DPC生産管理システム(以下、DPC)は、ニッコウプロセス株式会社が提供する協力工場向けの生産管理システムです。自動車メーカーのサプライヤーが日々直面する、内示と確定の変動管理や複数工程にまたがる在庫把握といった課題に対応するために開発されました。
受注情報の取込から生産計画、在庫管理、出荷までの一連の業務を工程ベースで一元管理し、工場全体の生産状況をリアルタイムに見える化します。
目次
DPCが選ばれる理由
進度板で工場全体を一目で把握
DPCの最大の特徴は、構成進度問い合わせ(進度板)と呼ばれる画面です。進度板では、工場内にあるすべての製品について、各工程の進捗状況と在庫数をリアルタイムに確認できます。
本日の日付を起点として、各工程で今後どの時点で在庫が不足するかが一目でわかります。たとえば、ある工程で数日後にマイナス(不足)が発生する見込みであれば、そのタイミングに合わせて加工を開始する判断ができます。逆に、余裕のある工程では他の作業にリソースを振り分けるといった工数配分の調整も可能です。
生産管理の担当者は、この画面1つで工場全体の製品の製作状況と在庫状況を把握でき、日々の生産判断に活用できます。

工程ベースの管理設計
多くの生産管理システムは、品目(品番)を単位として管理する設計になっています。一方、DPCは工程を単位として管理する設計を採用しています。
協力工場では、1つの製品に対して板金、切削、組立など複数の加工工程を経て完成品に仕上げます。この工程の流れに沿って進捗や在庫を追いかける仕組みが、協力工場特有の業務内容と高い親和性を持っています。
工程は任意に設定・階層化が可能です。たとえば、ある工程の下にさらに細かい工程を設けたり、外注先に依頼する工程を1つの工程として組み込んだりすることもできます。これにより、自社内の加工から外注先への委託まで、進度板上で一貫して管理できます。

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主要メーカーのEDI取込を標準装備
DPCは、自動車メーカーのEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)フォーマットの取込機能を標準装備しています。標準対応しているメーカーは、スズキ株式会社(SPIRITS)、本田技研工業株式会社(IMPACT-Ⅲ)、ヤマハ発動機株式会社(PYMAC-Ⅲ)です。
自動車メーカーからの受注情報は、期間内示、日別内示、確定と段階的に配信され、重複する期間の情報を正しく置き換えていく必要があります。DPCでは、この受注情報の置き換えを自動的に行う機能を実装しています。重複して取り込まれることや欠落を防ぐため、自動的に判断して置換を行い、常に最新の受注状況を維持することができます。
標準対応以外のEDIフォーマットについても、カスタマイズにて取込対応が可能です。多数の開発実績があります。
EDIデータ重複期間の事例

重複期間のDPCの対応
| <A> 確定→確定への 置換 |
注文番号(個々の情報が特定できる一意の値を持った番号)が同じもの同士を紐付して、新しい方の情報が残るよう置き換えを行います。 |
|---|---|
| <B> 内示→確定への 置換 |
確定情報の最終納期以前の内示情報を削除したうえで確定情報に置換します。 内示情報でも注文番号を保持している場合は、注文番号同士を紐付したうえで確定情報が残るように置き換えを行います。 |
| <C> 内示→内示への 置換 |
重複する期間分の旧内示情報を削除したうえで新しい内示情報に置換します。 内示情報に内示の確度を示す情報が含まれている場合は、確度の高い方の情報が残るよう勘案して置換えを行います。 |
自動発注

DPCには得意先からの「受注情報」を展開して、必要な部材の発注情報、必要な作業の製造指示情報*を自動的に作成するための機能が標準機能として実装されています。処理は以下のステップで実施されます。
*DPCでは「部材発注情報」「製造指示情報」を併せて「発注情報」と称します。
| 所要展開 | 受注情報を展開して、すべての構成品、すべての工程に対する「所要数」と「所要納期」を求め所要情報」を生成します。 |
|---|---|
| SN計画* | 所要情報」に対して「在庫」と「発注残」の引き当てを行い、賄いきれなかった分の情報から計画情報」(発注の候補)を生成します。 |
| 発注明細作成 | SN計画で生成された「計画情報」の中から実際に発注を行う情報の抽出を行い「仕入先に対する発注情報」、社内部門、外注先に対する製造指示情報」を生成します。 情報の抽出は 納期がどこまで迫ってから発注情報を生成するのか」を基準として実施します。 |
*弊社独自に開発した機能で、一般的な生産管理システムのMRP(資材総所要量計画)の機能に相当します。
弊社「進度表」の表示内容と親和性が高く、高速に計算が行える(弊社比)メリットを有しています。
計算ロジックの一部に追番管理(Sequential Numbering System)の考え方を取り入れていることからSN(Sequential Numbering)計画と命名しています。
(但し、追番管理を直接サポートする機能は含まれておりません。)
カスタマイズを抑えた導入
DPCは、協力工場で求められる機能をほぼ網羅しており、カスタマイズが比較的少ない状態で運用を開始できます。のべ160社以上の導入実績を通じて蓄積されたノウハウが、パッケージの完成度に反映されています。
導入時にカスタマイズが必要な場合も、帳票の出力形式の変更など、お客様の運用に合わせた調整が中心です。協力工場に特化したパッケージとして必要な機能が備わっているため、スクラッチ開発(ゼロからの個別開発)と比較して、導入コストを抑えることができます。
DPCの主な機能
DPCは、受注から生産計画、発注、受入、在庫管理、出荷、売上管理に至るまで、協力工場の基幹業務を一貫してカバーしています。

