コナンエアーは、中山水熱工業株式会社が開発したIoT対応の無線振動センサーです。マグネット式で工事不要、市販のWi-Fiと電池で動作するため、多数の汎用設備への導入を低コストで実現します。自動車・エネルギー・素材など幅広い製造業の工場・プラントで採用されており、多くのお客様の設備保全現場で活用されています。
機械の振動を自動で継続計測し、傾向管理による異常サインの早期検出から、FFT(高速フーリエ変換)を用いた周波数分析による精密診断まで対応します。
既存の巡回点検フローを変えることなく予防保全のデジタル化を始めることができます。
目次
コナンエアーが選ばれる理由
汎用設備にも導入できる低コスト
予防保全の課題として多いのが、費用対効果の問題です。高価なセンサーは重要設備には導入できても、モーターやポンプ、搬送設備といった汎用設備にまで展開するには多くのコストがかかります。
コナンエアーは、この課題に応えるため、センサー本体のほか、通信には市販のWi-Fi機器、電源には家電量販店で入手できる市販電池を採用しています。
設置工事が不要なため、多数の汎用設備に同時展開する場合でも、導入コストを現実的な範囲に抑えることができます。これまで手が届かなかった設備の振動管理を、コストを理由にあきらめずに進められます。
工事不要で即導入できるワイヤレス設計
コナンエアーは電池式・Wi-Fi通信・マグネット固定・防水の特長があり、電気工事も配線工事も必要ありません。設置は電池をセットしてマグネットで計測部位に固定するだけで、手軽に導入することができます。
| 電池式 | 家電量販店で購入できる汎用電池で動作するため交換が容易で、電源工事・配線工事が不要なためどこにでも設置できます。 電池式(標準)・電池式(長寿命)・USB電源式など用途に応じたモデルを用意しています。 |
|---|---|
| Wi-Fi通信 | 計測データをWi-Fi経由でPCに自動送信(自動モード時)でき、1台のPCで最大100台のコナンエアーの管理が可能で、拡張性も確保されています。 家庭や職場で使われている汎用Wi-Fiに対応しているため、特殊な通信設備が不要です。 |
| マグネット固定 | 本体底面がマグネット式で設備への取り付けが工具なしで完結します。 65×52×32mm・重量77gと手のひらサイズのコンパクト設計で、測定したい設備にそのまま取り付けられるため設置場所を選びません。 |
| 防水 | IP67の防水・防塵性能を備え、工場内の過酷な環境でも安定して動作します。手のひらに乗るコンパクトなサイズのため、設置スペースを選びません。 |
生振動波形データが活用できる
コナンエアーは加速度・速度のピーク・RMS(二乗平均平方根)値に加え、3軸それぞれの生振動波形データ(各軸96,000点)を取得・保存できます。この生データはそのままCSVファイルに出力されるため、Excelによる傾向管理に直結させることが可能です。
付属のFFT(高速フーリエ変換)アプリを使えば周波数分析を実施でき、ベアリング異常の特徴周波数を検出するベアリング診断にも活用できます。
また、ISO10816(振動評価規格)に基づく評価指標も参考にしながら設備の状態を判断することができます。取得した生データは、AI解析などより高度な分析手法への転用にも対応できます。

外部システムへの柔軟な連携
コナンエアーが収集したデータは、CSV・JSONなどの汎用フォーマットで出力でき、さまざまな上位システムやクラウドプラットフォームと連携できます。TMEIC(東芝三菱電機産業システム)や千代田化工建設のシステム、AVEVA PI System(アヴィバ パイ システム)、Argopilot(アルゴパイロット)によるAI自動異常検知など、多様な連携実績があります。
多くの場合、連携用プラグインは無償で提供されており、導入後の活用範囲を段階的に広げていくことができます。基本はオンプレミス(社内サーバー)での運用ですが、インターネットを通じたクラウド連携も構築可能です。
まずシンプルな傾向管理から運用を開始し、必要に応じて高度な分析・連携へと発展させることができます。

製品ラインアップ
標準モデル

コナンエアーの標準モデルは、電源方式・電池寿命・温度計測の有無によって複数の型番から選択できます。
いずれも3軸同時計測・応答周波数0〜1,000Hz・IP67・マグネット設置という基本仕様は共通です。
| 型番 | 電源方式 | 電池寿命(間欠時) | 温度計測 |
|---|---|---|---|
| CNA-WLVS-02 | リチウム一次電池(CR2) | 約1.3年(1日1回測定) | なし |
| CNA-WLVS-02L | リチウム一次電池(CR2) | 約4年(1日1回測定) | あり |
| CNA-WLVS-02X | リチウム一次電池(CR2/3AZ) | 約7年(1日1回測定) | あり |
| CNA-WLVS-02U | USB給電(DC5V) | 電池式ではない | あり |
耐圧防爆モデル

