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ダイシング装置 | メーカー(販売企業)・製品一覧及び選び方
ダイシング装置は、半導体ウェーハや電子部品の基板を、回路や部品の区画ごとに切り分ける装置です。切り分けた一つずつの小片はダイ(チップ)と呼ばれ、パッケージに組み込まれて電子機器の部品になります。数十マイクロメートル単位の細い切りしろで、欠けや割れを抑えながら分割できることが特徴です。
本ページでは、ダイシング装置を提供するメーカーや関連製品を掲載しています。また、ダイシング装置の役割から加工方式ごとの特徴、対象となる材料と用途、選び方、導入時の注意点などを解説します。
ダイシング装置の選び方
加工方式:切る材料と許容できる欠けの大きさで決まります。厚みのある材料を幅広く切るなら回転する刃を使う方式、切りしろを細くしたい場合や接触による欠けを避けたい場合はレーザーを使う方式が候補になります。
対応する材料と厚み:シリコン、SiC(炭化ケイ素)、ガラス、セラミック、樹脂で封止した基板では硬さと脆さが異なります。切りたい材料と厚みでの加工実績を確認します。
対象物の形とサイズ:円形のウェーハか角形の基板か、テープに貼ってフレームで保持するか治具で吸着するかで、扱える装置が変わります。ウェーハでは直径200ミリメートルや300ミリメートルへの対応が目安になります。
加工精度と切断品質:位置決めの精度、切りしろの幅、切断面に出る欠けの大きさを見ます。これらが一枚から取れるチップの数と良品率を左右します。
生産性と自動化の範囲:搬入から切断、洗浄、乾燥、収納までを自動で行うか、刃を回す軸が一本か二本かで処理量が変わります。少量の試作か量産かで必要な範囲が変わります。
ダイシング装置の関連アプリケーション
SiCウェーハ(難削材)の切断における高速・高品質化に貢献するダイシング装置
超音波アシスト切断で実現する、硬くて脆いSiCウェーハの高速・高品質ダイシング
SiCパワーデバイスにおけるウェーハダイシングに、量産型超音波カッティング装置を活用する事例です。超音波アシスト切断と両端支持機構により、難削材のSiCでも切断品質を保ったまま高速化でき、ブレード寿命の延長による生産性向上が期待できます。
セラミックス基板の切断における高品質化に貢献するダイシング装置
超音波アシストにより、硬脆材のセラミックスを安定切断し、狭ピッチかつバリを抑えた高品質なダイシングを実現
窒化アルミニウムやアルミナなどセラミックス基板のダイシングで、量産型の超音波カッティング装置を活用する用途を解説します。超音波アシスト切断と両端支持機構で硬脆材を高品質に切断し、洗浄機能で切り屑やバリを抑えた狭ピッチ切断が期待できます。
ガラス基板(複合材)の高品質切断を実現するダイシング装置
レーザーでは難しい複合材のガラス基板を、クラックを抑えて高品質にダイシング
ガラスインターポーザーなど複合材のガラス基板の切断に、量産型超音波カッティング装置を活用する事例をご紹介します。レーザーやノーマルブレードでは難しい膜や樹脂を含む基板も、背割れやクラックを抑えて高品質に切断でき、生産性向上も期待できます。
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ダイシング装置とは
ダイシング装置は、半導体ウェーハや電子部品の基板を、回路や部品の区画ごとに切り分けて個片化する装置です。切り分けた一つずつの小片はダイ(チップ)と呼ばれ、この後の工程でパッケージに組み込まれます。
切り分ける位置には、あらかじめ回路を置かない細い帯(ストリート、切りしろ)が設けられています。装置はカメラでこの帯を読み取って位置を合わせてから切断します。位置がずれると回路そのものを傷つけるため、位置合わせの精度が装置の基本性能になります。
切断の方法には、回転する薄い刃で削る方法と、レーザーを使う方法があります。どちらの場合も対象の材料は硬くて脆いため、欠けや割れを出さずに切り離すことが共通の課題です。
