自動車・モータースポーツ部品の軽量化に貢献する3Dプリンター向けモデリングソフトウェア
トポロジー最適化やラティス構造により、耐久性を確保しながら走行性能に直結する部品を軽量化する設計
課題
軽量化と耐久性を両立する複雑な形状の設計と検証には、多くの工数を要することが課題になっています。
解決策
陰関数モデリングにより複雑な軽量化形状を設計でき、設計フローの再利用で工数を抑えられます。
期待効果
耐久性を確保した軽量化により、車両の走行性能の向上が期待できます。
自動車・モータースポーツ部品の軽量化
自動車やモータースポーツの分野では、車両を構成する部品の軽量化が走行性能を大きく左右します。とくに耐久レース向けの車両では、部品を可能な限り軽くしつつ、レースを走り切る耐久性も同時に確保する必要があります。例えばギアボックスまわりの部品には、サスペンションやリアウイング、後部の衝突構造などから多数の荷重が伝わるため、それらを見込んだうえでの設計が求められます。
本用途では、AM(Additive Manufacturing:積層造形)を前提に、トポロジー最適化やラティス構造といった設計手法を用いて、強度や耐久性の要件を満たしながら部品を軽量化します。対象となる部品は、ギアボックスまわりの構造部品から、電動車両のパワーエレクトロニクス部品まで多岐にわたります。

自動車部品の設計最適化における課題
軽量化と耐久性を両立する形状検討の工数
車両を構成する部品には、周辺の構造や機構から伝わる多数の荷重が加わります。こうした荷重を評価しながら形状を検討する必要があり、軽量化と強度・耐久性を両立する形状の導出に多くの工数を要していました。
従来工法による製造コストと工数
高性能な部品を鋳造などの従来工法で製造する場合、専用の金型が必要となり、その費用や準備期間が負担になります。また多数の部品を組み合わせて1つの機能を実現する構成では、部品ごとの管理や組み立ての工数もかさみます。
3Dプリンター向けモデリングソフトウェア nTopによる解決
陰関数モデリングによる軽量化形状の設計
nTopは、陰関数モデリング(インプリシットモデリング)を採用しており、従来のCADでは扱いが難しかった複雑な軽量化形状も軽快に設計できます。トポロジー最適化やラティス構造、可変肉厚のシェルといった構造軽量化のためのツールを備え、必要な強度を残して不要な材料を削ぎ落とした形状をつくり込めます。ラティス構造は素早く生成でき、トポロジー最適化による形状も作成できます。

解析条件を含む設計ワークフローの再利用
nTopでは、荷重条件を有限要素解析(FEA)に受け渡す一連の設計フローを、一度つくれば別の荷重条件の組み合わせにも再利用できます。静解析では複数の荷重ケースを条件に含めることができ、設計対象が変わるたびに解析の準備をやり直す必要も減るため、同種の部品設計にかかる工数を抑えられます。フィールドドリブン設計により、解析結果に応じてラティスの厚さや密度、穴形状のパターンを制御することも可能です。
積層造形を活かした部品統合
AM(積層造形)を前提に設計することで、これまで複数の部品に分けていた機能を1つの部品にまとめる部品統合が可能になります。金型を用いる鋳造とは異なり、複雑な一体形状でも金型なしで造形できるため、型の製作にかかる費用や準備期間を抑えられます。
nTop活用による期待効果
車両性能に直結する軽量化
強度や耐久性を確保しながら部品を軽量化することで、車両の走行性能の向上が期待できます。耐久レース車両の事例では、ギアボックスまわりの構造部品の最適化による9%の軽量化が、24時間のレースで7.8秒の短縮につながっています。電気レースカーのパワーエレクトロニクス部品でも、25%軽量化した例があります。
設計反復の効率化と開発の迅速化
荷重条件を受け渡す設計フローを再利用できることで、設計の検討から検証までの反復を効率化でき、開発期間の短縮が期待できます。条件を変えた複数の設計案を短いサイクルで比較検討できるため、限られた開発期間の中でより多くの案を評価しやすくなります。
部品統合による製造コスト削減
複数の部品を1つに統合することで、部品点数や組み立ての工数を減らせます。耐久レース車両の事例では、従来40点の部品で構成されていたギアボックスまわりの構造部品が、1点に統合されています。あわせて、金型を必要としない積層造形での製造により、金型費の大幅な削減も見込めます。
関連製品・サービス
nTop
nTop(旧nTopology)は、3Dプリンター向けの先進的なモデリングソフトウェアです。
従来のCADソフトでは困難だった複雑なラティス形状、表面テクスチャやトポロジー最適化した形状を容易に作成できる点に大きな特徴があります。
航空宇宙、自動車、工業デザイン、医療、消費者製品など幅広い産業分野で活用されており、製品開発/設計の迅速化、品質向上、コスト削減などのメリットをもたらします。
3Dプリンターの特性を最大限に活かした設計を可能にし、自由度の高い形状を作成することができます。