カーボンナノチューブ分散液(CNT分散液)は、有機溶剤または水にカーボンナノチューブ(CNT)を分散させた導電性の分散体です。GSアライアンス株式会社は、お客様の用途・溶媒・荷姿・要求品質に合わせて分散を個別に設計する、カスタム受託分散に対応しています。
粉体のままでは引き出しにくいカーボンナノチューブのポテンシャルを、用途に適した分散手法で引き出します。少量の添加でも導電性を付与でき、抵抗値・濃度・粘度などを用途に合わせて調整できます。
カーボンナノチューブ分散液が選ばれる理由
用途ごとのフルカスタム受託分散
当社のカーボンナノチューブ分散は、あらかじめ決まった汎用品を提供するものではありません。お客様の樹脂・用途・溶媒・要求品質に合わせて、分散を一つひとつ個別に設計します。同じカーボン材料であっても、用途や溶媒、荷姿が変われば適した分散方法は変わるため、案件ごとにチューニングを行います。
こうしたきめ細かな対応により、少量からの開発や個別仕様など、大量生産を前提とした体制では対応しにくい領域も担っています。少量・個別の仕様で開発を進めたいお客様にも、要望に合わせて柔軟に対応します。
難しいカーボン系分散の技術力
カーボンナノチューブの分散は、一般的な顔料の分散と比べて難易度が高く、対応できる事業者が限られる領域です。粉体のままではカーボンナノチューブが持つ性能を十分に引き出せないため、分散を専門に手がける意義は大きいと考えています。
当社は、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)とマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)のいずれの分散にも対応しています。分散を専門とする技術で、材料のポテンシャルを引き出した状態でお客様にお届けします。
有機溶剤系の分散にも対応
カーボンナノチューブの分散は水系が中心となる場合が多い一方で、有機溶剤系での分散に対応できる事業者は限られます。有機溶剤を扱うには危険物製造所の保有が必要となるためです。
当社は危険物製造所を保有しており、水系だけでなく有機溶剤系の分散にも対応します。対応する溶媒の詳細は「対応できる材料と提供形態」でご紹介します。
対応できる材料と提供形態
対応するカーボン材料
カーボンナノチューブ(CNT)は、シングルウォール(SWCNT)とマルチウォール(MWCNT)の両方に対応しています。あわせて、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、カーボンナノファイバー(CNF)、炭素繊維といったカーボン系材料の分散にも幅広く対応します。
これらのカーボン材料は、高い導電性・熱伝導性・耐熱性を備え、電磁波シールド性を持つことが特長です。用途に応じて材料を選定し、必要な性能を引き出す分散を行います。

対応溶媒・バインダー
分散に用いる溶媒とバインダーは、幅広い種類に対応しています。お客様の配合や用途に合わせて選定します。
| 対応溶媒 | 水、IPA、NMP、酢酸ブチル、酢酸エチル、MEK、トルエン/メタノール、アクリルモノマー 等 |
|---|---|
| 対応バインダー | ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、PVDF、SBR 等 |
提供形態(荷姿)
用途に応じて、複数の形態でご提供します。荷姿はお客様の使い方に合わせて選定します。
| 分散液 | 流動性の高い低粘度の分散体 |
|---|---|
| 分散ペースト | チキソ性(力を加えると流動しやすくなる性質)を持つ粘性のある分散体 |
| コンパウンド樹脂 | 熱可塑性樹脂(PA66(ナイロン66)、PP(ポリプロピレン)等)に練り込んだペレット・マスターバッチ(添加剤を樹脂に練り込んだ原料)形態 |
| インキ化 | 樹脂を加えてインク状に仕上げた形態 |
分散性能
導電性(表面抵抗率)
カーボンナノチューブを配合することで、樹脂の表面抵抗率が大きく低下し、導電性を付与できます。少量の添加でも抵抗率を数桁単位で下げられることが測定データで確認されています。

電磁波シールド性能
電磁波シールド性能は、KEC法(電磁波シールド性能の測定法)で評価しています。測定データでは、当社のSWCNT分散品は、他社品と比較して薄い膜厚でも高い電磁波遮蔽性能を示す結果が得られています。
用途に求められる遮蔽性能に応じて、材料や膜厚を調整できます。

用途例
二次電池・全固体電池の導電助剤
二次電池や全固体電池の導電助剤(電極内で電気の通り道をつくる添加剤)は、引き合いが多い用途です。電池市場の拡大を背景に、カーボンナノチューブへの注目が高まっています。導電助剤として電極の性能に寄与する用途で活用されています。
導電塗料・コーティング剤
導電塗料やコーティング剤への添加は、実際の案件で特に多い用途です。塗料やコーティング剤にカーボンナノチューブ分散を加えることで、導電性や帯電防止性を付与できます。
発熱体・放熱材・電磁波シールド
カーボン材料の性能を活かし、幅広い用途に対応します。高い導電性を利用した発熱体、高い熱伝導性を利用した放熱材、電磁波シールドなどが代表的です。ここに挙げた以外の用途についても、ご相談に応じて分散を検討します。
導入の流れ
お問い合わせ・ヒアリング
まずはお問い合わせください。用途、溶媒、要求品質、荷姿などをヒアリングし、最適な分散仕様を検討します。
サンプルによる評価
はじめにサンプルで実際に評価いただくスタイルをとっています。お客様の配合に合うかを試作を通じて確認し、方向性をすり合わせます。
カスタム調整
評価の結果をもとに、分散仕様を調整します。抵抗値などを用途に合わせてチューニングします。
量産対応
仕様が固まれば、量産に対応します。用途・溶媒・荷姿・要求品質に応じて分散方法や設備を選定し、量産を進めます。一部のお客様向けには、すでに量産にも対応しています。
GSアライアンスについて
事業内容
GSアライアンス株式会社は、環境・エネルギー分野の最先端材料を研究開発・製造する化学メーカーです。顔料メーカーである冨士色素株式会社のグループ企業として、ナノテクノロジー・新材料分野と環境関連分野の2つを軸に事業を展開しています。
ナノテクノロジー・新材料分野では、電池材料や量子ドット、イオン液体など幅広い材料を手がけており、カーボンナノチューブ分散体はその主力の一つです。環境関連分野では、バイオマス樹脂や生分解性樹脂などの開発にも取り組んでいます。

分散技術の基盤
カーボン系材料の受託分散を支えているのは、母体である冨士色素株式会社で培った「分散」「配合」「顔料設計」のコア技術です。顔料の分散で積み重ねた知見が、難易度の高いカーボンナノチューブの分散にも活かされています。
また、用途・溶媒・荷姿・要求品質によって適した分散方法は変わるため、それぞれに応じて分散方法や設備を選定できる体制を整えています。必要に応じた設備投資にも前向きに取り組み、お客様の要望に応える分散を追求しています。
会社概要
| 企業名 | GSアライアンス株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 〒666-0015 兵庫県川西市小花 2-22-11 |
| 設立年月 | 2010年3月 |
| URL | https://www.gsalliance.co.jp/ |