レーザーダイオードのベアチップ検査用光スペクトラムアナライザ|パルス駆動での評価
パルス駆動を保ったまま、電流特性や温度特性を短時間で捉える測定を実現
課題
パルス駆動でベアチップの特性を評価するには、高い波長分解能と高速測定の両立が求められます。
解決策
多波長同時測定でパルス光を一瞬で捉え、マルチモードファイバ入力でも高分解能に測定します。
期待効果
パルス駆動での特性評価を自動化しやすくなり、検査を効率化できます。電流や温度条件を振った検査により、検査結果の精度向上も期待できます。
レーザーダイオードのベアチップ検査
レーザーダイオード(LD)のベアチップは、パッケージや放熱処理を施す前の、チップ単体の状態を指します。本用途は、この段階のベアチップにパルス駆動で電流や温度の条件を与え、発振スペクトルを測定して電流特性や温度特性を評価するものです。
ベアチップの段階で特性を把握できれば、後工程に進む前に良否や設計の妥当性を確認できます。連続駆動ではチップに熱がこもって損傷するおそれがあるため、実際の動作に近い条件で評価するにはパルス駆動でのテストが必要です。
また、ベアチップから出る光は空間へ広がって照射されるため、受光にはコア径の広いマルチモードファイバが適しています。こうした特性評価は、チップ設計を進める研究開発から出荷前の品質保証まで、幅広い場面で必要とされます。

レーザーダイオードのベアチップ検査における課題
パルス駆動での測定の難しさ
熱によるチップの損傷を避けながら実際の動作に近い条件で特性を評価するには、パルス駆動でのテストが必要です。ただしパルス光は瞬間的にしか現れず、そのスペクトルを取り逃さずに捉えることが課題です。
分解能と測定時間の両立
チップの電流特性や温度特性を詳細に把握するには、スペクトルの違いを見分けられる高い波長分解能が求められます。一方、電流や温度の条件を多数振りながら限られた時間で評価するには、高速な測定も欠かせません。この両立が難しい点が課題となります。
レーザースペクトラムアナライザ SPG-V500による解決

多波長同時測定でパルス光を測定
レーザースペクトラムアナライザ SPG-V500は、回折格子で分光した光をイメージセンサで同時に検出するポリクロメータ方式を採用しています。波長スキャンを行わずに一定範囲のスペクトルを一度に取得するため、瞬間的にしか現れないパルス光のスペクトルも一瞬で捉えられます。測定時間(積分時間)をパルス周期に合わせて設定すれば、1パルスのみのスペクトルを取得することも可能です(測定可否はレーザーの繰り返し数や出力などの条件により変わります)。
マルチモードファイバ入力でも高分解能
ベアチップから空間へ照射される光の受光には、コア径の広いマルチモードファイバが適しています。SPG-V500はマルチモードファイバ入力でも高い波長分解能を保つため、光ファイバを光源に向けるだけで測定でき、精密な光学調整が不要です。
波長分解能は、SPG-V500(Si type)でマルチモードファイバ使用時も40 pm以下、光通信波長帯に対応するSPG-V500(InGaAs type)で50 pm以下です。
電流特性・温度特性の自動測定
SPG-V500は各条件のスペクトルを一瞬で取得できるため、電流や温度の条件を多数振りながら、詳細な電流特性や温度特性を限られたタクトタイムの中で把握できます。さらに、制御ライブラリDLL(C#)およびサンプルソフトウェア(C#、Python、LabVIEW)を備えており、他機器と連携した制御が可能です。スペクトルの電流特性や温度特性を自動で測定でき、自動測定機への組み込みにも適しています。
SPG-V500活用による期待効果
パルス駆動での特性評価が容易に
多波長同時測定により、これまで捉えにくかったパルス光のスペクトルを簡単に測定できるようになります。熱ダメージを避けるパルス駆動を保ったまま、実際の動作に近い条件で電流特性や温度特性を評価しやすくなることが期待できます。
検査の自動化と省力化
マルチモードファイバにより光入力が容易になり、精密な光軸調整が不要になります。制御ライブラリで他機器と連携すれば、条件を振りながらのスペクトル測定を自動化でき、検査の省力化につながります。
研究開発から品質保証まで効率化
パルス駆動での特性評価を短時間で行えることで、チップの条件出しなどの研究開発から出荷前の品質保証まで、必要な検査を効率よく実施できます。ベアチップの段階で特性を把握できるため、後工程に進む前の見極めが可能になります。
関連製品・サービス
SPG-V500 レーザースペクトラムアナライザ
レーザースペクトラムアナライザSPG-V500は、従来の製品にはなかった高分解能とリアルタイム測定の両立を実現しました。深紫外から近赤外までカバーするSi typeと、光通信波長帯に対応したInGaAs typeの2タイプを用意しており、用途に応じてお選びいただけます。また、マルチモードファイバ入力により、光軸調整の手間を削減し、現場の効率化をさらに加速させます。
島津製作所では、光スペクトラムアナライザを含む分光器のご提案の他、回折格子の提供や光学配置設計も行っております。「分光」に関するお悩みは、島津製作所にお問い合わせください。