異常検知とは、膨大なデータの中から異常な状態のデータ(他の大多数のデータと比較して異なる状態のデータ)を検出する技術を指します。
異常検知は様々な分野への活用が可能な技術ですが、その代表例として「製造業」への活用が挙げられます。具体的には、機械学習を用いた異常検知システムの活用が製造業において期待されています。
従来の異常検知は機械設備にセンサーを取り付け、収集されるデータを基に人が異常の有無を判断していました。
しかし、データの分類・識別を可能にする機械学習は異常検知との親和性が高いため、機械学習を用いた異常検知を製造業へ導入することによって、これまで人が行ってきた作業を自動化することが可能です。異常検知の自動化を検討されている方は、ぜひご参考にしてみてください。
機械学習モデルには様々なものがあります。その代表例として、「教師あり学習」「教師なし学習」「半教師あり学習」「強化学習」「生成モデル」をご紹介します。
教師あり学習とは、人が教師として機械に「正解」を教えることによって、機械に学習を行わせる手法です。
具体的には、大量のデータを取り込み、それぞれに「正常」「異常」といったラベル(判定)を付けていきます。このラベルに基づいたトレーニングを繰り返すことによって、正常・異常の判断の精度を求められているところまで引き上げていくことになります。仮に検出したい異常状態が明確な場合は「教師あり学習」が強みを発揮します。しかしその一方で、異常状態が事前に把握できていないような場合は「教師なし学習」の方が優れています。
教師なし学習も、大量のデータを取り込むことで機械に学習を行わせる点は「機械あり学習」と同様です。教師あり学習との最も大きな違いは、ラベル(判定)を人が事前に付けるのではなく、データに基づいてAIに自律的に判定を行わせる点にあります。そのため、機械なし学習の方がより多くのデータを必要とします。
半教師あり学習とは、その名の通り、教師あり/なし学習のどちらの要素も取り込んだ手法です。少量のデータにのみラベル(判定)を付け、そのラベルを参考に他のデータのラベルをAIに自律的に認識させます。
なお、異常検知においては正常なデータのみを学習する方法が数多くあるため、その際に半教師学習と呼ぶケースもあります。
強化学習とは、AIに報酬を与えることで自発的に学習させていく手法です。例えば、様々なシミュレーションの末に最大化した利益を得るような方法は強化学習にあたります。異常検知として活用されるケースは少ないものの、株取引などで用いられているアルゴリズムです。
生成モデルは、データに基づいてオブジェクトをつくりだします。外れ値を検出することができ、データのサンプリングが可能です。異常検知においては、正常データのみを学習させる場合に役立ちます。
機械学習を用いた異常検知の代表的手法として、「ボテリング理論」「k近傍法」「単純ベイズ法」の3つをご紹介します。
ホテリング理論は、人の主観に影響を受けずに、客観的な評価を行うために統計モデルを用いる手法です。そのため、外れ値(異常値)を検知したい場合の最も基礎的な手法として一般的に認知されています。
k近傍法は、分類の際に使用される手法です。異常検知を実施するデータが多数のクラスターからなる場合、ホテリング理論では外れ値(異常値)を取り除くことができません。そのため、確率分布を明確にしないで外れ値(異常値)を検知するk近傍法を用います。
時系列データの外れ値(異常値)を検知する際に用いられることが多い手法です。
単純ベイズ法は、ベイズの定義を基にしたアルゴリズムです。ベイズの定義は、データセットがいくつか与えられたとき、それを基にした複数の推定がある場合に、どの推定が最も近しいのかを判断する際に用います。
近年において、製造業の異常検知にはシステムを活用するケースが多くなっています。
中でも主流となりつつあるのが学習モデルによる異常検知システムの活用であり、この技術によって、人の判断によって行われていた異常検知を機械で自動化することが出来るようになっています。異常検知を機械に代替することによって、精度のバラツキが改善されるどころか、人的リソースの削減によって生産力向上へ繋がる効果も期待できます。
今回は製造業において機械学習を用いた異常検知を導入するメリット、5つの機会学習モデル、異常検知方法3つの代表例をご紹介しました。
5つの機械学習モデルでは「教師あり学習」「教師なし学習」「半教師あり学習」「強化学習」「生成モデル」についてそれぞれの特徴を、異常検知方法では「ホテリング理論」「K近傍法」「単純ベイズ法」の3つについて紹介しています。
ご紹介した機会学習モデル・異常検知方法は共にメリット/デメリット(得意/不得意)が異なるため、自社業態に適した方法を選択するようにしましょう。
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