光学フィルムやOA機器などの現場では、透明性を保ちながら静電気を抑える帯電防止が求められます。従来の帯電防止手法には、着色や湿度への依存、ブリードアウト(添加した成分が表面へ移動して抜けていく現象)といった課題がありました。イオン液体型帯電防止剤は、透明性を保ったまま少量添加で導電性を付与できる高機能素材です。
小ロットや特注にも柔軟に対応し、お客様の用途や配合に合わせた帯電防止を実現します。
イオン液体型帯電防止剤が選ばれる理由
透明性を保ったまま帯電防止
イオン液体型帯電防止剤は透明性が非常に高いため、着色を伴わずに帯電防止性能を付与できます。帯電防止付与手法の中には着色を伴うものも(カーボン他導電材)あり、透明性が求められる用途では選定の妨げになることがあります。
見た目だけでなく反射の観点でも透明性が重視される光学フィルム用途では、この透明性を理由にイオン液体型帯電防止剤が選ばれています。
低温でも高温でも、低湿度でも安定する性能
イオン液体型帯電防止剤は、低温時でも性能が変わらず安定して発揮されます。
不燃・不揮発で耐熱性が高く沸点を持たないため、高温での加工が必要な樹脂やコーティング剤、粘着剤にも導電性を付与できます。
また、一般的な帯電防止剤を使用するケースでは湿度がないと十分な帯電防止効果がでず冬季など乾燥した環境で性能が落ちる懸念がありますが、イオン液体型帯電防止剤は湿度に依存せずに帯電防止性能性を付与できます。
ブリードアウトを抑える反応型
通常、樹脂やコーティング剤に帯電防止剤を添加して使用しますが、時間の経過とともに帯電防止剤が表面へ移動するブリードアウトによって、帯電防止性能が低下する懸念があります。
この課題に対応するため官能基(他の分子と結合するための反応性を持つ部分)をもつイオン液体型帯電防止剤(反応型)をそろえています。
反応型は官能基をカチオン側・アニオン側・その両方に付与し、樹脂やコーティング剤、粘着剤と化学的に結合させることで、ブリードアウトを抑えます。
小ロット・特注・受託合成に対応
お客様の用途やベース樹脂、配合等の条件によって最適なイオン液体型帯電防止剤を見つけるには標準ラインアップの中から選ぶだけでは要求に合わないことが少なくありません。
私共は標準ラインアップからのご提案に加え、そのままでは合わない場合のチューニングや、お客様が指定されるイオン液体型帯電防止剤の受託合成にも対応します。
こうした対応は小ロットから可能で、廃番となった製品の代替が必要なケースにも柔軟に応じます。実際の配合でお試しいただけるよう、サンプルの提供も行っています。
PFASフリー・フッ素フリー・ハロゲンフリーに対応
用途や業界の要求に応じて、PFAS(ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)フリー、フッ素フリー、ハロゲンフリーのイオン液体を選べます。規制への対応や、既存材料の代替を検討する際の選択肢として活用いただけます。
イオン液体型帯電防止剤の特長
イオン液体のしくみ
イオン液体とは、イオンのみからなり、100℃以下の融点を有する塩を指します。プラスの電気を帯びたカチオン塩とマイナスの電気を帯びたアニオン塩を組み合わせて作られ、どの塩をどのような比率で組み合わせるかが性能を左右します。
構成そのものは単純ですが、組み合わせは非常に多く、その設計が製品の性能を決めます。少量の添加で帯電防止性を付与できることも特長で、添加量の目安は0.5〜3wt%(参考値)です。

主な性能と仕様
イオン液体型帯電防止剤の主な性能と仕様は以下のとおりです。透明性や耐熱性を保ちながら、少量の添加で導電性を付与できます。
| 高透明 | 着色を伴わず、透明性が高い |
|---|---|
| 不燃・不揮発 | 燃えにくく、揮発しない(沸点を持たない) |
| 高耐熱 | 高温での加工に対応する |