似た加工にスクライブがあります。スクライブは表面に筋を付けて外力で割る方法で、削りくずが出ない代わりに割れる位置の制御が難しくなります。広い意味ではスクライブもダイシングに含めて呼ばれます。
ダイシング装置の種類
ダイシング装置は、材料をどのように切り離すかで分かれます。切る材料の硬さと脆さ、許容できる欠けの大きさ、必要な切りしろの幅によって、向く方式が変わります。
ブレードダイシング装置
ダイヤモンドの粒を固めた薄い刃(ブレード)を高速で回転させ、材料を削って切る方式です。シリコンウェーハから樹脂で封止した基板まで幅広い材料に使え、厚みのある材料も切れるため、広く使われています。
刃を冷やして削りくずを流すため、切断点へ純水を供給しながら加工します。刃が材料に触れて削る方式なので、切断面の縁に小さな欠けが出やすい点が弱みです。
レーザーダイシング装置
レーザー光を材料の表面に当て、溶かしたり蒸発させたりして溝を作る方式です。刃が触れないので材料に力がかからず、切りしろを細くできます。硬い材料にも対応しやすく、狭い間隔で並んだチップの切り分けに向きます。
一方で熱が加わるため、切断面の変質や、飛び散った削りかすの付着への対策が必要になります。
内部集光方式のレーザーダイシング装置
材料を透過する波長のレーザーを内部に集め、割れやすい層を先に作っておく方式です。その後にテープを引き伸ばすなどの外力を加えて分割します。
材料を削り取らないので削りくずが出ず、水を使わない乾いた工程にできます。薄いウェーハや、加工の力に弱い構造を持つ材料の分割に向いています。
プラズマダイシング装置
真空の中でガスを反応させ、材料を化学的に削って分割する方式です。刃やレーザーのように一本ずつ切るのではなく、覆いのない部分をまとめて加工します。
切りしろを細くでき、四角以外の形のチップも作れます。その分、装置と前工程の準備は大がかりになります。
超音波振動を併用するブレードダイシング装置
回転する刃に超音波の振動を加えながら切る方式です。振動によって刃と材料が触れ続けない状態が生まれ、加工にかかる力が下がります。
刃の目詰まりが起きにくく冷却も届きやすいため、SiC(炭化ケイ素)やガラス、セラミックのような硬くて脆い材料で、切断の速さと切断面の品質を両立しやすくなります。
ダイシング装置の用途
ダイシング装置は半導体の製造工程で使われるほか、材料を細かく切り分ける必要がある電子部品や光学部品の製造でも使われています。
半導体チップの個片化
回路を作り終えたウェーハを、一つずつのチップに切り分ける工程で使います。スマートフォンやパソコン、車載機器に載る半導体は、この工程を経て部品の形になります。
電子部品パッケージの個片化
複数の部品をまとめて作った基板を、製品一つずつに切り分ける工程でも使います。例えば端子が裏面にあるパッケージでは、金属を含む材料を切るため、ばり(切断時に残る余分な出っ張り)を出さずに切ることが求められます。
MEMS・センサーの分割
MEMS(微細な機械構造と電子回路を一体で作った素子)のように可動部や空洞を持つ構造では、切断時の力や水分が構造を壊すことがあります。そのため、力をかけない方式や乾いた工程を選べることが利点になります。
ガラス・セラミック・サファイアの切断
イメージセンサーを覆うガラス、高周波の通信部品に使うセラミック基板、発光素子の土台になるサファイアなども切り分けの対象です。いずれも硬くて脆く、欠けを抑える加工条件が要ります。
試作や研究開発での小ロット加工
新しい材料や構造を試す段階でも使われます。公設の試験研究機関などが装置を備えており、少量の切断を外部に委託する使い方もあります。
ダイシング装置の選び方
装置は、切りたいものと求める品質、必要な生産量から絞り込みます。次の五つの観点で比べると違いが見えます。
加工方式
切る材料と許容できる欠けの大きさで決まります。厚みのある材料を幅広く切るなら回転する刃を使う方式、切りしろを細くしたい場合や接触による欠けを避けたい場合はレーザーを使う方式が候補になります。硬くて脆い材料では、振動を併用して加工の力を下げる方式もあります。
対応する材料と厚み