受注管理・EDI取込
自動車メーカーから配信されるEDIデータを取り込み、受注情報として管理します。
協力工場への受注情報は、期間内示、日別内示、日別確定と段階的に精度が上がりながら配信されます。DPCでは、新しい受注データを取り込むたびに、過去の内示情報を自動的に置き換え、常に最新の受注状態を維持します。受注入力、受注分解などの機能を備えています。
生産計画・発注管理
取り込んだ受注データと各品目・工程の在庫を照合し、材料の不足分や加工指示の計画を算出します。
所要展開により必要な材料・部品の数量を算出し、SN計画に基づいて生産の優先順位を判断します。不足材料の手配や搬入指示、外注先を含めた初工程への指示は、生産指示書として出力できます。発注入力、QR注文書兼納品書の発行にも対応しています。
在庫管理
品目、工程、場所の区分でリアルタイムに在庫を把握できます。完成品の在庫だけでなく、仕掛工程にある在庫や外注先に預けている在庫も管理対象に含まれます。
在庫問い合わせ、棚卸処理、在庫調整入力などの機能を備えており、工場全体の在庫状況を正確に把握できます。
出荷・売上管理
受注納期に基づき、得意先・納入先ごとの出荷指図を行います。出荷指示書の発行、出荷・売上入力、一括売上処理、受注残問い合わせなどの機能を備えています。
売上管理では、入金入力、請求書発行、売掛残高表、売上単価履歴表などを利用できます。また、売上予測機能を備えています。
協力工場での活用シーン
内示・確定の変動への対応
自動車メーカーからの受注は、納期が近づくにつれて期間内示から日別内示、日別確定へと段階的に変化し、数量も変動します。確定を待ってから生産を開始しては納期に間に合わないため、内示の段階で生産を始める必要がありますが、内示と確定の数量にギャップがあれば過剰生産や生産不足が発生します。
DPCでは、進度板上に内示と確定の情報が常に可視化されています。最新のEDIデータを取り込むたびに受注情報が自動更新されるため、変動が生じた場合にもいち早く対処が可能です。たとえば、確定数量が内示より減少した品目を進度板で確認し、生産ペースの調整や他品目へのリソース再配分を判断できます。
仕掛在庫の把握と適正化
協力工場では、完成品の在庫だけでなく、加工途中の仕掛工程にも多くの在庫が滞留しています。工程が長い製品では、途中の工程まで意図的に加工を進めておき、確定受注が入ってから残りの工程を仕上げるという運用も一般的です。
DPCの進度板は、末端の材料から完成品に至るまで、すべての工程間の在庫をリアルタイムに表示します。各工程にいくつの仕掛品があるか、作りかけのものも含めて把握できるため、どの工程で過剰生産が起きているか、どの工程で在庫が不足しそうかを早期に発見し、適正な在庫水準を維持できます。
外注工程の一元管理
協力工場では、一部の加工工程を外注先に委託するケースが多くあります。DPCでは、外注先に出した工程も進度板上で1つの工程として管理でき、外注先にあるはずの在庫も把握可能です。
外注への委託時には、QR注文書兼納品書を活用した運用フローに対応しています。各工程で納品書のQRコードを読み取ることで実績を登録でき、外注先との間の受け渡しも効率的に管理できます。自社内の工程と外注工程を同じ画面上で一元的に確認できるため、工場全体のものの流れを漏れなく把握できます。
導入の流れ
Step 01|現状ヒアリング
お客様の業務内容や現行システムの運用状況をヒアリングします。現状の問題点や要望事項があれば、あわせてお聞かせください。お客様の目的とご要望に応じた導入プランの検討を進めます。
Step 02|要件定義・提案
現在の運用方法とDPCを導入した場合の運用方法を比較し、ギャップの洗い出しを行います。ギャップに対して、カスタマイズで対応するか運用方法をシステムに合わせるかなど、対応方法を検討します。
一連の分析作業が完了した段階で、要件定義書を作成・提出します。要件定義書の内容にご同意いただけた段階で、システム提案書、工数見積り、開発スケジュールを提示します。
Step 03|開発・導入サポート
カスタマイズが必要な機能について、打ち合わせを行い詳細仕様を取り決めます。仕様確定後、詳細設計およびプログラムの開発を進めます。あわせて、システムの運用に必要なマスタ情報の準備作業を行います。
Step 04|並行運用・本番稼働
一定期間、現行システムとDPCの並行運用を実施します。DPCを使用した運用で問題がないと判断された時点で、本番稼働に移行します。
導入後は、リモートメンテナンス機能を活用した保守サポートを提供します。運用中に発生する親メーカーのシステム変更への対応なども、保守契約の中でサポートします。
ニッコウプロセス株式会社について
事業内容
ニッコウプロセス株式会社は、静岡県浜松市を拠点とする製造業ITシステム会社です。パッケージソフトウェアの開発・販売・保守、ソフトウェアの受託開発、サーバ・PCの販売・保守、ネットワーク構築など、情報システムに関するサービスをトータルで提供しています。
自動車産業の協力工場での生産管理から、飲食店向けクラウドサービスまで、幅広い業種でのシステム開発実績があります。主な自社製品として、協力工場向け生産管理システム「DPC」、生産状況管理システム「PCS」、外食向けクラウドサービス「まんぷく」、クラウド勤怠管理サービス「金メ鯛」を展開しています。ISO/IEC 27001(ISMS:情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得しており、情報セキュリティ体制の構築にも力を入れています。
グループ会社として弱電環境を担当する日興電気通信株式会社があり、ネットワークやインフラの構築面でも連携した対応が可能です。

会社概要

| 企業名 | ニッコウプロセス株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 〒433-8102 静岡県浜松市中央区大原町11番地 |
| 設立年月 | 1994年6月15日 |
| URL | https://n-process.jp/ |

