宇宙・防衛分野のラティス構造設計を支える3Dプリンター向けモデリングソフトウェア
格子の太さや密度を制御し、部品の剛性や衝撃吸収性を目的に合わせて作り込む設計
課題
均質な材料を用いる従来の設計では、部品の特性を細かく作り込むことが難しいという課題があります。
解決策
ラティス構造の設計により、剛性や衝撃吸収性などの特性を目的に合わせて作り込めます。
期待効果
限られた質量で高い剛性などの目標特性を確保でき、構造体の性能向上が期待できます。
ラティス構造による部品特性の設計
ラティス構造は、部品の内部を格子状の構造で満たす設計手法です。格子の太さや密度、形状の種類を制御することで、剛性や衝撃吸収性、熱的なふるまいといった部品の特性を、目的に合わせて作り込めます。
宇宙・防衛分野では、衛星の構造体や光学機器のベースプレートなど、限られた質量のなかで高い構造性能や特定の物理特性が求められる部品が数多くあります。こうした部品では、AM(Additive Manufacturing:積層造形)を前提に、ラティス構造の設計によって、均質な材料だけでは得られない特性を実現するアプローチが活用されています。

高機能部品の構造設計における課題
従来工法による製造負荷とリードタイム
宇宙・防衛分野の構造部品は複雑な形状が多く、従来の機械加工による製造は時間を要し、生産のリードタイムが長くなりやすいという制約があります。加工の難しさは製造コストや品質管理の負担増にもつながります。
従来工法による特性調整の限界
高い剛性対重量比など厳しい構造要件を満たすには、部品の機械特性を精密に調整する必要があります。しかし均質な材料を用いる従来の設計では特性を細かく作り込む手段が限られ、要求を満たすために特殊な高性能材料に頼らざるを得ない場合があります。
3Dプリンター向けモデリングソフトウェア nTopによる解決
ラティス構造による特性の作り込み
nTopは、陰関数モデリング(インプリシットモデリング)を採用した3Dプリンター向けモデリングソフトウェアです。従来のCADでは扱いが難しかった複雑なラティス構造を短時間で生成でき、格子の太さや密度、形状の種類を制御できます。これにより、均質な材料では難しかった剛性や衝撃吸収性などの特性の作り込みを、形状の設計によって実現できます。
ラティスの比較評価
組み込みの解析機能により、複数のラティス構造の候補を生成して性能を比較評価できます。ソリッド要素やビーム要素、均質化といった手法を使い分け、剛性や熱の伝わり方といった特性を見極めながら、目的に最も適した構成を選べます。たとえば宇宙分野のある研究開発では、ラティスの種類や条件を変えた複数の構成を系統的に評価し、目標を満たす構成を短時間で特定する使い方がなされています。
解析と連動した形状制御
フィールドドリブン設計により、解析結果などの場(フィールド)のデータに応じて、ラティスの厚さや密度、穴形状のパターンを高度に制御できます。たとえば変形の大きい領域では格子を厚くし、変形の小さい領域では薄くするといった、シミュレーションのデータに基づいた特性の作り込みが可能です。
部品統合と製造への直接連携
シェルとラティスのインフィルを組み合わせた構造や、複数の機能を1つの部品にまとめる設計を扱えるため、多数の部品で構成されるアセンブリを少数の部品へ統合できます。さらにSTLデータを介さずに、スライスデータを設計ソフトウェア内で直接生成できるため、設計から製造までを一貫して進められます。
nTop活用による期待効果
高い剛性と構造性能の確保
ラティス構造の作り込みにより、軽さと高い剛性を両立した構造部品が見込めます。構造体の剛性を約20%高めつつ、アセンブリ全体の質量を半減できた例もあり、限られた質量のなかで構造性能を確保したい部品で効果が期待できます。
特性最適化と設計反復の高速化
解析と連動した形状制御や、複数のラティス候補を比較評価できる環境により、目標とする特性に向けた最適化を効率的に進められます。設計変更にもパラメトリックに対応できるため、1回あたり数分規模での設計反復が見込め、開発期間の短縮が期待できます。
設計から製造までの期間短縮
STLデータを介さずに設計データから直接製造の準備を進められるため、設計から試験用部品の準備までを短期間で完了できる見込みです。ミッションや要件の変化に応じて、構造を素早く再構成しやすくなる点も期待できます。
関連製品・サービス
nTop
nTop(旧nTopology)は、3Dプリンター向けの先進的なモデリングソフトウェアです。
従来のCADソフトでは困難だった複雑なラティス形状、表面テクスチャやトポロジー最適化した形状を容易に作成できる点に大きな特徴があります。
航空宇宙、自動車、工業デザイン、医療、消費者製品など幅広い産業分野で活用されており、製品開発/設計の迅速化、品質向上、コスト削減などのメリットをもたらします。
3Dプリンターの特性を最大限に活かした設計を可能にし、自由度の高い形状を作成することができます。