PV Oasisは、太陽光発電と蓄電池を直流(DC)のまま接続し、発電した電力を効率的に自家消費・蓄電できる再エネ蓄電システムです。カーボンニュートラルへの取り組みが求められる中、CO₂排出量削減と電気料金低減を両立できるシステムとして注目されています。
ニプロンは「グリーンパワーで直流の世界を拓く」をミッションに掲げる電源メーカーです。PV Oasisの導入により、太陽光発電の自家消費、余剰電力の蓄電、停電時のBCP対応を一台で実現できます。
目次
PV Oasisの特長
カーボンニュートラルの実現に向け、太陽光発電の導入が拡大しています。近年は、電気料金の高騰への対策や事業継続対策(BCP)の観点から、発電した電力を自ら使う「自家消費型」太陽光発電への関心が高まっています。
こうしたニーズに応えるニプロンのソリューションが、PVマキシマイザーと蓄電システムを組み合わせた、PV Oasisです。太陽光で発電した電力を効率よく蓄え、無駄なく活用することで、再生可能エネルギーの価値を最大限に引き出します。

DCリンク方式で変換ロスを削減
PV OasisとPVマキシマイザーを組み合わせたシステムは、太陽光発電と蓄電池を直流のまま接続する独自の直流制御技術=DC Link(ディーシー リンク)を採用しています。
一般的な蓄電システムは蓄電池の充放電を行うために直流→交流、交流→直流と電力変換が必要になり、変換に伴う損失が発生しています。一方、PV Oasisは太陽光発電と蓄電池を直流のまま接続しているため、一般的なシステムに比べて電力変換に伴う損失を削減することができます。

CO₂排出量削減と電気料金低減
太陽光発電の自家消費により買電量を削減し、電気料金を低減できます。また、火力発電に依存しない再エネ電力の活用により、CO₂排出量の削減にも貢献します。
ニプロンの自社工場「三重スマート夢工場」では、PV Oasisを導入し実証テストを重ねた結果、再エネ自給率76%(年間)を達成しています。これによりCO₂排出量を年間160トン削減することに成功しました。自社での実証データに基づいた確かな効果を提供します。
ピークカット(デマンド抑制)機能搭載
企業や工場などの高圧受電契約では、30分間のデマンド値(最大需要電力)によって基本料金が決まるため、この線を超えないように電力を管理することがコスト削減に直結します。
PV Oasisには、電力ピークを抑制するピークカット(デマンド抑制)機能を搭載しており、太陽光発電の余剰電力や深夜電力を蓄電池に充電し、電力ピークが発生した場合に蓄電池から自動で放電を行うことで、最大デマンドを抑制します。
デマンド「予測」ではなく「観測」による抑制のため、蓄電池容量がある限り、確実にデマンド抑制が可能です。
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| 30分ごとの使用電力量を観測し、予め設定した電力量「目標デマンド値」を超えそうになると、蓄電池から放電を行います。購入する電力量を目標値以下に抑え、基本料金の上昇を防ぎます。 | 30分の区切りの中で、電力使用量の予測値が「デマンド制御開始値」に達した時点で、蓄電池の放電を開始します。グラフの紫色の線が示す通り、蓄電池によるアシストで購入する電力量が抑えられ、最終的に「目標デマンド値」を超過するのを防ぎます。 |
系統非連系でも運用可能
PV Oasisは、一般的な系統連系だけでなく、非連系での自家消費システム構築にも対応しています。
非連系システムには以下のメリットがあります。
| 連系協議不要 | 既存の施設に導入する場合は、今の電力契約のままで電力会社との手続きや契約変更の必要はありません。 |
|---|---|
| キュービクル 改造不要 |
系統連系しないため連系用装置(RPR/OVGRなど)が不要になりキュービクルの改造が不要です。分電盤へのつなぎ込みだけでOKの場合もあり、工事費用や時間の削減が可能です。 |
| RPRの設置不要 | 非連系で独立したシステムのため、発電電力が消費電力を上回った場合でも、逆潮流が発生せずRPRを付ける必要はありません。RPRが動作することによる発電停止が無く、発電した電力をいつでも利用することができます。 |
| 小規模から 導入可能 |
段階的な導入が可能です。 |
停電時も電力供給(BCP対応)
PV Oasisは高速同期検出型MCDT(高速電源切替装置)を採用しており、停電発生時に瞬時(数ミリ秒)での電力切替が可能です。
一般的な太陽光発電システムでは停電時にパワコンが一度停止し、手動で自立運転モードに切り替える必要がありますが、PV Oasisは自立運転で動作しているため、停電が発生しても電力供給が途絶えず、太陽光発電と蓄電池から電気を供給することで、長時間の停電から生産活動を護ります。
災害時に停電しないシステムは、工場や病院、冷凍倉庫など事業継続が求められる施設のBCP対策として有効です。

