量産型超音波カッティング装置 CSX501
超音波アシスト切断で、SiCなど硬脆性材料の高品位・高速ダイシングを実現
株式会社高田工業所(以下、TAKADA)の量産型超音波カッティング装置「CSX501」は、SiCなどの硬脆性材料のダイシングにおける品質と生産性の両立という課題を解決します。回転砥石に超音波振動を加える独自技術により、安定した高品質加工と高い生産性を両立し、お客様の製造プロセス革新に貢献します。
目次
超音波カッティング技術について
超音波カッティング技術の原理
弊社のコア技術である「超音波アシスト切断」は、回転するブレード(砥石)の動きに、超音波による微細な上下振動を組み合わせた独自の技術です。この「切る力」と「超音波の力」の相乗効果により、単に切るだけではない、様々なメリットを生み出し、高速・高品質な加工を実現します。

超音波カッティングのメリット
超音波アシスト切断は、以下の4つの相乗効果により、切断速度・品質向上、ブレードの長寿命化を実現します。

| ハンマー効果 | 硬脆材を効率的に破砕・粉砕することで切削力が向上し、切断速度が向上。さらに、チッピングのサイズも小さく抑えられます。 |
|---|---|
| 切削水流入効果 | 切削水の流入を促進して切削抵抗を低減することで、砥粒の熱損耗を防止するとともに、切削屑の排出を促進します。 |
| ブレードクリーニング効果 | ブレードの目詰まりを防ぎ、ブレード寿命を向上させます。 |
| 断面研磨効果 (超音波ポリッシュカット®) |
切断面を平滑化し、断面品質を向上させます。 |
他切断方法との比較
SiCウエハの加工において、超音波アシスト切断はノーマルブレード切断やレーザー切断と比較して、品質、速度、コストのバランスに優れています。
特に、”安定した品質”と”高い生産性”を両立できる点が大きな特徴です。レーザー切断のようなプロセス起因の品質のばらつきはなく、ノーマルブレード切断と比較して高速な切断が可能です。

TAKADA超音波カッティング装置の特長
両端支持構造スピンドルと特殊ブレードホーン
TAKADA超音波カッティング装置は、加工負荷によるたわみが極めて小さい、独自の「両端支持構造」を採用しています。これによりブレード姿勢が常に安定するため、チッピングの発生を抑制し、高速で高精度な切断が可能です。他社製の装置で採用されている片支持構造と比較して、安定した加工品質を実現します。

超音波と独自スピンドルによる高速・高品質切断
TAKADA独自のスピンドル機構と、超音波アシスト技術の組み合わせが、高速・高品質切断を実現します。高剛性な両端支持構造が、超音波の振動エネルギーをロスなく効率的にワークへ伝達します。
ドライブレコーダー機能標準搭載
装置の稼働状況を動画で記録するドライブレコーダー機能を標準搭載しています。トラブル発生時は、稼働状態などを記録したデータから、迅速な原因究明と早期復旧に貢献します。
仕様(概要)

ワークの搬送、切断、洗浄を自動で行うフルオートタイプの量産機です。
6インチと8インチのリングフレームに対応しており、搬送ラインの最適化によりタクトタイムを30%短縮(※当社比)し、高い生産性を実現します。
| 形式 | CSX501 |
|---|---|
| 対応リングフレームサイズ | 6,8インチ切替 |
| ワーク搬送機構 | オート |
| 寸法 | W1,200×D1,320×H1,850mm |
| 重量 | 約1,900kg |
オプション
ブレードツルア機能
摩耗したブレードの先端を装置上で削り、形状を整える機能です。これにより初期の切断形状を維持することができ、加工寸法が安定し、チップ欠けの低減につながります。ブレードの寿命を最大限に活用し、安定した品質を維持することに貢献します。

バリ取りJET洗浄機能
超音波切断によるバリ低減に加え、高圧JET洗浄でワーク表面の金属バリを除去する機能です。洗浄テーブルを回転させ、揺動するノズルから高圧JETを吐出して洗浄することで、金属・樹脂を含む製品のバリを効果的に除去します。
超音波切断により形成される、薄く・除去しやすいバリの特性により、高圧JET洗浄による効率的な除去が可能となります。この超音波切断と高圧JET洗浄の相乗効果により、ノーマル切断と比較して、製品の仕上がり精度と品質の安定性が向上します。
遠隔監視機能
お客様や当社が遠隔で装置の稼働データを確認できるオプション機能です。トラブル原因を早期に把握し、稼働停止時間の短縮に貢献します。稼働データのトラッキングにより、予知保全にも繋げることが可能です。
その他オプション
お客様の多様なニーズに応えるため、各種オプションをご用意しています。切断や洗浄によるワークの帯電を防ぐ「イオナイザー」、洗浄後にUVテープへUVを照射する「UVユニット」、Wi-Fi経由でタブレット端末から装置のタッチパネル操作を行える「タブレット操作」など、生産性の向上や作業の効率化に貢献する機能を選択いただけます。
サポート体制
テクニカルセンター
福岡県のテクニカルセンターにて、装置のデモンストレーションが可能です。実際の加工品質や装置の動作を直接ご確認いただくことができます。見学は随時受け付けております。

TAKADAテクニカルセンターの提供機能
● デモンストレーションを行うショールーム機能
● プロセス開発機能
● 装置の操作やメンテナンスを修得する
トレーニング機能
サンプルテスト
お客様がご使用のワークでの無料サンプルカットを随時受け付けております。SiC、PZT、AIN、水晶、石英、樹脂など、様々な基板材料のダイシングに対応可能です。最適な加工条件をご提案し、導入前に品質や効果をご確認いただけますので、お気軽にご相談ください。
TAKADAについて
事業内容
1940年創業、プラント事業で培った高い技術力を基盤に、超音波カッティング装置をはじめとする各種産業装置の開発・製造・販売を行っています。お客様の生産性向上と高付加価値化に貢献することを目指し、半導体製造装置や設備診断システムなど、多岐にわたる事業を展開しています。

TAKADAの強み
プラントエンジニアリングを祖業とする当社は、設計・製作・建設・メンテナンスまでの一貫施工を手掛けてきました。この経験で培った「一貫責任施工」体制と、トップレベルの「高度な溶接技術」は、現在の装置事業においても大きな強みとなっています。
会社概要

| 所在地 | 〒806-8567 福岡県北九州市八幡西区築地町1番1号 |
|---|---|
| 創業年月 | 1940年9月 |
| URL | https://www.takada.co.jp/ |