断面観察用 超音波カッティング装置 CSX-100Lab
「切る」と「磨く」を同時に行い、断面試料作製を大幅に効率化
「断面試料の作製に時間がかかる」「狙った位置を切れず、品質が安定しない」「作業が属人化している」といったお悩みはありませんか。
株式会社高田工業所(以下、TAKADA)の超音波カッティング装置「CSX-100Lab」は、「切る」と「磨く」を同時に行う独自の技術でこれらの課題解決に貢献します。樹脂での固定(包埋)や熟練の研磨作業を不要にし、作業者のスキルに依存せず、早く、高精度な断面試料作製を実現します。
目次
断面試料作製における課題と解決事例
断面試料作製における課題
故障解析や品質保証における断面観察では、試料作製の工程で多くの課題が挙げられます。具体的には、下記のようなお悩みが多く聞かれます。
よくある課題例
- 複合材や脆い材料の加工が難しく、断面が崩れてしまう
- 微細な部品の狙った位置を正確に切れず、観察したい箇所が見られない
- 試料が小さすぎて、手作業での研磨が非常に困難
- 樹脂包埋や研磨に時間がかかり、人的工数も大きい
これらの課題に対し、「CSX-100Lab」は具体的な解決策を提示します。
解決事例|スマートフォンなどの複合材
スマートフォンやカメラモジュールのように、硬い材料と柔らかい材料が組み合わさった複合材の切断は、従来の手法では断面が崩れやすいという課題がありました。「CSX-100Lab」は、超音波アシスト切断により、樹脂で固めることなく、硬軟さまざまな材料からなる複合材も一度で綺麗に切断することが可能です。これにより、これまで加工が困難だった部品でも、鮮明な断面での観察が実現します。

解決事例|狙った位置での観察
BGAのバンプや基板のビア(穴)など、微細なターゲットを正確に捉えることは、試料作製の品質を左右する重要なポイントです。「CSX-100Lab」は、公称±20μmという高いアライメント精度を誇ります。独自の安定したスピンドル機構により、ブレードがたわむことなく、狙った位置を正確に切断。貴重な試料を無駄にすることなく、失敗のリスクを低減し、安定した加工をサポートします。

解決事例|小さな試料の加工
チップコンデンサやSiCダイオードなど、0.4mm×0.2mm程度の微細な部品は、手作業での研磨が極めて困難です。「CSX-100Lab」は、このような小さな試料でも自動で切断するため、試料が変形することなく、美しい断面を得ることができます。これまで作業者の高いスキルに依存していた微小部品の面出し作業も、誰でも簡単に行えるようになります。

解決事例|人的工数の削減
従来の試料作製では、樹脂包埋から研磨まで1〜2日以上かかるのが一般的でした。「CSX-100Lab」を導入すれば、樹脂包埋が不要になるケースが多く、切断と同時に断面がある程度磨かれるため、後工程を大幅に削減。試料作製にかかる時間を最短30分程度まで短縮し、1日以上の時間短縮を実現します。自動切断中はオペレーターが付きっきりになる必要もなく、人的工数の大幅な削減に貢献します。

TAKADAの超音波カッティング技術
超音波カッティング技術の原理
弊社のコア技術である「超音波アシスト切断」は、回転するブレード(砥石)の動きに、超音波による微細な上下振動を組み合わせた独自の技術です。この「切る力」と「超音波の力」の相乗効果により、単に切るだけではない、様々なメリットを生み出し、高速・高品質な加工を実現します。

超音波カッティングのメリット
超音波アシスト切断は、以下の4つの相乗効果により、切断速度・品質向上、ブレードの長寿命化を実現します。

| ハンマー効果 | 硬脆材を効率的に破砕・粉砕することで切削力が向上し、切断速度が向上。さらに、チッピングのサイズも小さく抑えられます。 |
|---|---|
| 切削水流入効果 | 切削水の流入を促進して切削抵抗を低減することで、砥粒の熱損耗を防止するとともに、切削屑の排出を促進します。 |
| ブレードクリーニング効果 | ブレードの目詰まりを防ぎ、ブレード寿命を向上させます。 |
| 断面研磨効果 (超音波ポリッシュカット®) |
切断面を平滑化し、断面品質を向上させます。 |
TAKADA独自のスピンドル機構
高品質な切断を支えるのが、超音波振動を効率よく伝え、ブレードを安定させる独自の「両端支持機構」です。従来の片側支持方式では、切断時の負荷でブレードがたわみ、狙った位置からずれてしまう「蛇行切断」が課題でした。当社の機構はブレードの両側をしっかりと支持することで、安定した切断姿勢を維持。高い負荷がかかる場面でも、高精度な加工を実現します。

CSX-100Labのご紹介

CSX-100Labは、断面観察用の試料作製に特化した超音波カッティング装置です。
誰でも短時間で綺麗な断面試料を作製できることをコンセプトに、研究開発部門にも設置しやすいコンパクトな設計となっています。
画面はタッチパネル式で、簡単な4ステップの操作で高品質な切断が可能です。また、最大20件の加工レシピを保存でき、繰り返し行う作業の効率化も図れます。
基本仕様
| 形式 | CSX-100 Lab |
|---|---|
| 切断可能最大ワークサイズ | 100mmφ(75mm角) |
| 切断可能最大ワーク高さ | 9mm |
| 寸法 | W640mm×D900mm×H1,350mm |
| 重量 | 約380kg |
| アライメント精度 | ±20µm |
オプション

導入の流れ
テクニカルセンター
福岡県のテクニカルセンターにて、装置のデモンストレーションが可能です。実際の加工品質や装置の動作を直接ご確認いただくことができます。見学は随時受け付けております。

TAKADAテクニカルセンターの提供機能
● デモンストレーションを行うショールーム機能
● プロセス開発機能
● 装置の操作やメンテナンスを修得する
トレーニング機能
サンプルテスト
導入をご検討中のお客様向けに、無償でのサンプルカット評価を随時受け付けております。お客様の試料をお預かりし、当社のテクニカルセンターにて実際にカット。後日、加工した試料とともに、切断条件や加工時間などを詳細に記載した「評価報告書」をご提出します。これにより、導入前に装置の性能やご自身の試料との相性を具体的にご確認いただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。
サンプルテスト実施の流れ
| お問い合わせ | まずはお問い合わせください。 |
|---|---|
| ヒヤリング | 試料やお困りごとについてヒヤリングさせていただきます。 |
| サンプルカット実施 | 郵送での対応、お立合いでの対応が可能です。 |
| 評価・導入検討 | カット時間や加工条件を明記した「評価報告書」とともに試料をご確認いただきます。 |
TAKADAについて
事業内容
1940年創業、プラント事業で培った高い技術力を基盤に、超音波カッティング装置をはじめとする各種産業装置の開発・製造・販売を行っています。お客様の生産性向上と高付加価値化に貢献することを目指し、半導体製造装置や設備診断システムなど、多岐にわたる事業を展開しています。

TAKADAの強み
プラントエンジニアリングを祖業とする当社は、設計・製作・建設・メンテナンスまでの一貫施工を手掛けてきました。この経験で培った「一貫責任施工」体制と、トップレベルの「高度な溶接技術」は、現在の装置事業においても大きな強みとなっています。
会社概要

| 所在地 | 〒806-8567 福岡県北九州市八幡西区築地町1番1号 |
|---|---|
| 創業年月 | 1940年9月 |
| URL | https://www.takada.co.jp/ |