製品ラインアップ
屋外設置タイプ
PV Oasisの屋外設置タイプは、設置場所や電力消費量に応じて小規模から大規模まで選択できます。断熱材をキュービクル内部の壁、天井、ドアに使用し、リチウムイオン電池の最適動作温度を維持する断熱構造を採用しています。蓄電池には高信頼の日本製リチウムイオン電池セルを採用しています。
| 小規模 タイプ |
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|---|---|---|
| 中規模 タイプ |
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| 大規模 タイプ |
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屋内設置タイプ
導入するPV Oasisの容量に対応する、下記のラックを組み合わせます。
| 蓄電池ラック | ![]() |
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|---|---|---|
| 充放電 コンバータラック |
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| 整流器ラック | ![]() |
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| 制御分電盤 ラック |
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| オールインワン タイプ PV Oasis |
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導入事例
三重スマート夢工場
三重スマート夢工場は、株式会社ニプロンの自社工場です。太陽光発電と蓄電池を組み合わせた自家消費システムを導入し、再エネ電力自給率の向上とCO₂の排出量削減に取り組んでいます。

異種パネルの組み合わせや直列枚数の不揃いがある中、PVマキシマイザーによるストリング単位のMPPT制御で発電量を最適化しています。
日中に発電した電気は工場内とEV充電で自家消費し、余剰電力を蓄電池に充電。夜間など発電ができない時間帯に放電することで、再エネ電力の最大活用を実現しています。
| 工場側(屋根上) | カーポート側 | |
|---|---|---|
| ストリング数 | 96ストリング | 24ストリング |
| PVマキシマイザー | 12台 | 3台 |
| 蓄電システム | 360kWh | 180kWh |
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電力自給自足オフィス
新たな省エネ先導モデル開発を目的として、電力会社に依存しない、再生可能エネルギーで消費電力を賄うことができる日本初の電力自給自足オフィス「大和ハウス佐賀ビル」に当社蓄電システムを導入していただきました。

電力会社からの買電に依存しない電力自立システム
太陽光発電・蓄電システムを交流に変換することなく、直流のまま電源盤へ接続し、商用電力も直流に変換して受電する仕組みを採用しています。これにより、商用電力に依存しない、独自性の高い電力システムを構築しています。このシステムの基幹部分には、ニプロンの「PV Oasis」が採用されています。
太陽光発電とリチウムイオン蓄電池は連携して動作しており、太陽光発電(83.2kW)で発電した電力をオフィスの照明や電気機器に供給します。そこで使い切れなかった余剰電力は、蓄電池(105kWh)に蓄えられます。発電量が消費電力を下回る場合は、蓄電池に蓄えた電力を自動で供給し、それでも不足する場合には商用電力を補助的に利用する仕組みです。
電力変換に伴う損失を約8%軽減
通常、太陽光発電で得られた直流電力は、いったん交流に変換され、蓄電池に充電する際に再び直流へ変換されます。さらに、電力を使用する際には再度交流へ変換されるなど、交流送電の利点を活かした方式が一般的に採用されています。
一方、大和ハウス佐賀ビルでは、太陽光発電と蓄電池を独自の電力システムによって直流のまま接続しています。この仕組みにより、電力変換に伴う損失を約8%低減することが可能となっています。
自然災害にも強い防災型オフィスとしても機能
一般的な太陽光発電システムでは、停電が発生するとPCSが一度停止し、手動で停電モード(自立運転モード)へ切り替えなければ、太陽光発電の電力を使用することができません。
一方、大和ハウス佐賀ビル独自の電力システムは、常時自立運転で稼働しているため、動作モードを切り替える必要がありません。そのため、停電が発生しても電力供給が途絶えることなく、安定した運用を継続できます。
災害時にも停電しないビルの構築は、避難所をはじめ、銀行や病院、冷凍倉庫など、市民生活を支える重要施設にとって不可欠です。大和ハウス佐賀ビルでは、こうした将来のビルのあり方を見据えた考え方を、重要なコンセプトの一つとして採用しています。
関連製品・オプション
PV Oasisは、太陽光発電システムの効率化や安全性向上、利便性向上をサポートする関連製品と組み合わせることで、より高度なエネルギーマネジメントを実現できます。ニプロンでは、PV Oasisと連携可能な製品を幅広くラインアップしています。
PVマキシマイザー
PVマキシマイザーは、太陽光発電向けの昇圧DC/DCコンバータです。PV Oasisと組み合わせることで、DCリンクシステムを構成できます。
太陽光パネルは、電柱・樹木等の影、アレイ向きの不揃い、直列枚数の不揃い、異種パネルの混合などによりストリング(太陽光パネルを直列に繋げたもの)の電圧にばらつきが生じます。PVマキシマイザーはストリングごとにMPPT制御(最大電力点追従制御)を行い、各ストリングから最大限の電力を取り出すことで、発電電力を最大化します。
入力電圧の昇圧機能も備えており、パネル構成を変えずにパワーコンディショナの入力電圧範囲に合わせることが可能です。これにより、パワーコンディショナ交換時のリパワリング(既設発電所の発電能力回復)にも対応できます。