同じ装置でも、材料が変われば刃や加工条件が変わります。シリコン、SiC、ガラス、セラミック、樹脂で封止した基板は硬さも脆さも異なるため、切りたい材料と厚みでの加工実績を確認します。
対象物の形とサイズ
円形のウェーハか角形の基板かで、保持の仕方と搬送の仕組みが変わります。ウェーハはテープに貼ってフレームで保持する形が一般的で、直径200ミリメートルや300ミリメートルへの対応が目安になります。角形の基板では吸着用の治具が必要になります。
加工精度と切断品質
位置決めの精度と切りしろの幅は、一枚から取れるチップの数に直結します。切断面に出る欠けの大きさは、チップの強度と良品率に影響します。カタログの数値だけでなく、自社の材料での試し切りで確かめると判断しやすくなります。
生産性と自動化の範囲
搬入から切断、洗浄、乾燥、収納までを自動で行う装置と、切断だけを行う装置があります。刃を回す軸を二本持ち、粗く切ってから仕上げる装置もあります。試作中心か量産かで、必要な自動化の範囲が変わります。
ダイシング装置の注意点
装置の性能だけでなく、日々の運用と設置の条件も導入の可否を左右します。検討の早い段階で次の点を整理しておくと、後戻りを減らせます。
切断面の欠けと割れ
硬くて脆い材料では、切断面の縁に欠け(チッピング)が出ます。欠けが大きいとチップの強度が下がるため、刃の選定と切断速度、切り込みの深さを調整して抑えます。一度で切らずに浅く切ってから切り離す方法も使われます。
消耗品と加工条件の管理
刃は加工とともに摩耗し、切れ味が落ちると材料にかかる力が増えて欠けが出やすくなります。摩耗の量を測る機能や、刃の状態を整える作業が装置ごとに用意されています。消耗品の費用と交換の手間は運用コストとして見込んでおきます。
切削水と排水、削りくずの処理
刃を使う方式では純水を供給しながら加工するため、給水と排水の経路が要ります。削りくずを含んだ排水は処理が必要で、切断後の洗浄と乾燥の工程も伴います。水を使わない方式ではこの負担が小さくなります。
設置環境とユーティリティ
微細な加工のため、振動の少ない床と安定した温度、清浄な環境が求められます。電源、圧縮空気、真空、給排水などの用意も必要です。工場の既存設備で足りるかを、装置の要求仕様と照らして確認します。
よくある質問
- ブレードを使う方式とレーザーを使う方式は、どちらを選べばよいですか。
- 厚みのある材料を幅広く切るならブレードを使う方式が扱いやすく、切りしろを細くしたい場合や接触による欠けを避けたい場合はレーザーを使う方式が向きます。材料と許容できる欠けの大きさで判断します。
- ダイシングとスクライブはどう違いますか。
- ダイシングは刃やレーザーで切り込みを入れて切り離す加工、スクライブは表面に筋を付けて外力で割る方法です。広い意味ではスクライブもダイシングに含めて呼ばれます。
- SiCやガラスのような硬くて脆い材料も切れますか。
- 切れますが、シリコンに比べて切断速度が落ちたり欠けが出やすくなったりします。振動を併用して加工の力を下げる方式や、レーザーを使う方式が選択肢になります。
- 半導体以外の用途でも使えますか。
- 使えます。電子部品のパッケージ基板、セラミック基板、ガラスや光学部品の切り分けにも使われます。材料に合わせて刃と加工条件を変えます。
- 装置を導入せず、外部に加工を委託することもできますか。
- できます。ダイシングの受託加工を行う企業や公設の試験研究機関があり、試作や少量の生産では委託、量産では自社導入と使い分ける方法があります。
まとめ
- ダイシング装置は、ウェーハや基板を回路や部品の区画ごとに切り分け、個片化する装置である
- 切り離す方法には、回転する刃で削る方式、レーザーで溝を作る方式、内部に割れやすい層を作る方式、ガスの反応で削る方式、刃に振動を併用する方式がある
- 用途は半導体チップの個片化のほか、電子部品パッケージ、MEMS、ガラスやセラミックなどの切断に広がる
- 選定では、加工方式、対応する材料と厚み、対象物の形とサイズ、加工精度と切断品質、生産性と自動化の範囲を比べる
- 運用では、切断面の欠け、消耗品と加工条件の管理、切削水と排水の処理、設置環境の確保が導入の前提になる


