SiCウェーハ(難削材)の切断における高速・高品質化に貢献するダイシング装置
超音波アシスト切断で実現する、硬くて脆いSiCウェーハの高速・高品質ダイシング
SiCパワーデバイスにおけるウェーハダイシングに、量産型超音波カッティング装置を活用する事例です。超音波アシスト切断と両端支持機構により、難削材のSiCでも切断品質を保ったまま高速化でき、ブレード寿命の延長による生産性向上が期待できます。
サマリー
課題
硬くて脆い難削材SiC(炭化ケイ素)のダイシングでは、チッピングや欠けを抑えた高い切断品質を保ちながら、生産性(加工速度)を確保することが課題です。
解決策
超音波アシスト切断とブレードの両端を支える両端支持機構を組み合わせることで、品質を保ったまま硬脆材料であるSiCを高速かつ安定的に切断します。
期待効果
切断品質を保ったままの高速化により、処理能力の向上に加え、ブレード寿命の延長によるランニングコスト低減が期待できます。

株式会社高田工業所
1940年創業の産業プラントエンジニアリングのパイオニア「株式会社 高田工業所」。 「お客さまの屈強なパートナーになること」 をモットーに、人材の育成に力を入れ、躍進してきました。高田工業所で育成された人材は世の中に可能性を生み出しサステナブルなより良い未来を創ることを目指します。 新たな時代において変化を恐れず挑戦を続けます。
SiCパワーデバイスにおけるウェーハダイシング
SiCは、高性能・高効率なパワーデバイスに用いられる半導体材料の一つです。パワーデバイスの製造では、ウェーハ上に回路を形成した後、それを個々のチップへ切り分けるダイシングと呼ばれる後工程を経て、デバイスとして組み立てられます。
本用途は、このSiCウェーハを所定のチップサイズへ切り分けるダイシング工程に該当します。回転するブレードを用いて切り進めるブレードダイシングは、ウェーハ加工において広く採用されている方式であり、あらかじめ設けられたストリート(切断のための領域)の幅内に収めながら、チップ端面の欠け(チッピング)を抑えて高い生産性で切り分けることが求められます。
SiCウェーハの加工における課題
切断品質とチッピング
硬くて脆いSiCは、切断時に端部が欠けるチッピングが発生しやすい材料です。ダイシング工程では、表面および裏面のチッピングを規定値以下に抑制するとともに、切断面の直角度を保つ品質が求められます。そのため、回転するブレードによる切断においては、これらの品質を安定して確保することが課題となります。
切断速度とブレード寿命
SiCは非常に硬いため、従来のブレードダイシングでは切断速度を上げにくく、同時にブレードの摩耗も早く進むという課題があります。無理に切断速度を上げると、蛇行やチッピングの発生リスクが高まるほか、ブレード交換頻度の増加により装置停止時間や作業負担が増大します。その結果、量産における生産性の確保が課題となります。
量産型超音波カッティング装置 CSX501による解決策

超音波アシストによる高品質・高速切断
回転するブレードに毎秒数万回の超音波振動を付与した超音波アシスト切断を採用しています。この振動により、硬脆材料を細かく破砕して切削力を高めるハンマー効果を生み、SiCのような硬くて脆い材料に対しても切断速度を高められます。さらに、この微小な破砕が連続的に生じることで、切断時に発生するチッピングを小さく抑えられ、硬脆材料における高速切断と高品質を両立しやすくなります。

切削抵抗の低減とブレード寿命の延長
超音波振動により、ブレードと切断対象の間に切削水が効率よく入り込み、切削抵抗を低減します。これにより、砥粒の熱による損耗を防ぎ、切れ味を持続させることができます。あわせて、振動に伴って発生するキャビテーション効果により、ブレード表面に付着した切り屑を洗い流し、目詰まりを防止できます。これらの作用によりブレードの摩耗が抑えられ、結果としてブレード寿命の延長につながります。
両端支持機構による安定切断
ブレードの両側を支える独自の両端支持機構を採用しています。片側支持方式では、加工負荷によりブレードがたわみやすく、切断ラインの蛇行やチッピングの増加の要因となります。本機構では、加工負荷によるたわみを極めて小さく抑え、ブレード姿勢を安定させるため、高速切断においても蛇行を抑えた高精度な切断が可能です。
さらに、高剛性な両端支持構造により、超音波の振動エネルギーを効率よくワークへ伝達し、超音波アシストの効果を効率的に引き出します。安定した切断姿勢と効率的な超音波伝達の組み合わせにより、SiCの高速かつ高品質なダイシングを実現します。
CSX501活用による期待効果
品質を保ったままの高速ダイシング
超音波アシスト切断と両端支持機構により、チッピングを抑えた高い切断品質を保ちながら、切断速度の向上が可能となります。硬脆材料であるSiCにおいても、品質と生産性の両立を実現しやすく、装置1台あたりの処理枚数の増加が見込まれます。さらに、8インチウェーハに対応するとともに、搬送ラインの最適化により、タクトタイムの短縮も期待できます。
ブレード寿命の延長とコスト低減
ブレードの摩耗が抑えられることにより、1本のブレードで処理可能なウェーハ枚数の増加が見込まれます。ブレード交換頻度の低減は、消耗品コストの削減に加え、交換作業に伴う作業負荷やオペレーター負荷の低減にもつながります。これにより、量産ラインにおける安定稼働とランニングコストの低減が期待できます。
関連製品・サービス
量産型超音波カッティング装置 CSX501
株式会社高田工業所(以下、TAKADA)の量産型超音波カッティング装置「CSX501」は、SiCなどの硬脆性材料のダイシングにおける品質と生産性の両立という課題を解決します。回転砥石に超音波振動を加える独自技術により、安定した高品質加工と高い生産性を両立し、お客様の製造プロセス革新に貢献します。
株式会社高田工業所について

高度な技・能で新しい未来を創るTAKADA
1940年創業の産業プラントエンジニアリングのパイオニア「株式会社 高田工業所」。
「お客さまの屈強なパートナーになること」 をモットーに、人材の育成に力を入れ、躍進してきました。高田工業所で育成された人材は世の中に可能性を生み出しサステナブルなより良い未来を創ることを目指します。
新たな時代において変化を恐れず挑戦を続けます。
| 名称 | 株式会社高田工業所 |
|---|---|
| 所在地 | 806-8567 福岡県北九州市八幡西区築地町1番1号 |
| 設立 | 1948年06月 |
| URL | https://www.takada.co.jp/ |