耐圧防爆モデルは、引火性ガスや可燃性粉塵が存在する危険区域での使用を想定し、耐圧防爆認定を取得したモデルです。石油・ガス・化学プラントなど、防爆対応が求められる設備への導入に適しています。
標準モデルより大型(φ84×60mm・約400g)となりますが、3軸同時計測・Wi-Fi通信・マグネット設置といった基本的な計測機能は標準モデルと同等です。
振動計測事例
ベアリング初期異常の早期発見
現場担当者が「ベアリングの音がおかしい」と感じた段階でコナンエアーによる振動計測を実施したところ、速度実効値(RMS)では振動の増大が確認できないほどの初期異常であっても、振動データに異常の兆候を捉えることができました。
コナンエアーで3軸の振動値を計測したところ、Y軸・Z軸(回転方向)に明確な変化が確認され、ベアリングの異常を定量的に捉えることができました。ベアリング交換後は振動値が交換前の約半分に低下し、初期段階での異常診断が有効であったことが確認されています。
「音がおかしいような気がするが、まだ様子を見ていいか」という判断が求められる段階でも、データとして状態を記録・確認できます。


異常スコアによる早期検知
同じポンプの計測データを用いて、NEC独自のAI技術であるインバリアント分析技術により「異常スコア」を算出した検証事例です。
インバリアント分析技術はコナンエアーに付属する機能ではなく、コナンエアーが取得した生振動波形データを外部のAIシステムに提供することで実現しています。具体的には、生振動波形データを短時間FFT群(短い時間区間を対象にした周波数分析を連続して行ったもの)に変換し、AIモデルへの学習データとして活用する手法です。
ベアリング交換前には高い異常スコアが示されており、交換後には値が低下したことが確認されました。
簡易診断と同様の傾向が得られるとともに、RMSなどの要約値よりも早い段階で異常のサインを検出できる可能性があります。生振動波形データを取得・出力できるコナンエアーの特性が、外部AIシステムを活用した高度な異常検知を可能にしています。

AIを応用したインバリアント分析技術の異常スコアでは、簡易診断(加速度ピーク)よりも異常を大きく示しています。
周波数分析による原因特定
簡易診断で振動値の上昇傾向が見られた場合、生振動波形データを用いたFFT(高速フーリエ変換)による周波数分析で原因の特定を行います。
横軸を周波数、縦軸を振動値として正常時と比較することで、どの周波数帯に異常が生じているかを把握し、故障部位や原因を絞り込むことができます。
ベアリング交換の前後でデータを比較した事例では、交換後に特定の周波数帯のピークが消失し、異常の原因がベアリングにあったことを事後的にも確認できました。


用途例
| 火力発電所での 設備監視 |
発電機やタービンといった超重要設備の周辺には、ポンプ・冷却塔・空調機など多数の汎用設備が稼働しています。これらの設備は人手による巡回点検が行われていましたが、点検頻度の限界や人手不足が課題でした。 コナンエアーを導入することで、自動計測による頻度の高い状態監視を実現し、管理レベルの向上と省力化を同時に達成しています。ある火力発電所では100台以上のコナンエアーが稼働しています。 |
|---|---|
| 自動車工場での 大規模導入 |
自動車関連工場では塗装工場などの設備保全にコナンエアーが活用されています。ある自動車関連工場では塗装工場で100台規模の導入事例があります。 |
| 油圧ポンプの 振動監視 |
油圧ポンプの振動監視にコナンエアーが活用されています。高い品質管理が求められる設備環境において、安定した計測と傾向管理を実現します。 |
| 回転機械の 自動計測による 予防保全 |
ポンプ・空調機・搬送設備など、工場内の回転機械に常時設置し、タイムスケジュールに沿って自動計測します。 取得した振動値の傾向管理(簡易診断)により、「少しずつ振動が上がってきている」といった異常の初期サインをとらえ、突発的な設備停止のリスクを低減できます。 |
中山水熱工業について
事業内容
中山水熱工業株式会社は、三重県鈴鹿市を拠点に機械設備工事・配管工事を手がける設備工事会社です。自動車工場をはじめとする製造業の現場で、経済的最適設計・高信頼性設計に基づく工事を行い、設置後の運用状態監視やメンテナンスまでをサポートしています。
当社は現場の設備工事・ポンプメンテナンスを通じて、長年にわたりポータブル振動センサーを活用した設備診断を行ってきました。「高価で扱いにくい」という現場での課題を直接経験してきたことから、設置工事不要・低コスト・汎用品で構成された使いやすい振動センサーとして、コナンエアーを自社開発しました。
振動センサーの製造・販売に加え、設備診断に特化した有線タイプのコナンデッセ(conandesse)も展開しており、設備工事から診断・状態監視まで一貫したサービスを提供しています。
会社概要

| 企業名 | 中山水熱工業株式会社 NSXe Co.Ltd |
|---|---|
| 所在地 | 三重県鈴鹿市平野町7686-10 |
| 会社設立 | 1969年11月 |
| URL | https://nsx.co.jp/ |
| 製品URL | https://conanair.com/japan/ |

