株式会社SIRC(サーク)のIoT電力センサユニットは、電気工事不要で設備ごとの消費電力を正確に計測できるIoTセンサです。開閉式センサヘッドを電線にクランプするだけで設置が完了し、独自技術により力率(皮相電力に対する有効電力の比率)を加味した、より正確な消費電力を計測します。
設備ごとの電力データをクラウド上でグラフとして可視化することで、省エネポイントの発見からCO₂排出量の算定まで、製造現場の脱炭素化を支援します。
目次
IoT電力センサユニットが選ばれる理由

電気工事不要、15秒で設置
設備ごとの電力を正確に計測しようとすると、従来は大掛かりな電気工事や配線工事が必要でした。工事には設備の停止が伴うため、実施できるタイミングが定期修繕の時期に限られるなど、導入のハードルが高い状況にありました。
IoT電力センサユニットは、電気工事や設備停止の必要がなく、導入したその日から計測可能です。三相電源の結線(R・S・T)を区別せずに設置できる設計のため、専門資格がない方でも、現場ですぐに取り付け作業を行うことができます。

独自技術により、カンタンに取り付けて、より精度の高い電力計測が可能です。
| 取り付け カンタン |
3本の電線のうち2本にクランプするだけで、消費電力を計測することができます。 |
|---|---|
| 真の有効電力 を計測 |
電流だけではなく電圧波形を検出するので、力率を計測することができます。 |
| 電気工事不要 | クランプオンなので大掛かりな電気工事は不要。電力センサ1つの取付作業時間は約15秒です。 |
非接触で有効電力を把握
一般的なクランプ式電流計(CT)で簡易的に電力を計測する場合、計測できるのは電流値のみです。電力を算出するには力率の値が必要ですが、CTでは力率が固定値として計算されるため、実際の消費電力との間に誤差が生じます。
IoT電力センサユニットには、SIRCのコア技術である「SIRCデバイス」が搭載されています。SIRCデバイスは、わずか5mm角の小さなチップでありながら、「電力計測」「電流計測」「角度計測」「周波数抽出」の4つの機能を持つ、マルチタスクデバイスです。
SIRCデバイスと独自の計測アルゴリズムにより、非接触でありながら力率を検出し、有効電力を計測します。省エネ施策の立案やCO₂排出量の算定に必要な正確なデータを取得でき、施策の実効性を高めます。

| 一般的なクランプ式電流計 | IoT電力センサユニット | |
|---|---|---|
| 計測データ | 電流データのみ | 積算電力量/有効電力/皮相電力/力率*/電流* *力率は電力(有効/皮相)から計算します。電流の実効値は電力(皮相)、電圧レンジから計算します。 |
| 力率 | 固定値(推定) | 計測可能 |
電池駆動・ワイヤレスで手軽に運用
IoT電力センサユニットは、汎用リチウム電池で約3年間稼働します。電源供給のための配線工事が不要で、設置場所を選びません。計測データはBluetoothで無線送信するため、配線レスでの運用が可能です。
付け外しが容易な点も大きな特長です。一度に多くの設備へ導入するのではなく、まずは特定のラインを計測し、傾向を把握したら別のエリアに移動させるといった段階的な運用ができます。投資を抑えたスモールスタートで、電力の見える化を始めることが可能です。

ニーズに応える多彩なデータ集計方法
クラウド上にデータを保存し、グラフ化やCSV出力、メール発報、API連携ができるクラウドシステム、自社システムと連携可能なオンプレミスシステム、ローカルのパソコンを使用したスタンドアローンシステムまで、現場のニーズに合わせて計測データの集計方法をお選びいただけます。

見える化で気づける省エネポイント
待機電力・消し忘れの発見
設備ごとの24時間電力使用グラフをSIRCクラウドで確認することで、昼休みや夜間に発生している不要な電力消費を特定できます。たとえば、昼休憩中に電源がオフになっていない装置や、夜間に消し忘れている設備が、グラフ上で視覚的にわかります。
「どの設備が」「いつ」ムダな電力を消費しているかが明確になることで、現場の省エネ意識の向上と具体的な行動変容につながります。
装置の電源オフによる省エネ効果
装置Aの電力計測を実施した結果、昼休憩時や夜間などの非稼働時間帯における電源の切り忘れが判明しました。これらの運用を改善した場合に見込まれる省エネ効果を試算すると、以下の通りとなります。

| お昼休憩中の 電源オフ |
400kWh × 20日(1か月分)× 12か月 = 96,000kWh / 年 96,000kWh × 31円* = 2,976,000円 |
|---|---|
| 夜間の 電源オフ |
180kWh × 20日(1か月分)× 12か月 = 43,200kWh / 年 43,200kWh × 31円* = 1,339,200円 |
上記の通り、年間で139,200kWh、4,315,200円の削減になります。
休日の電源オフによる省エネ効果

