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断面試料作製装置 | メーカー(販売企業)・製品一覧及び選び方
断面試料作製装置は、観察したい対象を切断し、その断面を顕微鏡で見られる状態に仕上げる装置です。電子顕微鏡や光学顕微鏡で内部を確かめるには、狙った位置で断面を出し、傷や変形の少ない面に整える必要があります。切断、樹脂への埋め込み、研磨、イオンビームによる仕上げといった工程ごとに、専用の装置が使われます。
本ページでは、断面試料作製装置を提供するメーカーや関連製品を掲載しています。また、断面試料作製装置の基本的な役割から種類ごとの特徴、主な用途、選び方、使うときの注意点などを解説します。
断面試料作製装置の選び方
試料の材質と硬さ:硬い材料と軟らかい材料が組み合わさった対象は、刃や研磨材による加工で段差が生まれやすくなります。材質の組み合わせから、機械的に削る装置とイオンビームで削る装置のどちらが合うかを見ます。
断面を出す位置の精度と試料の大きさ:狙いを外すと作り直しになるため、位置を決める仕組みを確かめます。広い面積の断面が必要か、微小な一点でよいかによっても装置が分かれます。
求める断面の品質と観察倍率:どこまで細かく見たいかで、必要な仕上げ工程が決まります。低い倍率で層の並びを確かめるのか、高い倍率で微細な構造まで見るのかを先に決めます。
処理する本数と時間:イオンビームを使う加工は、1試料あたりの時間が長くなります。検査点数が多い工程では、短時間で仕上げられる方式が全体の流れに合う場合があります。
作業者による仕上がりの差:手作業に頼る工程は、熟練度で結果が変わります。押し付ける力や時間を自動で管理できる装置は、担当者が替わっても近い断面を作りやすくなります。
断面試料作製装置の関連アプリケーション
複合材の断面観察における試料作製を効率化する断面試料作製装置(超音波アシスト切断)
硬軟混在の複合材を樹脂包埋なしで一度に切断する断面試料作製の効率化
スマートフォンやカメラモジュールなど複合材の断面観察に向けた試料作製に、断面試料作製装置(超音波アシスト切断)を活用する事例をご紹介します。樹脂包埋や熟練の研磨を抑え、硬軟混在の材料も一度で高品位に切断でき、解析の効率化が期待できます。
各種基板の断面観察で狙った位置での切断を実現する断面試料作製装置(超音波アシスト切断)
貴重な試料を無駄にせず、狙った位置を正確に切り出す断面試料作製の実現
BGAバンプなど各種基板の断面観察に向けた試料作製に、断面試料作製装置(超音波アシスト切断)を活用する事例をご紹介します。高精度なスピンドル機構とスケルトンカット®により、貴重な試料を無駄にせず、観察対象となる界面を正確に捉えられます。
微小部品の断面観察における試料作製の標準化を実現する断面試料作製装置(超音波アシスト切断)
手作業での研磨が難しい微小部品でも、変形なく綺麗な断面を得られる試料作製の実現
手作業での研磨が難しいチップコンデンサ(MLCC)やインダクタなど微小部品の断面観察に向けた試料作製に、断面試料作製装置(超音波アシスト切断)を活用する用途を解説します。変形のない鮮明な断面と、断面出し作業の標準化や工数削減が期待できます。
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断面試料作製装置とは
断面試料作製装置は、観察や分析の対象から断面を取り出し、顕微鏡で見られる状態に整える装置の総称です。製品や材料の内部で何が起きているかは外から見えないため、断面を出して直接確かめる方法が広く使われています。
断面を出す作業は、切断、樹脂への埋め込み、研磨、仕上げといった複数の工程に分かれます。工程ごとに装置が分かれており、対象と目的に応じて組み合わせて使います。