| 少量添加 | 0.5〜3wt%(参考値)の添加で導電性を付与 |
| 高電気伝導度 | 電池の電解質にも利用される高い電気伝導度 |
| 対応表面抵抗値 | 10⁸〜10¹²Ω/□ |
製品ラインアップ
お客様の用途や配合に合わせて設計できるよう、タイプ別・カチオン系ともに幅広くそろえています。
タイプ別ラインアップ
用途や求める効果に応じて、添加型・反応型・ポリマー型からお選びいただけます。
| 添加型 | 樹脂やコーティング剤に混ぜて分散させるタイプ |
|---|---|
| 反応型 | 官能基を付与し、樹脂と化学的に結合させるタイプ(ブリードアウト対策に有効) |
| ポリマー型 | カチオン性イオンポリマー、アニオン性イオンポリマーの2タイプ |
対応するカチオン系
幅広いカチオン系に対応しており、用途に合わせた設計が可能です。合成実績は200種類以上にのぼり、幅広い組み合わせに対応しています。対応するカチオン系は以下のとおりです。
- アンモニウム系
- イミダゾリウム系
- ピリジニウム系
- ピロリジニウム系
- ピコリニウム系
- ホスホニウム系
用途例
光学フィルムの帯電防止
光学フィルムのコーティング剤や粘着剤、機能層バインダー(工程材)に添加して使用されます。透明性が求められる光学用途でメインに用いられており、国内では帯電防止が主要な用途となっています。
OA機器の荷電制御ローラー
OA機器のローラーのうち、紙が通る部分の荷電制御として用いられます。ローラーを形成する樹脂への練り込みやコーティングによって導電性を付与します。
電池用電解質
高い電気伝導度を生かし、電池の電解質としても利用されています。
その他の用途
上記以外にも、イオン液体は幅広い分野で活用されています。
- 触媒
- レアメタル抽出剤
- セルロース溶解(再生レーヨン)
- 二酸化炭素吸収剤
- 磁性材料
- 潤滑剤・潤滑グリース
- 3Dプリンター用フィラメント
導入の流れ
イオン液体型帯電防止剤は、ヒアリングからサンプル評価、カスタム調整、量産まで一貫して対応します。
お問い合わせ・ご相談
まずはお問い合わせください。透明性や耐熱性、規制への対応、必要な表面抵抗値など、用途と要求仕様をお伺いします。
サンプル提供・評価
標準ラインからのご提案やおすすめのサンプルを提供します。実際の配合でお試しいただき、性能をご評価いただきます。
カスタム調整・受託合成
そのまま要求に合う場合はそのまま採用いただけます。合わない場合はチューニングを行い、お客様指定による受託合成にも対応します。
量産対応
小ロットから量産まで対応します。評価から量産まで、状況に合わせて柔軟にご相談いただけます。
GSアライアンスについて
事業内容
GSアライアンス株式会社(英語:Green Science Alliance Co., Ltd.)は、顔料を専門とする母体企業・冨士色素株式会社の社内ベンチャーとして生まれた会社です。母体が培ってきた分散・配合・顔料設計の技術を背景に、ナノテクノロジー・新材料分野と環境関連分野で新規材料を手がけています。

ナノテクノロジー・新材料分野では、イオン液体をはじめとする機能性材料を開発しています。イオン液体は、大手メーカーで知見を培った技術者を中心に開発を進めており、専門性の高い技術を製品づくりに生かしています。
小回りの利く体制を強みとし、汎用品や既製品では対応が難しい小ロットや特注のニーズにも応えられることが特長です。拠点は兵庫県川西市の本社、東京営業所、スイス支社です。
会社概要
| 企業名 | GSアライアンス株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 〒666-0015 兵庫県川西市小花 2-22-11 |
| 設立年月 | 2010年3月 |
| URL | https://www.gsalliance.co.jp/ |