波長可変半導体レーザー向けの高効率な回折格子 | 出力の安定化に貢献
高い回折効率と回折波面精度による、波長可変半導体レーザーの出力安定化
課題
波長可変半導体レーザーでは、回折格子の特性ばらつきが出力の不安定さを招くことがあります。
解決策
高い回折効率と優れた回折波面精度を備えた回折格子により、特性のばらつきを抑えます。
期待効果
特性のばらつきが抑えられ、レーザー出力の安定化が期待できます。
波長可変半導体レーザーの出力安定化
波長可変半導体レーザーは、回折格子を用いて外部共振器を構成することで、半導体レーザーの単一縦モード発振や波長選択を可能にしたレーザー光源です。光通信分野で活用されています。
このレーザーでは、レーザーダイオードから出た光のうち、回折格子で選択した特定の波長だけを発振させる構造がとられており、回折格子は波長選択と発振特性を担うキーデバイスとして組み込まれます。そのため、搭載する回折格子の特性は、レーザー出力の安定性を左右する重要な要素となります。
波長可変半導体レーザーの開発における課題
組立調整での出力不足
波長可変半導体レーザーの開発では、組立・調整の段階で設計どおりの出力が得られない事例が生じることがあります。出力が安定しない要因は多岐にわたるため、現場では原因の切り分けに手間がかかります。
回折格子の特性ばらつき
出力不安定の要因のひとつとして、搭載する回折格子の特性ばらつきが挙げられます。レーザー出力には回折格子の回折効率と回折波面精度が影響するため、これらが個体ごとにばらつくと、安定した出力の確保が難しくなります。
島津製作所の回折格子による解決
近赤外S偏光での高い回折効率
島津製作所の近赤外S偏光高効率回折格子は、近赤外領域のS偏光に対して高い回折効率を発揮します。1550nm・S偏光における相対回折効率は90%以上(Typ.)です。
優れた回折波面精度
波長可変半導体レーザーでは、回折波面精度が分解能に影響し、発振ピークの形状を左右するため特に重要です。回折波面精度は、主に基板の面精度と回折格子溝の精度によって決まります。
島津製作所は、基板研磨技術と溝加工・溝転写技術により、回折波面精度に優れた回折格子を安定して生産します。高い回折波面精度が要求される用途では、フィゾー式レーザー干渉計測定による精度保証も可能で、高精度品は回折波面精度λ/4以下に対応します。
レプリカ技術による安定供給
近赤外S偏光高効率回折格子は、高精度な二光束干渉露光で製作したマスタ回折格子のレプリカ品です。レプリカ転写の工程では、独自のレプリカ技術により、マスタの精度を落とさずに転写することが可能です。
これにより、マスタの高い品質を維持したまま、特性ばらつきの少ない回折格子を安定して供給できます。回折効率は、島津製作所独自の測定装置により測定・保証が可能です。
島津製作所の回折格子の活用による期待効果
レーザー出力の安定化
高い回折効率と優れた回折波面精度を備えた回折格子を活用することで、回折格子の特性ばらつきに起因する出力の不安定さの解消が期待できます。発振ピークの形状が安定し、設計どおりの出力を引き出しやすくなります。
組立調整の効率化
特性が安定した回折格子を用いることで、組立・調整段階での出力調整がしやすくなり、調整にかかる手間の軽減が期待できます。出力不足などの不具合について、原因を回折格子の仕様へ反映しやすくなる点もメリットです。
安定した品質での調達
レプリカ技術により特性ばらつきの少ない回折格子を安定して供給できるため、量産段階でも一定の品質を保ちやすく、安定した調達につながります。
関連製品・サービス
島津製作所の回折格子
分光分析においては、特定波長の光を正確かつ効率よく取り出すことが重要です。島津製作所の回折格子は、ホログラフィック技術とエッチング工程の最適化により、迷光を抑えつつ高い効率で特定波長の光を取り出すことができます。また、豊富なラインアップと高いレプリカ製造技術により、高品質な回折格子をお客様へお届けします。
島津製作所では、回折格子の提供の他、光学配置設計、分光器のご提案も行っております。「分光」に関するお悩みは、島津製作所にお問い合わせください。