各ラインの電力計測を実施した結果、ラインCにおいて休日にもかかわらず大きな電力が消費されていることが判明しました。この状況を改善した場合に見込まれる省エネ効果を試算すると、以下の通りとなります。
| 休日の 電源オフ |
2,150kWh × 2日 × 12か月(1年分)= 51,600kWh / 年 51,600kWh × 31円*= 1,599,600円 |
|---|
上記の通り、年間で51,600kWh、1,599,600円の削減になります。
ヒーターの余熱時間短縮による省エネ効果
ラインAおよびラインBの電力使用状況を調査した結果、ヒーターの予熱時間を短縮できる余地があることが判明しました。この運用を最適化した場合に見込まれる省エネ効果を試算すると、以下の通りとなります。

| ヒーターの 余熱時間短縮 |
約4,000kWh × 20日 × 12か月 = 960,000kWh / 年 960,000kWh × 31円*= 29,760,000円 |
|---|
上記の通り、年間で960,000kWh、29,760,000円の削減になります。
さらに、ラインBを見てみると午後から加工機が稼働していないことが分かります。この時間帯に対象ヒーターの電源をオフするだけで、さらに約30%の削減になります。
*電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が示す「新電力料金目安単価」を参考にしています。
ヒーター断線の早期検出
ヒーターが劣化して一部が断線した場合、残りのヒーターに電流が集中するため、全体の電流値だけでは異常を検出しにくいという問題があります。IoT電力センサユニットは力率を計測できるため、力率の変化からヒーター断線の兆候を捉えることが可能です。
不良品が発生する前に対策を講じることで、歩留まりの悪化を抑止しながら、省エネ対策にも貢献します。


フィルタ目詰まりの検知
換気ファン、集塵機、チラーポンプなどに使用されるフィルタが目詰まりを起こすと、低下した風量を補おうとモーターの負荷が増大し、消費電力が上昇します。IoT電力センサユニットで力率を継続的に計測することで、こうした異常を力率の変化として即時に把握できます。
消費電力の増加を早期に防止できるほか、フィルタ目詰まりによる設備効率の低下を検知することで歩留まり悪化の抑止にもつながります。

クラウドシステム「SIRCクラウド」
SIRCクラウドは、現場のあらゆるデータを集約・利活用するためのプラットフォームです。自社センサのみならず、他社製センサとの柔軟な連携も可能です。
消費電力や生産量、温湿度、流量といった多角的なデータを掛け合わせ、相関関係や変化の兆しを分析することで、工場の省エネや業務効率化を強力にバックアップします。

データの可視化・分析
SIRCクラウドは、電力センサで計測したデータをリアルタイムにグラフで可視化し、整理・分析を行うことができます。特別なソフトのインストールは不要で、パソコンのブラウザからアクセスできます。
全体像を一覧で把握できるダッシュボード機能をはじめ、設備ごとの電力使用状況の確認、稼働率分析、省エネ施策の前後比較といった機能を搭載しています。従来のCSVによる数字の羅列とは異なり、グラフ化されたデータによってムダの発見や効果確認が容易になります。
複数拠点の情報を一元管理できるため、離れた拠点の状況も遠隔で確認が可能です。
ダッシュボード機能
月間の総消費電力量や設備ごとの内訳を一目で確認できます。直近6か月の推移がグラフ化されるため、消費傾向を簡単に把握でき、季節による変動や稼働状況の変化も見逃しません。

省エネ改善機能
生産数量と電力量の関係を示す「相関分析機能」や、エネルギーロスを見つけて改善ポイントを洗い出す「エネルギーロス分析機能」を搭載。改善ポイントが明確になるので、実効性のある工場の省エネ計画につなげられます。

