フィルム製造ラインにおける温調ロール長寿命化のためのスケール除去剤の活用
温調水の代わりに薬液を流すだけでロール内部のスケールを除去する、高額部品の長寿命化メンテナンス
フィルム製造ラインの温調ロール内部に蓄積するスケールの除去用途を紹介します。選択的洗浄技術を用いたスケール除去剤により、母材を傷めず温調水の経路への薬液循環で対応でき、高額なロールの長寿命化と保守の短時間化が期待できます。

長瀬産業は、1832年京都で創業した化学系専門商社です。 世界的に優良な製品を日本国内で独占的に輸入販売する総代理店権を有し、そこで培った技術力・情報力・海外ネットワークを活かし、製造・加工、研究開発機能の強化を図りながら、事業構造の転換を果たしてきました。 創業200周年となる2032年、さらにその先に向けて、「人々が快適に暮らせる安心・安全で温もりある社会の実現」を追求してまいります。
課題
ロール内部の温調配管にスケールが蓄積し、物理的な除去には限界があるため高額なロール交換に頼りがちです。
解決策
スケールのみを溶かす選択的洗浄技術で母材を傷めず、温調水の経路に薬液を循環させて洗浄します。
期待効果
ロール内部を分解せず短時間で洗浄でき、高額なロールの長寿命化と保守の内製化が期待できます。
フィルム温調ロール内部のスケール除去
フィルム製造ラインでは、溶融させた原料を複数本のローラーで挟み、温度を調節しながら薄く延ばして製膜します。これらのローラーの内部には温調用の配管が張り巡らされており、加圧された100℃以上の温水を循環させることで、フィルムの温度を一定に保ちます。
樹脂フィルムでも金属フィルムでも、ロール内部に水を通して温度を調節するという基本構造は共通です。一方で、温調水を循環させ続ける以上、配管の内部には水由来のスケール(付着物)が少しずつ蓄積していきます。
とくに温度管理が製品品質に直結するフィルムの製造ラインでは、ロール内部のスケールをいかに取り除き、安定した温度環境を保つかが重要な工程テーマとなります。樹脂フィルムでは光学フィルムなどがその代表例です。本ページでは、ロール内部を分解することなく、温調配管の内部に薬液を流してスケールを除去する用途を紹介します。
温調ロールの維持管理における課題
温調配管のスケールによる温度ムラ
ロール内部の温調配管にスケールが蓄積すると、温調効果が失われ、ローラー表面の温度にムラが生じます。温度管理が製品品質に直結する高機能フィルムでは、こうした温度のばらつきが品質低下の要因となります。
物理除去とロール交換の負担
温調配管内部のスケールは物理的に届く範囲しか除去できず、定期的なメンテナンスでも対処に限界があります。蓄積が進むとロール本体を交換する対応がとられますが、ロールは高額な部品であり、交換にはコストと製造ラインの停止時間を要します。
選択的洗浄薬液 スケール除去剤による解決
スケールのみを溶解する選択的洗浄
ナガセケムテックスのスケール除去剤は、半導体・液晶ディスプレイの製造工程で培われたナノレベルの選択的洗浄技術をベースにしています。これは、対象となるスケールは溶かして除去しながら、ローラーの母材には影響を与えないように配合された技術です。
シリカスケールの洗浄性を確認した試験では、フッ酸(HF)10%水溶液で母材の腐食速度が5,000以上(mg/dm²・day)に達するのに対し、本製品は50未満にとどまり、母材へのダメージを大きく抑えられます。スケール自体は十分に溶解・除去できることも確認されており、高い洗浄性と母材の低ダメージを両立しています。
温調水の経路を使った薬液循環洗浄
提案する洗浄方法は、ロールに元から備わっている温調水の循環ライン(入口から出口へ水を流す経路)を利用します。この経路に温調水の代わりにスケール除去剤を流し、ポンプで循環させることでスケールを溶解・除去します。
本製品は消防法上の非危険物かつ非毒劇物で、塩酸・フッ酸・リン酸を使用しない設計が可能です。ロールの内部を分解する必要はなく、温調水の経路にそのまま薬液を流すだけで、内部配管のスケールを除去できます。
各種母材への低ダメージ性
スケール除去剤は、各種の金属・樹脂材料に対するアタック性が低く抑えられています。ステンレス(SUS304/SUS316)や鋼材(SS400)は溶解速度が0.01μm/hr前後(測定限界下限前後)、黄銅(C3604)も0.01μm/hr未満であり、ポリプロピレン(PP)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム(FKM)などの樹脂・ゴム材料も重量変化が0.1%/day未満にとどまります。
樹脂フィルム・金属フィルムのいずれのロールでも、ラインに使われる多様な材料を傷めずに洗浄できる点が、選択的洗浄技術の強みです。
スケール除去剤活用による期待効果
ロールの長寿命化
母材を傷めずにスケールを除去できるため、蓄積が限界に達する前に繰り返し洗浄でき、高額なロールを交換せずに使い続けられる見込みです。設備寿命の延長とライフサイクルコストの低減につながります。
メンテナンスの短時間化と内製化
外部に依頼して数週間を要していたメンテナンスを、温調水の経路を使った薬液循環による1から2時間程度の洗浄に置き換えられる見込みです。ロール内部の分解や物理的な除去作業が不要なため、メンテナンス作業の短時間化と保守の内製化が期待できます。
安定した温度管理による品質維持
温調配管内部のスケールを除去することで温調効果が回復し、ローラー表面の温度ムラの抑制が見込まれます。温度管理が品質に直結する高機能フィルムの製造において、安定した品質の維持に寄与します。
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長瀬産業について

長瀬産業は、1832年京都で創業した化学系専門商社です。
世界的に優良な製品を日本国内で独占的に輸入販売する総代理店権を有し、そこで培った技術力・情報力・海外ネットワークを活かし、製造・加工、研究開発機能の強化を図りながら、事業構造の転換を果たしてきました。
創業200周年となる2032年、さらにその先に向けて、「人々が快適に暮らせる安心・安全で温もりある社会の実現」を追求してまいります。
| 名称 | 長瀬産業株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 〒100-8142 東京都千代田区大手町二丁目6番4号常盤橋タワー |
| URL | https://www.nagase.co.jp/ |