断面の仕上がりは、観察の結果そのものを左右します。例えば研磨でついた傷が残っていると、材料そのものの欠陥と見分けがつかなくなるため、断面をどこまで整えるかが重要になります。
断面試料作製装置の種類
断面試料作製装置は、担当する工程と加工の原理によって分かれます。ここでは代表的なものを挙げます。
精密切断機
回転する薄い刃で試料を切り出す装置です。金属、樹脂、セラミックスなど幅広い材料に使え、断面作製の最初の工程を担います。切断時の発熱や変形を抑えるため、低速で回しながら冷却液をかける方式が一般的です。
超音波振動を利用した切断装置
刃に高い周波数の振動を加えながら切断する装置です。振動によって切りくずが排出されやすくなり、刃の目詰まりや試料を押し込む力を抑えられます。硬さの違う材料が組み合わさった対象や、力をかけると変形しやすい対象の切断に向いています。
樹脂埋込装置
切り出した試料を樹脂に埋めて固める装置です。小さな部品や薄い試料はそのままでは研磨できないため、樹脂で固定して扱いやすい大きさと形にします。粉末の樹脂を熱と圧力で固める方式と、液状の樹脂を常温で硬化させる方式があります。
研磨装置
研磨紙や研磨布に試料を押し当て、断面を平らに磨く装置です。粗い研磨から細かい研磨へ段階的に進め、最後は鏡のような面に仕上げます。複数の試料を同じ力と時間で回せる自動式は、仕上がりのばらつきを抑えられます。
イオンミリング装置
広げたアルゴンイオンのビームを当て、試料の表面を少しずつ削り取る装置です。刃や研磨材が触れないため、機械的な加工で生じる傷や変形の少ない断面が得られます。硬い材料と軟らかい材料が混ざった対象でも段差が付きにくく、高い倍率での観察に向いています。
集束イオンビーム装置
細く絞ったイオンビームで、狙った微小な箇所だけを削る装置です。加工しながら位置を確かめられるため、小さな対象の中の一点を選んで断面を出せます。透過電子顕微鏡で見るための薄い試料を切り出す用途にも使われます。
ミクロトーム
鋭い刃で試料を薄く削り取る装置です。樹脂やゴムのように軟らかい対象に使われ、削った面をそのまま観察できます。刃が沈み込むほど軟らかい試料は、液体窒素などで冷やして硬くしてから削ります。
断面試料作製装置の用途
断面試料作製装置は、製品や材料の内部を確かめる必要がある場面で使われます。業種や目的はさまざまで、品質保証、不具合の原因調査、研究開発のいずれでも使われています。
電子部品・実装基板の内部構造の確認
はんだ接合部の割れや空洞、部品の内部配線の状態など、外からは見えない部分を断面で確かめます。不具合が起きたときの原因調査に加え、量産に入る前の作り込みの確認にも使われます。
めっき・表面処理の膜厚の確認
めっきや塗装の厚みは、断面を出して顕微鏡で測る方法が用いられます。非破壊で測る方法と併用し、基準になる値を断面観察で確かめる進め方もあります。
金属材料の組織観察と接合部の評価
金属の結晶の大きさや熱処理の入り具合は、断面を研磨してから薬品で処理し、顕微鏡で観察します。溶接部やろう付け部では、内部に空洞や割れがないかを断面で確認します。
二次電池や積層材料の内部の評価
電極や積層フィルムのように層が重なった構造では、層ごとの厚みや境界の状態を断面で確かめます。水分や空気に触れると変質する材料もあるため、加工中に環境を保てるかどうかも関わってきます。
樹脂・ゴム・複合材料の内部観察
充填材(強度や性質を調整するために混ぜる粉や繊維)がどのように分散しているか、繊維と樹脂の境界がどうなっているかを断面で確かめます。軟らかい材料は切断や研磨で伸びたり流れたりしやすいため、冷やしてから加工する方法が使われます。
断面試料作製装置の選び方