PVガードミャン
ニプロンの独自遠隔監視システム「PVガードミャン」と連携することで、ストリング単位の発電状況や異常をリアルタイムで把握できます。
このシステムは、PVマキシマイザーのMPPT制御機能と電流・電圧センシングデバイスを共用することで、コストを抑えながらも高精度な監視を実現しています。
収集したデータはクラウド上で一元管理され、インターネットに接続できる環境であれば、場所を問わず発電状況を確認できます。さらに、I-V曲線(電流-電圧特性曲線)を365日自動測定することで、パネルの劣化やコネクタの焼損といった異常の兆候を早期に検知し、大きなトラブルを未然に防ぎます。

EV充電システム
ニプロンでは、PV Oasisと連携可能なEV充電システムを提供しています。ハイブリッド(AC・DC)入力に対応した省スペース型マルチEV充電システムと、一体型EV充電器をラインアップしています。

主な特長は以下の通りです。
| 省スペース設計 | EV充電器電源盤と充電スタンドが分離しているため、一般的な駐車区画内に設置可能です。 |
|---|---|
| 20kW複数同時 連続充電対応 |
1台のEV充電器電源盤に複数の充電スタンドを接続できるため、EVを同時に接続・充電することが可能です。また、電源盤からEV充電ポート間は標準20mの設置距離がとれるため、周辺環境、敷地形状や既設の駐車マスに合わせた設置が可能です。 |
| 充電制御対応 | 充電制御により各充電スタンドの出力を調整し、複数台同時に接続・充電することが可能です。受電容量に制約がある環境でも、多台数のEV充電運用行うことができます。また、特定の充電器を優先設定することができ、重要車両への優先的な充電が可能です。 |
| 遠隔監視 ・制御対応 |
遠隔監視・制御システムに対応しており、EV充電器の監視や、遠隔制御などが可能です。利用状況の把握や、状況に応じたシステムの変更など柔軟な対応が可能です。 |
| 充電電力の選択 | 本充電器は、使用シーンに応じて「標準充電10kW」「急速充電20kW」の2つの充電モードを選択可能です。夜間や長時間駐車時など、時間に余裕のある場合は標準充電を行うことで、電力ピークを抑え、コスト効率の良い運用が可能です。 |
ニプロンについて
電源専業55年の実績
1970年に創業し、直流スイッチング電源の開発・製造・販売に特化して55年の実績を持つ電源専業メーカーです。
「グリーンパワーで直流の世界を拓く」を経営理念に掲げ、直流制御技術を核として我が国の電源業界で確固たる地位を築いています。

環境への取り組み
CO₂排出量を2017年度比で2030年度70%削減する目標を掲げています。三重スマート夢工場では自社開発の太陽光発電・蓄電システム「PV Oasis」を導入し、2024年10月には再生可能エネルギー自給率90%を達成しました。
再生可能エネルギー由来電力の購入ではなく、実際に再生可能エネルギーの自給率を高めることで他社から供給される電力量を削減し、経営コストの低減にもつながる方法で推進しています。

持続可能な社会への貢献
二酸化炭素の排出削減を通じて気候変動対策に取り組み、SDGs(持続可能な開発目標)の目標7、9、13の達成に特に貢献します 。さらに目標5、8、10、11、12、16への取り組みを深めることで、持続可能な社会の実現に向けた社会的責任を果たしていきます。

会社概要

| 企業名 | 株式会社 ニプロン |
|---|---|
| 本社所在地 | 〒660-0095 兵庫県尼崎市大浜町2丁目57番地 |
| 設立年月日 | 1981年7月 |
| URL | https://www.nipron.co.jp/ |












