プラント運転監視における計測異常のリアルタイム検知のためのプラント情報管理システムの活用
複数センサーの組合せ判定にも対応する、計測異常のリアルタイム検知と運転判断の支援
課題
濃度センサーの計測値が不定期に異常となり、運転操作の判断に支障が出ることがあります。
解決策
分析機能で異常判定ロジックを構築し、判定結果をPI Visionでリアルタイムに可視化します。
期待効果
異常を即座に把握でき、運転判断の迷いや見逃しの低減が期待できます。
濃度センサーの計測異常のリアルタイム検知
プラントの運転監視では、濃度センサーをはじめとする各種センサーの計測値をもとに、運転員が設備の状態を判断し操作を行います。このうち濃度センサーは、計測値が不定期に異常を示すことがあり、その値が真の異常なのか一時的なノイズなのかをその場で見極めることが求められます。
本ユースケースで扱うのは、こうした濃度センサーの計測異常をリアルタイムに検知し、運転判断を支援する用途です。単一のセンサー値だけでなく、複数の濃度センサー値を組み合わせて初めて判定できる異常にも対応し、「いまセンサー異常が起きていないか」を即座に把握できる状態を実現します。

運転監視における課題
プラントの運転監視は、センサーから刻々と送られてくる計測値を運転員が確認し、設備の状態変化や異常の兆候を捉える活動です。計測対象や工程が多岐にわたるなかで、限られた人員が常時すべての値を監視し、正確かつ迅速に判断を下し続けることには限界があります。
ノイズと真の異常の判別
濃度センサーの計測値は不定期に異常を示すことがあり、その値が一時的なノイズなのか対処すべき真の異常なのかを判別することは容易ではありません。判別を誤れば、不要な対応や異常の見逃しにつながります。
常時監視の負担
運転員が画面を常時監視し続けることは現実的ではなく、異常への気づきが遅れると運転判断の迷いや手戻りが生じます。複数のセンサー値を組み合わせて初めて見える異常では、人の目だけで捉えることはさらに難しくなります。
プラント情報管理システム PI Systemによる解決
PI Systemは、設備やセンサーから収集したデータを保存し、分析・可視化・通知までを一貫して扱うプラント情報管理システムです。本用途では、PI Systemが備える分析機能と可視化機能を組み合わせ、濃度センサーの計測異常を検知する仕組みを構築します。
分析機能による異常判定ロジックの構築
PI Asset Frameworkの分析機能(Asset Analysis)を用いて、濃度センサー値をもとにした異常判定ロジックを作成します。演算機能であるPI Analysis Serviceがセンサーデータを用いた演算を実施し、判定結果をPIのデータ(PI Tag)として蓄積するため、判定結果を計測値と同じように扱い、後から振り返ることもできます。
複数の濃度センサー値を用いた複雑な判定式にも対応できるため、単一センサーでは捉えられない、組み合わせて初めて見える異常も判定できます。判定ロジックは属性や閾値、計算ロジックとして体系的に整理されるため、設定内容が把握しやすく、運用しやすい点も特長です。
PI Visionによる可視化
異常判定の結果は、PI Visionでリアルタイムに可視化します。PI VisionはWebブラウザを通じてリアルタイムデータや分析結果を表示する可視化ツールで、利用者自身がダッシュボード画面を作成できます。これにより「いまセンサー異常が起きていないか」を一目で把握でき、人が常時画面を監視し続けなくても異常に気づける状態をつくります。
PI System活用による期待効果
PI Systemを活用して濃度センサーの計測異常を検知する仕組みを構築することで、以下の効果が期待できます。
運転判断の迷い・手戻りの低減
計測異常をリアルタイムに把握できるため、運転判断の迷いや手戻りの低減が期待できます。値が真の異常かノイズかを判定ロジックが示すことで、運転員が判断に費やす負担を軽減できます。
異常の見逃し抑制と初動の早期化
異常を自動で検知して可視化することで、見逃しを抑え、対応の初動を早めることが期待できます。人の目視監視を仕組み化した運用へ置き換えることで、気づきの遅れを防ぐことにつながります。
同種設備・他ラインへの横展開
異常判定のルールを標準化できるため、同種の設備や他のラインへ横展開しやすくなります。一度構築した判定ロジックを再利用することで、横展開時の構築負荷の軽減が期待できます。
関連製品・サービス
PI System(パイシステム)リアルタイムデータインフラ
PI Systemは、オペレーションデータを一元的に記録し、リアルタイムで視覚化します。これにより、プロセス効率の改善やアセットの最適化、持続可能なオペレーションが可能となります。
さらに、ビッグデータアーキテクチャをサポートし、効率的かつ柔軟にデータをストリーミングし、迅速な分析が可能です。
宇部情報システムは、PI Systemに関する実績・知見をもとに、お客様のデジタルトランスフォーメーションをご支援いたします。