断面試料作製装置は、対象と観察の目的によって選ぶ装置が変わります。次の観点で見ていきます。
試料の材質と硬さ
硬い材料と軟らかい材料が組み合わさった対象では、機械的に削ると軟らかい側が多く削れて段差になります。金属だけのように材質がそろった対象なら機械的な加工で足り、材質が混ざるほどイオンビームによる仕上げの必要性が高まります。
断面を出す位置の精度と試料の大きさ
見たい箇所が決まっている場合は、そこを外さずに切る仕組みが要ります。広い面をまとめて見たいのか、小さな部品の中の一点を見たいのかで、適した装置は変わります。
求める断面の品質と観察倍率
光学顕微鏡で層の並びを確かめる程度なら、研磨までの工程で足ります。高い倍率で微細な構造を見る場合は、加工でついた傷や変形が観察の邪魔になるため、仕上げの工程を追加します。
処理する本数と時間
イオンビームによる加工は、試料1つあたりにかかる時間が長くなります。日々多くの点数を検査する工程では、切断と研磨で短時間に仕上げ、必要な試料だけ仕上げ工程に回す組み立て方もあります。
作業者による仕上がりの差
手作業の比重が大きい工程は、経験の差が断面の品質に出ます。切断の送り速度や研磨の押し付け力を数値で設定できる装置は、担当者が替わっても近い条件を再現しやすくなります。
断面試料作製装置を使うときの注意点
導入の検討では、装置そのものの性能に加えて、加工の影響と前後の工程を合わせて見ます。
加工で生じるダメージ
切断や研磨では、断面の表層に変形した層が残ったり、試料の端が削れて丸くなったりします。本来の構造と加工の痕跡を見分けられるよう、どの条件で加工したかを記録しておくと判断しやすくなります。
複数の工程を組み合わせる前提
1台の装置だけで断面観察までたどり着くことは多くありません。切断、埋め込み、研磨、仕上げという流れの中で役割が分かれるため、前後の工程に何を使うかも合わせて確かめます。
設置条件と消耗品
冷却水や排気設備が必要な装置、真空や液体窒素を使う装置があります。刃、研磨材、樹脂といった消耗品を継続して入手できるかどうかも、運用を続けるうえで確認する点です。
よくある質問
- イオンミリング装置と研磨装置はどう使い分けますか。
- 光学顕微鏡で見える範囲の確認であれば研磨装置までで足ります。高い倍率で微細な構造を見る場合や、硬さの違う材料が混ざる対象では、傷や段差の少ないイオンミリング装置が向いています。
- 集束イオンビーム装置とイオンミリング装置の違いは何ですか。
- 集束イオンビーム装置は細く絞ったビームで微小な一点を狙って加工します。イオンミリング装置は広げたビームで比較的広い面を一度に仕上げます。
- 切断装置だけを導入すれば断面観察はできますか。
- 対象と観察の目的によります。切断した面をそのまま見られる場合もありますが、顕微鏡で細部まで見るには、樹脂への埋め込みと研磨を続けるのが一般的です。
- 断面観察以外の用途はありますか。
- 断面を出す工程は、成分分析や硬さ試験の前処理としても使われます。同じ試料で観察と分析を続けて行う場面があります。
まとめ
- 断面試料作製装置は、対象を切断し断面を観察できる状態に仕上げる装置の総称である。
- 精密切断機、超音波振動を利用した切断装置、樹脂埋込装置、研磨装置、イオンミリング装置、集束イオンビーム装置、ミクロトームなどがあり、担当する工程と加工の原理が異なる。
- 電子部品の内部確認、めっき膜厚の確認、金属組織と接合部の評価、積層材料や樹脂材料の観察などに使われる。
- 試料の材質と硬さ、狙う位置の精度、求める断面の品質、処理する本数、作業者による差が選定の観点である。
- 加工で生じるダメージと前後の工程との組み合わせを踏まえて検討する必要がある。


