波長可変レーザーとは?
波長可変レーザーは、ユーザーが目的に応じて、出力する光の波長を精密に調節できる高度なレーザーシステムです。標準的なレーザーは一定の波長で光を発しますが、波長可変レーザーは波長選択素子にグレーティングを用いその共振器調を変化させることで、一つのデバイスで多様な波長の光を可変することができます。
波長可変レーザーのメリットと応用例
波長可変レーザーが提供するメリットは、光部品の特性評価だけでなく、フォトニック集積回路、量子フォトニクス、分光法、センサーの開発など様々なアプリケーションで理想的なツールとなっています。
高速スイープによる光部品評価時間の短縮
波長可変機構の最適化により従来機の2倍となる200nm/sの波長掃引速度を実現しています。また、波長掃引時の動的特性の向上により、測定時間や測定精度向上を実現しております。これにより光通信部品の特性評価などのスループット並びにタクトタイム向上に貢献します。
波長可変レーザーに求められるあらゆる性能改善を実現
信号対自然放出光比(SSSER) 90dB/0.1nmのにより、広い測定ダイナミックレンジを測定可能、かつ、連続(CW)発振で+13dBm(20mW)を超えるピーク光出力により、挿入損失の大きい光デバイスやシリコンフォトニクスの光表面結合時など、様々な研究開発にご利用いただけます。
ユーザーフレンドリーなインターフェース
直接的かつ視認性に優れた大型タッチスクリーンにより高い操作性を確保しています。また、USBやGP-IBに加えてEthernetによる通信制御が可能です。これにより技術者のトレーニングコストの削減にもつながり、長期的な運用コストの削減にも寄与します。
santecの波長可変レーザー技術
santecは1988年に、世界で初めて半導体をレーザー媒質として用いたシングル縦モード発振する外部共振器型波長可変レーザーを製品化しました。
ベンチトップ型単一縦モード 外部共振器型波長可変レーザー
グレーティングを使用した外部共振器方式による単一縦モードで動作する波長可変レーザー(TSLシリーズ)を開発、提供しています。このレーザー光源は、Littman-Metcalfの配置を採用しており、グレーティングを用いて波長を選択しながら、共振器の長さを調節することで、単一の縦モードでの発振をモードホップ無しで波長を連続可変することが可能です。
この技術は、主に光コヒーレンストモグラフィー(OCT)の光源として使用されています。
santecが提供する波長可変レーザーのモデルラインナップ
1988年に、世界で初めて半導体を使用したシングル縦モードを実現する外部共振器型の波長可変レーザー、TSLシリーズを製品化しました。TSLシリーズは、長年にわたる経験と専門知識を基に開発され、高速な波長掃引、広範囲に対応した波長範囲、狭線幅、そして低ノイズを兼ね備えたレーザー光源として特徴付けられます。
高機能なフラグシップモデルからコストパフォーマンスに優れたモデル、産業用途から研究目的まで、お客様の多様な要望に対応する製品ラインナップを提供しています。
TSL-570:波長可変レーザー (スタンダードモデル)
TSL-570は、性能と品質を一新した第7世代に位置づけられるスタンダードモデルの波長可変レーザーです。
このモデルは、レーザー共振器と制御回路の全面的な見直しにより、以前のモデルに比べて速度、性能、品質の面で顕著な向上を達成しました。光通信やフォトニクス科学における光学部品の性能評価から、フォトニック集積回路のテスト、量子フォトニクス、分光学、センサー技術に至るまで、多岐にわたる用途において理想的な選択肢となっています。
特長 |
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TSL-570 TYPE H:波長可変レーザー (高出力モデル)
TSL-570 Type Hは、20 dBmを超える高い光出力を誇る、高性能で強力な波長可変レーザーモデルです。
このモデルは、先進的な光学キャビティの設計を採用しており、ピコメートル単位の高精度、サブピコメートルの解像度、そして最大200 nm/秒という迅速なスキャン能力を実現しています。
O-band(1260~1360nm)およびCL-band(1500~1630nm)の範囲に対応し、光学部品の性能評価、光集積回路の評価、量子フォトニクス、分光学、センサー技術など、フォトニクス分野での幅広い応用に適しています。特に、高出力が求められるシリコンフォトニクスの材料損失や結合損失の大きな光デバイスの集積化において、TSL-570 Type Hは評価や検証作業に最適な選択肢です。
特長 |
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アプリケーション |
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TSL-770:波長可変レーザー (フラッグシップモデル)
フラッグシップモデルは最大160 nmに及ぶ広範囲な波長調整が可能であり、測定作業の効率と精度が大幅に向上します。
この特性は、製造業、研究開発、基礎科学研究など、多岐にわたる用途において理想的なソリューションを提供します。
さらに、光学系の振動を抑える措置と制御系のノイズを低減する技術を採用することで、外部共振器型波長可変光源の重要な特徴である細いスペクトル線幅と高い周波数安定性を同時に実現しており、シリコンフォトニクスのような極めて高い波長精度が求められる先端的な研究分野においても、本製品は高い価値を提供します。
特長 |
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FULL-BAND TSL:波長可変レーザー (フルバンドシステム)
