メタル配線を傷めないレジスト剥離のための枚葉式ウェット処理装置
酸系やドライ処理が使えない工程での、メタル配線を傷めないレジスト剥離
課題
メタル配線を形成した後の工程では酸系薬液が使えず、レジストの除去が難しくなります。
解決策
有機溶剤と多彩な物理アシストにより、メタル配線を傷めずにレジストを剥離します。
期待効果
酸が使えない工程でも取り残しを抑えて剥離でき、品質と歩留まりの向上が期待できます。
メタル配線形成後のレジスト剥離
レジスト剥離は、半導体やプリント基板の製造工程で、パターン形成のマスクとして使ったレジスト(感光性の有機膜)を、役割を終えた後に取り除く工程です。成膜してレジストをパターニングし、それをマスクとしてエッチングや成膜を行ったのち、不要になったレジストを除去します。
本用途で対象となるのは、アルミや金などのメタル配線を形成した後の中間工程・後工程でのレジスト除去です。MEMSやパワーデバイス、高周波デバイス、光デバイスといった分野で、こうした工程が数多く存在します。枚葉式ウェット処理装置は、有機溶剤を用いてこのレジスト剥離をウェハ1枚ずつ処理する装置として活用されています。
メタル配線形成後のレジスト除去における課題
酸系薬液が使えない制約
レジスト除去には、硫酸と過酸化水素を混ぜた酸系薬液(SPM)が広く用いられます。しかし、アルミや金などのメタル配線を形成した後にこの酸系薬液を用いると、配線の金属まで溶けてしまうため、メタル配線形成後の工程では酸系薬液を使えないという制約があります。
固化したレジストの除去
エッチングなどの処理を経たレジストは、強固に密着し固くなっていることがあります。こうしたレジストは、薬液をかける化学反応だけでは取り除きにくく、除去に時間がかかったり、取り残しが生じたりすることが課題となります。
枚葉式ウェット処理装置 TWPシリーズによる解決
酸を使わない有機溶剤での剥離
枚葉式ウェット処理装置 TWPシリーズは、酸系薬液を使わず、有機溶剤を用いてレジストを剥離します。有機溶剤はメタル配線を溶かさないため、アルミや金の配線を形成した後の工程でも、配線を傷めることなくレジストを除去できます。
剥離に使う薬液は、お客様が現在使用している剥離液をそのまま用いる仕様です。新たに薬液の評価や切り替えを行う必要がなく、既存の工程に合わせた処理が可能です。
物理アシストによる剥離性の向上
薬液をかけて化学反応で溶かすだけでは、固化したレジストや密着の強いレジストは取りきれない場合があります。TWPシリーズは、薬液の塗布に加えて、薬液に超音波振動を与えて浸透性を高める超音波シャワー、気体と薬液を混ぜて流速を上げる2流体ジェット、数MPaから十数MPaの圧力で薬液を噴射する高圧ジェットといった物理的なアシストを組み合わせ、剥離性を高めます。
これらのノズルは除去性能とウェハへのダメージがトレードオフの関係にあるため、実際の処理評価を通じてお客様のデバイスに適したノズルを複数選定し、最適な剥離プロセスを構築します。
リンス・乾燥まで1チャンバーで完結
TWPシリーズは、薬液による剥離からリンス、乾燥までの全工程を1つのチャンバー内で完結させる方式を採用しています。一般的な装置では有機溶剤と水の混合による悪影響を避けるためにチャンバーを分けることがありますが、本方式では有機溶剤と水とを効率よく分離回収しつつ1チャンバー内で一連の処理を連続して行うため、チャンバー間でウェハを搬送する必要がありません。これにより、工程間での異物の混入リスクを抑え、高品質な処理につなげます。
TWPシリーズ活用による期待効果
酸が使えない工程でのレジスト除去
アルミや金のメタル配線を形成した後の中間工程・後工程など、酸系薬液を使えない場面でも、有機溶剤による剥離でレジストを除去できます。配線を傷めずに処理できるため、これまで除去方法が限られていた工程でも対応の幅が広がることが期待できます。
品質と歩留まりの向上
物理アシストとノズルの選定により、固化したレジストや密着の強いレジストも取り残しを抑えて除去でき、1チャンバー完結方式が異物の混入を抑えます。これらにより、メタル配線形成後の工程でレジストを確実に取り除き、品質と歩留まりの向上が期待できます。
有機溶剤のコスト抑制
有機溶剤は、一般に酸系薬液の約10倍のコストがかかる貴重な薬液です。TWPシリーズは、使用した薬液を回収し、ろ過・温調を行ったうえで再利用する循環システムを標準で搭載しています。高価な有機溶剤の使用量を抑え、ランニングコストの低減と環境負荷の低減につながることが期待できます。
関連製品・サービス
高田工業所の枚葉式ウェット処理装置 TWPシリーズ
株式会社高田工業所(以下、TAKADA)の枚葉式ウェット処理装置「TWPシリーズ」は、有機溶剤を用いたレジスト剥離やリフトオフ工程を得意とするウェット処理装置です。特に、MEMS、パワーデバイス、高周波デバイス、光デバイスといった分野で、高難易度のレジスト剥離や残留物(ポリマーやフェンスなどの反応生成物)除去に対応。
薬液処理から乾燥までを1台で完結させる独自の方式と、お客様の課題に寄り添う提案力・サポート体制で、高品質な生産、コストダウン、高い安全性に貢献します。