゆる段階を支援する包括的なツールセットを提供します。
様々な医薬品設計手法に対応
ホモロジーモデリング、構造ベース設計、フラグメントベース設計、ファーマコフォアや構造活性相関の利用など、多様な設計手法に対応しています。これらの手法を組み合わせた複合的なアプローチも可能であり、研究者の多様なニーズに応じた医薬品設計を実現します。
柔軟な拡張性
実行環境は拡張性の高い「BIOVIA Foundation」を基盤としており、ツール間のシームレスな連携を実現します。また、ユーザーが実行命令を直接改変することも可能なため、他のアプリケーションと連携させるなど、研究環境に合わせた柔軟なカスタマイズに対応できます。
主な機能
分子構造のメカニズムを可視化
機能豊富な無料の分子モデリングツール「BIOVIA Discovery Studio Visualizer」を提供しています。タンパク質や低分子の3D構造、分子間の相互作用などを高品質なグラフィックで表示し、研究の解析やチーム内での知見共有を円滑にします。
分子動力学シミュレーション
実績と信頼のある分子シミュレーションプログラム「NAMD」や「CHARMM」を利用し、様々な条件下での分子の挙動と相互作用を研究できます。最新版ではガウス加速分子動力学(GaMD)法も実装され、より効率的な自由エネルギー計算などが可能です。
構造ベースの設計
低分子がタンパク質にどのように結合するかという知識に基づき、合理的な医薬品設計を行うためのツール群を提供。ヒット化合物の発見からリード化合物の最適化に至るまで、構造ベース設計(SBDD)およびフラグメントベース設計(FBDD)戦略を包括的にサポートします。
リガンドとファーマコフォアに基づく設計
ターゲットとなるタンパク質の立体構造が不明な場合でも、リガンドの化学的特徴を3D空間にマッピングした「ファーマコフォア」を用いて医薬品設計を支援します。化合物ライブラリに対するバーチャルスクリーニングにより、ファーマコフォアに適合する有望な候補化合物を効率よく選定できます。
バイオ医薬品と抗体モデリング
抗体医薬に代表されるバイオ医薬品の研究開発に特化した機能を提供します。抗体のモデリング、タンパク質間相互作用の予測、抗原抗体複合体の構造解析などを通じて、抗体の安定性、親和性、免疫原性といった重要特性の最適化を支援します。
高分子設計と分析
抗体医薬や二重特異性抗体など、生物製剤の設計に特化した豊富なツールセットを提供します。抗体の3Dモデル生成、免疫原性や溶解性といった物性の予測・最適化などを通じて、有効な候補薬剤の開発を迅速化し、実験コストの削減に貢献します。
ADMET予測
医薬品候補化合物の体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)や毒性を含むADMETプロファイルを予測し、安全性評価を支援します。開発の後期で問題となるリスクを早期に把握することで、時間とコストのかかる実験を最小限に抑え、リード化合物の最適化を効率化できます。
適用分野
バイオ医薬品 (中分子・高分子医薬品)
- 組み換えタンパク質
- モノクローナル抗体、二重特異性抗体、抗体薬物複合体(ADC)
- 抗体模倣体 (例:DARPin)
- ワクチン
低分子医薬品
- 合成化合物
- 低分子阻害物質
- 低分子ペプチド
導入について
オンプレミス版とクラウド版
BIOVIA Discovery Studioは、オンプレミス版とクラウド版の両方で利用可能で、研究環境に応じて最適な導入形態を選択できます。
クラウド版は、ダッソー・システムズ株式会社提供のクラウド環境である「3D EXPERIENCE」プラットフォーム上で利用可能で、ハードウェアのアップグレードやインストールが不要です。AIを含む新しい機能も容易に利用できます。また、プロジェクトチーム内での情報共有をよりスムーズに行える点も、クラウド版のメリットです。
Discovery Studio (オンプレミス版) |
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Discovery Studio Simulation (3DEXPERIENCE クラウド版) |
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ウェーブフロントならではのサポート体制
当社は、国内でBIOVIAシリーズ製品を複数扱う数少ない代理店のひとつです。エンジニア在籍のため、お客様の要望にあわせた柔軟な対応が可能です。細やかなカスタマイズを実現し、お客様の研究開発のスピード向上と業務効率化に貢献します。
ウェーブフロントが取り扱うBIOVIAシリーズ製品について詳しく見る
株式会社ウェーブフロントについて
事業内容
会社設立当初から熱流体解析システムの開発、コンサルティング業務、製造業を対象とした業務システムの開発に携わっており、同業他社では対応が難しい問題の解決や製品を世の中に出してきました。
そのため、ポンプの熱流動解析およびプラズマ解析、故障解析、機能安全に関する当社の知識・技術力は、競合他社に比べて非常に高く評価されています。
また、当社の業務システムに関するコンサルティング能力は、国の組織から民間企業に至るまで、高い評価を頂いており、それに伴い、当社の開発するシステムも数多く導入されています。
近年では研究所のDXや業務系システムに機械学習を組み合わせたソリューションの提供に力を入れており、新しい技術への取り組みを積極的に行っております。
特にラボ管理の分野では試供品のトレーサビリティ確保や在庫管理、作業手順の標準化、蓄積されたデータの活用、分析に取り組んでおります。
会社概要
所在地 | 〒220-6112 神奈川県 横浜市 西区みなとみらい2-3-3クイーンズタワーB12階 |
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設立年月 | 1990年3月 |
URL | https://www.wavefront.co.jp/ |