工場運用におけるデータ収集異常の早期把握のためのプラント情報管理システムの活用
各工場に分散するデータ収集状況を一括で可視化し、収集異常の早期把握を実現する監視の仕組み
課題
PIタグの取得エラーや通信異常に自動で気づけず、対応が後手に回りやすい課題があります。
解決策
PI Systemで取得状況を自動判定し、一括監視画面とメール通知で異常を早期に知らせます。
期待効果
異常の早期把握により初動を早め、運用負荷の低減と横断的な監視継続が期待できます。
工場横断でのデータ収集異常の監視
プラント運用では、各工場や各システムから多数のPIタグを通じてセンサー値や運転データを収集し、蓄積・分析・可視化に活用しています。本ユースケースで扱うのは、そのデータ収集基盤そのものの健全性を監視する用途です。
具体的には、各工場・各システムのPIタグ取得状況を一括で確認できる監視画面を用意し、値の取得エラーや通信異常が起きていないかをリアルタイムに把握します。工場やシステムごとに分散しがちな収集状況を1つの画面に集約し、データが正しく取れているかどうかを横断的に見える化することが、この用途の中心です。

データ収集基盤の運用における課題
プラントでは、センサー値や運転データを多数のタグとして継続的に収集し、監視・分析・帳票などの幅広い用途に活用しています。こうしたデータ活用は、もとになるデータが欠落なく収集できていることを前提に成り立ちます。一方で、収集を担う通信経路やセンサー、サーバなどの構成要素は多岐にわたり、どこかで取得エラーや通信異常が起きても、それ自体に自動で気づく仕組みがなければ見過ごされやすいのが実情です。
異常に自動で気づけない
PIタグの値取得エラーや通信異常が発生しても、それを自動で検知する仕組みがなければ、異常の発生に気づくこと自体が難しくなります。データが取れていない状態が続いても、収集側からの能動的な通知がない限り見過ごされやすい点が課題です。
発覚が後手に回りやすい
データが取得できていないことに利用者からの問い合わせで初めて気づき、対応が後手に回ることがあります。異常の把握が遅れるほど、欠損したデータに基づく監視や分析の信頼性にも影響しかねません。
工場ごとに状況が分散する
データ収集の状況は工場やシステムごとに分かれて管理されることが多く、全体をまとめて把握する仕組みがなければ、どこで何が起きているかを横断的に確認しづらくなります。監視の対象が複数にわたる現場ほど、この把握しづらさが課題となります。
プラント情報管理システム PI Systemによる解決
PI Systemは、プラントの各種データを収集・蓄積し、分析・可視化・通知まで一貫して扱うプラント情報管理システムです。本用途では、Asset Framework・Asset Analysis・Event Frame・Notification・PI Visionの各機能を組み合わせ、データ収集基盤そのものの監視を実現します。
取得状況の自動判定
各工場・各システムのPIタグについて、データが正しく取得できているかをAsset Analysisの演算機能で評価し、取得エラーや通信異常を自動で判定します。センサーの状態を監視するための専用タグ(ヘルスタグ)を用いることで、値そのものの異常だけでなく、そもそもデータが取れていない状態も検知できます。判定の条件はAsset Frameworkの資産モデル上で定義でき、同種の対象へ共通のルールとして展開しやすい点も特長です。
メール通知による発報
異常を検出すると、Notificationの機能であらかじめ登録した管理グループへメールを自動発報します。通知メールには通信状態や対象タグといった発生時の状況に加え、監視画面へのリンクを含められるため、受け取った担当者はすぐに状況を確認できます。利用者からの問い合わせを待つことなく、収集側から能動的に異常を知らせる流れを構築できます。
一括監視画面での可視化
PI Visionを用いると、各工場・各システムの取得状況を1つの監視画面に集約し、どこで異常が起きているかをブラウザ上でリアルタイムに把握できます。マルチステート表示により正常か異常かをステータスで一目で確認でき、対象が複数の拠点にまたがっていても横断的に監視できます。
異常履歴の蓄積と振り返り
Event Frameの機能で、検知した異常を期間付きのイベントとして記録・蓄積します。これにより、過去にどの対象でいつ異常が起きたかを後から確認でき、発生傾向の振り返りや再発防止の検討に役立てられます。
PI System活用による期待効果
PI Systemを活用してデータ収集基盤の監視を仕組み化することで、以下の効果が期待できます。
対応初動の早期化
取得エラーや通信異常を自動で判定し早期に把握できるため、対応の初動を早められることが期待できます。データ欠損が長引く前に手を打ちやすくなり、欠損データに基づく監視や分析への影響を抑えることにつながります。
運用負荷の低減
利用者からの問い合わせを待たずに収集側から異常を知らせる流れを構築できるため、問い合わせ対応や原因切り分けにかかる運用負荷の低減が見込まれます。監視を人手に頼らず仕組みとして回せる点も、運用の継続性に寄与します。
工場横断での監視継続
判定ルールをAsset Framework上で共通化しているため、工場やシステムが増えても同じ仕組みで監視対象を広げやすくなります。新たな対象を加えても監視画面や通知の枠組みを流用でき、横断的な監視を継続しやすい点が期待できます。
関連製品・サービス
PI System(パイシステム)リアルタイムデータインフラ
PI Systemは、オペレーションデータを一元的に記録し、リアルタイムで視覚化します。これにより、プロセス効率の改善やアセットの最適化、持続可能なオペレーションが可能となります。
さらに、ビッグデータアーキテクチャをサポートし、効率的かつ柔軟にデータをストリーミングし、迅速な分析が可能です。
宇部情報システムは、PI Systemに関する実績・知見をもとに、お客様のデジタルトランスフォーメーションをご支援いたします。