ガラスフォトリソ加工とは
「ガラスフォトリソ加工」はガラスエッチング加工技術の一つです。ガラス材料にフォトレジストで任意のパターンを形成し、彫り込むことで、ガラスに凹凸、貫通孔を加工することが可能です。
レジスト膜には有機膜と金属膜をお選びいただくことが可能です。どちらの膜にもメリット・デメリットがありますので、お客様のニーズに合わせ、ご相談させて頂きます。
金属レジストの特徴
金属レジスト膜を作ってエッチングを行う場合、1ミクロン以下の薄さで実現が可能です。
一方で、金属レジスト膜を任意の形に成形するための手間がかかります。また、金属レジスト膜は長時間の使用に耐えないため、深い穴を彫りたいなど、加工時間が長い場合は利用しにくい欠点があります。
また、金属レジスト膜は、基板から剥離するために酸で溶かす必要があります。すでに配線が施されている基板の場合、配線なども一緒に溶けてしまうことがあります。
メーカーと協力して開発した独自素材
ガラスエッチングでレジストとして使える材料は、フッ酸や塩酸に耐性を保たなくてはいけません。1分あたり1〜6ミクロンという速度で彫り込むため、強酸の中に長期間さらされても浸食されにくい材料である必要があります。
弊社の有機レジストは、レジストメーカー殿と協力し独自開発したガラスエッチングに最適な素材を利用しています。
また、金属レジストには、耐酸性を上げるために独自の膜構成のものを使用しております。
用途例
MEMS、LED用 キャップガラス | 金属レジスト膜を用いたエッチング加工と比較し、価格や耐久面での優位性があります。 レジストを剥がす際に有機アルカリ薬品を用いるため、配線済みのガラスにもダメージなく加工できます。 |
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研究試作用材料の機能テスト用 封止ガラス | 有機EL / 有機太陽電池 の研究試作用材料の機能テストに用いる封止ガラス用途でもご相談をいただいています。 サンドブラストなどの加工方法で掘った溝は曇りやすく、薬液の様子を観察しにくい課題がありました。一方、ガラスフォトリソ加工による溝は濁りが抑えられます。 |
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よくあるご質問
- フォトリソ加工の解像度は?
- 有機レジストは0.4㎜以上、金属レジストは0.01㎜以上です。
※有機レジストは堀込量により解像度が変わります。詳細はご相談ください。
- 堀込可能な量は?
- 標準として、石英基板30μm・耐熱ガラス250μm・その他1㎜です。
パターンサイズとの相関がありますので、詳細はご相談ください。
- 基板内で2種類の深さを加工できる?
- 可能です。
- 金属配線済みの基板に堀込加工は可能?
- 剥離剤との相性が取れれば可能です。
企業情報
独自のエッチング技術でガラスの精密加工を実現
当社は、1988年の創立以来ガラスの加工を生業として参りました。2003年より業容拡大を目指して、フッ酸によるガラスの加工を開始し、タッチパネルの薄型化、OLED用封止ガラス等アプリケーションを広げて参りました。
現在ではICの3Dパッケージ化や高速通信に対応すべく、これまで培ってきたエッチング技術にレーザー加工も加え、ガラスの微細貫通孔加工(TGV加工)、精密堀込み加工、UTG(Ultra Thin Glass)加工で最先端分野での御客様の開発のお手伝いをさせて頂いております。
「ガラス加工でお困りの事が有れば、是非一度、お問い合わせください。」