システム構成
IoT電力センサユニットからSIRCクラウドへのデータ送信は、クラウドゲートウェイを介して行います。ゲートウェイはLTE回線でクラウドに接続するため、携帯電波エリアであればどこからでもアクセスが可能です。1台あたり最大20台のセンサを接続できます。

セキュリティ上の要件等でクラウドの利用が難しい場合は、データロガーを介したオンプレミス環境での運用にも対応しています。データロガーでは0.2秒/1秒/10秒などの間隔で電力値を取得でき、PLCへの直接接続も可能です。お客様の環境や要件に応じて、クラウドとオンプレミスを選択できます。

電力以外のデータにも対応
SIRCクラウドには、IoT電力センサユニットに加え、IoT角度センサユニットやIoTデジタル入力ユニットも接続できます。さらに、一部の他社製センサにも対応しており、温度、湿度、照度、気圧、CO₂といった電力以外のデータもSIRCクラウドに集約して管理できます。
SIRCは、センサ単体の提供にとどまらず、電力を中心に製造業に必要なデータを蓄積・集約・分析するプラットフォームとしてSIRCクラウドを展開しています。電力の見える化を起点に、製造現場のデータ活用の幅を広げることが可能です。
製品ラインアップ
IoT電力センサユニット

電池駆動・Bluetooth無線通信の標準モデルです。省エネ活動のための電力見える化に適しています。
三相3線式対応のDDS33シリーズと、単相2線式・単相3線式対応のDDS13シリーズをラインアップしており、対象ケーブルの太さに応じて型番を選定できます。
DDS33シリーズ 三相タイプ
| DDS33-0903P | 対応電線種:三相3線式 電流レンジ:0A〜30A センサヘッド径:Φ9.6 |
|---|---|
| DDS33-1510P | 対応電線種:三相3線式 電流レンジ:0A〜100A センサヘッド径:Φ15 |
| DDS33-2520P | 対応電線種:三相3線式 電流レンジ:0A〜200A センサヘッド径:Φ25 |
| DDS33-3530P | 対応電線種:三相3線式 電流レンジ:0A〜300A センサヘッド径:Φ35 |
DDS13シリーズ 単相タイプ
| DDS13-0903P | 対応電線種:単相2線式/単相3線式 電流レンジ:0A〜30A センサヘッド径:Φ9.6 |
|---|---|
| DDS13-1510P | 対応電線種:単相2線式/単相3線式 電流レンジ:0A〜100A センサヘッド径:Φ15 |
※商品の詳細は、SIRC公式HPよりご確認ください。
IoT電力センサユニット TypeR / TypeC

有線接続により0.2秒間隔での計測を実現した高速モデルです。
これまで難しかった短時間で変化する電力データの収集が可能となり、加工機などの精密な動作を伴う機器などにおいて、より正確なデータ取得と異常検知の精度向上が期待できます。
| DDS33R (TypeR) |
通信方式:RS232C PLCや既存データ収集システムへの接続に対応 |
|---|---|
| DDS33C (TypeC) |
出力方式:パルス出力 生産データと電力量を紐づけ、カーボンフットプリント算出に対応 |
※商品の詳細は、SIRC公式HPよりご確認ください。
周辺機器
データロガー
| DLG03-060 | ![]() |
IoTセンサで計測したデータをPCや社内ネットワーク、PLCなどの上位機に送信します。 センサ接続可能台数:6台 一部の他社製品との接続にも対応しています。 |
|---|---|---|
| DGW03-020 | ![]() |
IoTセンサで計測したデータをPCや社内ネットワーク、PLCなどの上位機に送信します。 センサ接続可能台数:20台(Bluetooth:20台) |
※商品の詳細は、SIRC公式HPよりご確認ください。
ゲートウェイ
| DGW01-020 | ![]() |
小型かつ高機能性を有した、SIRCクラウド専用ゲートウェイです。 クラウドへはLTEの電波にて測定データを送信するため、携帯電波エリアであればどこからでもアクセスできます。電力センサからは最大20台受信可能で、安定したデータ送信が可能です。 |
|---|
※商品の詳細は、SIRC公式HPよりご確認ください。
IoT角度センサユニット
| PAK x4 | ![]() |
IoT角度センサユニットは、点検業務の効率化と予知保全を実現します。既存のメーターに後付けするだけで、遠隔でのデータ収集を実現します。 |
|---|---|---|
| PAK x5 | ![]() |
化学プラント等で火災・爆発の危険性がある「防爆」エリアに設置されている計器類のIoT化を叶え、点検業務の効率化、安定操業を実現します。
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※商品の詳細は、SIRC公式HPよりご確認ください。
IoTデジタル入力ユニット
| DCU03-001EN | ![]() |
パルス出力の各種センサに対応し、現場で使われている生産数量計やエア・液体・ガス流量計などのデータをIoT化します。 |
|---|
※商品の詳細は、SIRC公式HPよりご確認ください。
導入事例
製造現場での電源OFF活動

