メタルリフトオフにおけるバリのない配線形成のための枚葉式ウェット処理装置
多彩な物理アシストで側壁メタルを除去し実現する、バリのない高品質な配線パターン
課題
エッチングが難しい金属の配線形成では、リフトオフ時にレジストの側壁のメタルがバリとして残りやすくなります。
解決策
多彩な物理アシストノズルを成膜方法に応じて選定し、側壁メタルやバリを確実に除去します。
期待効果
バリのない綺麗な配線パターンの形成と、リフトオフ時に発生する金属クズ再付着の抑制による歩留まり向上が期待できます。
メタルリフトオフによる配線パターン形成
メタルリフトオフは、エッチングによる加工が難しい金属で配線パターンを形成する工程です。ウェハ上にレジストを逆テーパー状にパターニングし、その上から全面に金属を成膜したうえで、下地のレジストを有機溶剤で溶かして不要な金属ごと除去することで、必要な配線パターンだけを残します。
一例としては、金は電気抵抗が低く電極材料として優れる一方で、反応性イオンエッチング(RIE)で使用されるハロゲン系ガスなどとの反応性が低く、RIEによる加工が難しいため、金電極を用いる光デバイスなどでリフトオフが広く用いられます。
金属配線形成における課題
側壁に残るメタルのバリ・ヒゲ
レジストを溶かすだけのリフトオフでは、レジストの側壁に付着した金属が残りやすく、ヒゲやバリと呼ばれる残留物となります。これらが配線上に残ったり、剥がれてウェハに再付着したりすると、配線の品質低下や欠陥、電気的特性不良、更には信頼性低下の原因となります。
成膜方法によるリフトオフの難しさ
スパッタは蒸着に比べ、レジスト側壁にも金属が回り込んで膜がつながりやすく、レジストを溶かすだけではバリが残りやすくなります。大口径ウェハで面内均一性を確保するためにスパッタが用いられる場面では、リフトオフの難易度がさらに高まります。
枚葉式ウェット処理装置 TWPシリーズによる解決
物理アシストによる側壁メタルの除去
枚葉式ウェット処理装置 TWPシリーズは、薬液による化学反応に加えて物理的なアシストを組み合わせることで、側壁に残るメタルを確実に除去します。数MPaから十数MPaの圧力で薬液を噴射する高圧ジェットは、強い打力で側壁の金属やバリを剥離液とともに洗い流します。
ブラシスクラブ、超音波シャワー、2流体ジェット、高圧ジェットなど作用の異なる5種のノズルから、デバイスの特性と求める除去性能に応じて2種類から3種類を選定し、最適な剥離プロセスを構築します。剥離液はお客様が使用している薬液をそのまま利用できるため、既存のプロセスを大きく変えずに適用できます。
成膜方法に応じたノズル選定
成膜方法によって最適なアプローチは異なります。蒸着で成膜した場合は段差部の金属膜が薄く弱いため、金属膜へのダメージ軽減を加味してノズル選定を行います。
一方、スパッタで成膜した場合は、側壁でつながったメタル薄膜を打力の強いノズルを用いて破壊し、バリのない形状に仕上げます。これにより、リフトオフが難しいとされるスパッタ成膜にも対応できます。
メタルリフトオフ(蒸着後)工程
メタルリフトオフ(スパッタ後)工程
金属クズの再付着を防ぐ独自機構
リフトオフで剥がれた金属クズは、チャンバー壁に固着するとウェハへの再付着による品質低下の原因となります。TWPシリーズは、チャンバー壁面に薬液で液膜を形成するシャワーリング機能により、飛散する金属クズを壁に固着させずシンクへ洗い流します。
シンク下部のメッシュで金属クズを回収でき、工具を使わずに主要部品を取り外せる設計のため、チャンバー洗浄を短時間で完了できます。さらに、高速回転するウェハ中央部の乾燥と再汚染を防ぐ追いリンスノズルと、ジェットの打力を最大限に届けるスポットブローノズルという特許取得済みの機構を備えます。
TWPシリーズ活用による期待効果
バリのない綺麗な配線パターン
物理アシストによりレジスト側壁のメタルやバリまで確実に除去することで、ヒゲやバリのない綺麗な配線パターンの形成が期待できます。蒸着・スパッタいずれの成膜方法にも対応できるため、成膜条件の制約を受けにくいリフトオフが見込まれます。
金属クズ再付着の抑制による歩留まり向上
シャワーリング機能により、剥がれた金属クズのウェハへの再付着を抑えられます。欠陥要因となる再付着が抑制されることで、リフトオフ工程での歩留まり向上につながります。
メンテナンス性とランニングコストの改善
工具を使わずに金属クズを回収できる設計により、チャンバー洗浄にかかる時間を抑え、量産稼働への早期復帰が期待できます。また、酸系薬液の約10倍のコストとされる有機溶剤を回収・濾過して再利用する循環システムにより、薬液消費量の抑制とランニングコストの低減が見込まれます。
関連製品・サービス
高田工業所の枚葉式ウェット処理装置 TWPシリーズ
株式会社高田工業所(以下、TAKADA)の枚葉式ウェット処理装置「TWPシリーズ」は、有機溶剤を用いたレジスト剥離やリフトオフ工程を得意とするウェット処理装置です。特に、MEMS、パワーデバイス、高周波デバイス、光デバイスといった分野で、高難易度のレジスト剥離や残留物(ポリマーやフェンスなどの反応生成物)除去に対応。
薬液処理から乾燥までを1台で完結させる独自の方式と、お客様の課題に寄り添う提案力・サポート体制で、高品質な生産、コストダウン、高い安全性に貢献します。