最大440 nmの広帯域をカバーするFull-band TSLシステムは、光スイッチモジュール(OSU-110)と最大4台の波長可変レーザー(TSL-570)で構築されており、高精度な波長設定による迅速な波長スキャンを実現します。
このシステムはコスト効率が高く、研究開発から生産ラインまで、幅広い用途に対応する汎用性を備えています。
特長 |
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WSL-110:波長選択レーザー
WSL-110は、コンパクトな設計と優れたコストパフォーマンスを特徴とする、任意の波長に設定可能な波長選択レーザーです。光ファイバー伝送テストに最適化されており、さらにDWDMコンポーネントの検証やコヒーレント通信のテストにも適用可能です。
CバンドやLバンドで使用でき、各バンドで38nmの広範囲な波長調整が可能です。グリッドレスチューニング機能により、任意の波長へのアクセスが可能であり、内蔵された波長ロッカーが高精度と波長の安定性を確保します。
WSL-110は、フロントパネルやGPIBインターフェイスを介した操作が可能で、リモート制御や測定の自動化に対応しています。
santec波長可変レーザーを組み合わせた評価システムのご提案
santecは、波長可変レーザーを組み合わせた光学特性を測定するコンプリートシステムの提供も行っています。
SPA-100:波長掃引型フォトニクスアナライザ
SPA-100は、santecの波長可変レーザー(TSLシリーズ)に追加できるモジュールであり、フォトニクスデバイスの評価に必要な三つの主要機能(反射点の測定、波長依存損失の計測、近接センシング)を備えた分析装置です。
TSLシリーズの広帯域波長可変機能と組み合わせることで、フォトニクスデバイス内の損失点を5マイクロメートルの高解像度で特定可能です。また、光コヒーレント検出技術を利用することで、一度の波長スキャンで70dB以上のダイナミックレンジを持つ波長依存損失(WDL)を測定できます。
さらに、特許を取得した近接センシング技術により、ファイバプローブとデバイスとの間の正確な距離測定を可能にし、ウェハレベルでのシリコンフォトニクスデバイスの特性評価時のアライメント作業を簡易化します。
これらの機能により、SPA-100はシリコンフォトニクスや小型光コンポーネントの開発や生産など、様々な用途で理想的なツールです。
特長
業界最高水準の高い分解能 (<5 μm)
光部品の挿入損失と反射減衰量を測定
SiPhデバイスのアライメントと評価に適した近接センシング
波長可変レーザー(TSLシリーズ)のアドオンモジュールとして機能
アライメント用光パワーメータ接続ポートあり
PANDA型偏波保持ファイバに対応
評価、分析が容易な専用ソフトウェア付属
最大160nmの広い波長範囲でのWDL測定が可能
1回の波長掃引で70dBを超える広いダイナミックレンジを実現
STS:光学特性検査システム
「Swept Test System」は、波長可変レーザー(TSLシリーズ)、マルチポートパワーメータ(MPMシリーズ)、偏光制御ユニット(PCU-110)、および専用ソフトウェアを組み合わせて構成された光学特性検査システムです。
光学デバイスの研究開発と生産の両方で理想的な評価ツールを提供します。
波長可変レーザーからの出力パワーをリファレンスとしてリアルタイムに比較し、デバイスを通過した後の光パワーを同時に測定することにより、挿入損失(IL)、波長依存損失(WDL)、偏波依存損失(PDL)を高精度で測定できます。
このシステムは、PDLの計算にミュラーマトリックス法を採用しています。
特長
リアルタイムパワーリファレンス
高精度にIL / WDL / PDL特性測定可能 IL再現性:<± 0.02 dB PDL再現性:± 0.03 dB ・高い波長分解能と波長精度
マルチチャンネル測定が可能
グラフィカルユーザーインターフェースとDLLのサポート (Visual Studio)
santecについて
santecは、光技術の革新を通して、世界中に新しい価値を届けることを企業指針としています。
私たちが思い描く未来は、情報通信、生命科学、センシングのみならず、光技術があらゆる産業の進化を加速させる、高度に発展した社会です。光技術は、過去に前例のない素晴らしい社会成長をもたらす可能性を秘めており、私たちの働き方、人とのつながり方、余暇の過ごし方に大きな変化を起こします。
私たちは、人々の自主性、創造性、豊かな個性が開花する、より人間中心の希望に満ちた高度情報化社会、平和で心温まる未来の理想郷を「オプトピア」と呼びます。
会社概要
団体名 | santec |
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本社所在地 | 〒485-0802 愛知県 小牧市大草年上坂5823 |
設立 | 2023年4月1日 |
代表取締役社長 | 両澤 淳 |
URL |
santec
光の先駆者
独創的な光技術でオプトピアの創造と発展に貢献します。
尊敬されるリーダーとして市場を先導し、輝ける未来のために世界へ影響を与えます。
顧客、サプライヤー、株主、社員、そして私たちのコミュニティー全体に夢と繁栄を届けます。
出展団体名 | santec |
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所在地 | 〒485-0802愛知県愛知県小牧市大草年上坂5823 |
設立年月 | 2023年04月 |
従業員規模 | 101名-500名 |
URL | https://inst.santec.com/jp/ |