| 課題 | 電装品、発電機、冷蔵庫などの製造現場にて、従来ラインごとの電力計測は行っていたものの、個々の装置がどれだけ電気を使っているのかまでは把握されていませんでした。 省エネの改善策を講じたくても、どこにムダがあるのか分からない状態です。 |
|---|---|
| 導入内容 | IoT電力センサユニットとSIRCクラウドを導入し、装置ごとの電力使用量をリアルタイムに見える化しました。 これにより、昼休み中にも多くの装置で電力が消費されていたことが分かり、「電源OFF活動」が始まりました。 |
| 導入効果 | その結果、年間で約15トンのCO₂排出と約40万円の電気代を削減することに成功しました。 効果が数値として見えるようになったことで、現場の省エネ意識も自然と高まり、小さな取り組みが全体の行動変容へとつながっています。 |
電力会社の省エネ診断ツール

| 活用場面 | 電力会社による中小企業向け省エネコンサルティング支援事業にて、電力センサユニットとSIRCクラウドを現場診断のツールとして採用いただいています。 |
|---|---|
| 導入内容 | IoT電力センサユニット導入に向けた設計を行い、現地調査を通じて各設備に必要な電力センサの数やクラウドとの通信状況を確認した後、計測スケジュールを立て、実際に電力センサを設置しました。 |
| 導入効果 | 自動車関連の製造現場では、装置ごとの電力使用がリアルタイムで把握できるようになり、これまで見過ごされていた装置ごとの電力のばらつきや待機電力などが可視化されました。 「何から始めればよいかわからない」と感じていた中小企業でも、具体的な改善策と脱炭素に向けたロードマップを効率的に描けるようになっています。 |
導入の流れ
Step 01|お問い合わせ
計測対象の設備やお客様が抱えている課題をヒアリングし、適切な製品構成(IoT電力センサユニットの型番、台数、通信機器の種類)をご提案します。
Step 02|トライアル導入
1年間の貸し出しパッケージをご用意しています。SIRCクラウド1アカウント、ゲートウェイまたはデータロガー1台、IoTセンサユニット4台のセットで、スモールスタートが可能です。まずは特定のラインや設備で効果を検証し、段階的に計測対象を拡大していくことができます。
Step 03|本格導入・運用
トライアルで効果を確認した後、計測対象を拡大します。IoT電力センサユニットは付け外しが容易なため、ラインや拠点を順次展開していくことが可能です。SIRCクラウドで継続的にデータを蓄積・分析し、省エネ活動のPDCAサイクルを回すことで、着実な成果につなげます。
SIRCについて
事業内容
株式会社SIRC(サーク)は、大阪市立大学発のスタートアップとして設立されました。独自技術「SIRCデバイス」は、5㎜角チップでありながら、1つのデバイスで4つの機能「電流」「電力」「角度」「周波数変換(抽出)」を発揮するマルチタスクデバイスです。
SIRCは、このSIRCデバイスを活用し、IoT電力センサユニットを中核とした製造業向けのDXソリューションを提供しています。電力を中心に製造業に必要なデータの蓄積・集約・分析を行うプラットフォームを展開しています。
自社開発のSIRCクラウドは、一部の他社製センサにも接続が可能です。電力データだけでなく、温度、湿度、流量といった電力以外のデータも含めた総合的なデータ活用を支援しています。多くの企業で導入が進んでおり、IoT電力センサユニットは2024年度省エネ大賞(資源エネルギー庁長官賞)を受賞しています。

会社概要

| 企業名 | 株式会社SIRC(サーク) |
|---|---|
| 所在地 | 〒541-0056 大阪市中央区久太郎町二丁目5番31号 関電不動産船場ビル 9F |
| 設立年月 | 2015年2月18日 |
| URL | https://sirc.co.jp/ |





