Fibnano®の特徴
砂糖からボトムアップで作られるFibnano®は細く長い均質な繊維構造を有し水や有機溶剤に高い分散性を持つ事が特徴です。食品として広く知られるナタデココと同じ発酵法で作られます。
均等で緻密な繊維構造
Fibnano®はCM-NFBC、HP-NFBCから構成され、BC(Bacteria Cellulose/ナタデココ)と比べ、細かくて均質な繊維構造を持っています。このため水や有機溶剤に対して高い分散特性を有します。 CM-NFBCは親水性、HP-NFBCは水と有機溶剤の両方に分散を有する両親媒性が特徴です。
CM-NFBC | 親水性が高く、繊維幅が特に細い |
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HP-NFBC | 水と有機溶剤の両方に高い分散性を示す両親媒性 |
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BC(Bacteria Cellulose/ナタデココ) | |
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高い分散性
メタノールやイソプロピルアルコール等の極性有機溶剤に高い分散性を示します。
食経験
Fibnano®はナタデココと同じ食物繊維です。機能性と安全性を活かして、食品や化粧品、医薬品等の様々な製品の付加価値を高める新素材として利用を目指しております。
| 東南アジア発祥のナタデココ。酢酸菌がココナッツミルクから合成したセルロースは食物繊維として健康食品やデザートとして利用されています。Fibnano®も酢酸菌発酵により合成されたセルロースでナタデココと同じです。 |
| ナタデココは複数の繊維が幾重にも絡み合い形を作るのに対し、Fibnano®は特許製法により単一のセルロースミクロフィブリルからなるゾル様で非常に滑らかな食感が特徴です。 |
植物由来樹脂の機械物性改良
Fibnano®の低添加で酢酸セルロースの強度アップ
私たちは、セルロースナノファーバーを酢酸セルロース中に均一に分散させる技術を開発し(特許出願中)、新しい繊維強化樹脂であるFibnano® Resinを開発しています。従来の酢酸セルロースにFibnano®を1.5%添加するだけで、ABSなどの汎用石油由来プラスチックと同等の強度を確保できます。詳しい情報は、常設展「Fibnano® Resin」をご覧ください。
製造方法
北海道の砂糖から細く長い緻密な繊維構造がボトムアップ的に微生物によって合成されます。
経済産業省北海道経済産業局「平成28年度戦略的基盤技術高度化支援事業」成果
2022年より200トン工場竣工
Fibnano®(ファイブナノ) 応用例
食品への応用
“味変しない” “熱々でもたれない” “凍結融解のドリップ低下”“腸内フローラの安定化” “チキソ性(スプレーできる)”
- 素材本来の香りがつたわる
- 熱々でもたれない
- ショートな食感、とろみが気にならない
- 混ざりが良い
- 腸内フローラの安定化(善玉菌の定着)(マウス試験)
すりおろし野菜の離水抑制
ジャガイモのすりおろしにFibnano®を添加
徐放性
醤油をFibnanoと混合し、水溶液に添加
サーキュラーエコノミーへの挑戦
私たちは、Fibnano®やFibnano® Resinを社会実装すべく、金沢大学COI-NEXTへ参画しています。多糖類農業廃棄物を資源と捉え、再生可能なバイオプラスチック製品を適切な量だけ生産、使用後に回収して再生することで無駄なく使い続ける、バイオプラスチック循環プラットフォームを構築します。そして、大量生産・大量廃棄の無い、価値観のイノベーションによる明るい未来社会を実現します。
リンク:https://coi-next.w3.kanazawa-u.ac.jp/
草野作工株式会社について
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