冷凍機は、現代の生活や産業において重要な役割を果たす機械装置です。食品保存、空調設備、工業プロセスなど、様々な分野で広く活用されています。
本記事では、冷凍機の基本的な仕組みや種類、冷凍技術の分類、そして冷凍能力を表す単位について詳しく解説します。
冷凍機は、冷凍技術を利用して低温を生成する機械装置です。小型の冷凍機は家庭用エアコンや冷蔵庫で見られ、大型のものは工場や商業施設で使用されます。
冷凍機の基本的な仕組みは、冷媒を用いて熱を奪うことで対象物の温度を下げることにあります。このプロセスは「冷凍サイクル」と呼ばれ、以下の4つの工程から成り立っています。
冷媒が蒸発し、周囲から熱を吸収して対象物を冷却します。
蒸発した冷媒が圧縮され、高温・高圧の気体になります。
圧縮された冷媒が凝縮器で冷却され、熱を放出して液体に戻ります。
液体の冷媒が膨張弁を通って低圧の状態になり、再び蒸発する準備をします。
冷凍機は主に「蒸気圧縮式冷凍機」と「吸収式冷凍機」2つのタイプに分類されます。
最も一般的なタイプで、気体の冷媒を圧縮して冷却します。コンプレッサーを使用して冷媒を圧縮し、その後膨張させることで周囲から熱を奪います。電気を動力源とするため、電力が安定している環境で効率的に稼働します。
立ち上がりが早く、経年劣化が少ないというメリットがあります。また、小型から大型まで幅広いサイズに対応できる柔軟性も長所です。
化学的な性質を利用し、吸収液を使って冷媒を循環させる方式です。熱源として蒸気や温水、ガスなどを使用し、冷媒(通常は水)と吸収液(臭化リチウムなど)の反応を利用して冷却効果を生み出します。大規模な施設や工場など、余剰熱が得られる環境で特に効果を発揮します。
運転音が静かで、可動部分が少ないため保守が比較的容易という利点があります。
冷凍技術は大きく3つに分類されます。
冷却された空気を食品の周囲に強制的に循環させることで、迅速な凍結を実現します。
一般的に-30°C〜-40°Cの冷気を用います。食品の形状や大きさを維持しやすく、比較的大量の食品を一度に処理できるため、工業的な食品生産に適しています。凍結速度は中程度で、ドリップ(解凍時の水分流出)を抑える効果があります。
ブライン凍結とも呼ばれ、マイナス30°C前後のアルコールに浸すことで凍結します。食塩水やプロピレングリコールなどの不凍液(ブライン)を使用することもあります。食品を直接冷媒に接触させるため、熱伝導率が高く、急速な凍結が可能です。
小型の食品や不定形の食品の凍結に適しています。均一な凍結が可能で、高品質な冷凍食品の製造に使用されます。ただし、食品表面に冷媒が付着する可能性があるため、使用する冷媒の選択には注意が必要です。
-196°Cの液化窒素を利用して超高速で食材を凍結します。液体窒素を食品に直接噴霧したり、食品を液体窒素に浸漬したりする方法があります。極めて短時間で凍結が完了するため、食品の細胞破壊を最小限に抑えることが可能です。
特に高価値な食材や、品質維持が重要な食品の凍結に適しています。凍結速度が非常に速いため、氷結晶が極めて小さくなり、解凍後の食感や風味の保持に優れています。ただし、設備投資や運転コストが高いという課題があります。
冷凍機の冷凍能力を表す単位には主に以下のようなものがあり、それぞれ定義が異なります。
冷凍トン | 冷凍トンは冷凍機の冷凍能力を表す慣用単位で、主に以下の2種類があります。 日本冷凍トン (JRt) 定義:0°Cの水1トン(1,000 kg)を24時間で0°Cの氷に変化させるのに必要な熱量 数値:1 JRt = 3,320 kcal/h ≈ 3.86 kW 米国冷凍トン (USRt) 定義:0°Cの水1ショートトン(907.18 kg)を24時間で0°Cの氷に変化させるのに必要な熱量 数値:1 USRt = 3,024 kcal/h ≈ 3.52 kW |
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その他の単位 | キロカロリー毎時 (kcal/h):慣習的によく使用される単位 ワット (W):SI単位系で使用される単位 |
単位間の換算 | 1 kcal/h ≈ 1.162 W 1 JRt ≈ 1.1 USRt |
これらの単位の違いは、主に基準となる水の量や計算方法の違いによるものです。大型の冷凍機やチラーなどでは冷凍トンが使用されることが多く、小型のチラーなどではkcal/hやkWが使用される傾向があります。
冷凍能力の違いを理解することは、適切な冷凍機の選択や性能比較を行う上で重要です。
株式会社ドーワテクノスが提供する超高速凍結機 ZERO-03は、革新的な液体凍結技術を採用した高性能な冷凍機です。超低温の液体に商品を浸すことで瞬間凍結を実現します。従来の液冷タイプと比較して、吸熱と排熱に新しい特許技術を導入することで、熱交換効率が4倍に向上しています。
主な特長 |
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高速凍結能力 従来の空冷式の8倍、液冷式の4倍の生産量を実現 最大凍結能力は200kg/h(凍結前温度5°C以下) |
優れた温度制御 ブライン液温度をマイナス40度まで下げることが可能 連続凍結時のブライン液温度上昇を抑制 |
高効率な熱交換 他社液冷式と比べて約2倍の排熱効率 特にマイナス30度以上の領域では3倍以上の排熱効果 |
品質向上 凍結ムラの低減 解凍後の再現性向上 |
ZERO-03は食品業界、特に冷凍食品の製造において品質向上や販路拡大に貢献します。豆腐、しいたけ、こんにゃく、味たまごなど、様々な食品の凍結に適しています。