画像処理とは、撮影した画像データを基に、ある条件下に当てはまるパターンを検知したり、基準値と比較して良否を判定したり、大きさを測ったりする等、取得した画像データの解析にまつわる技術全般を指します。 この記事では画像処理技術を用いた検査の概要と、おすすめ製品をご紹介します。
画像処理とは、撮影した画像データを基に、ある条件下に当てはまるパターンを検知したり、基準値と比較して良否を判定したり、大きさを測ったりする等、取得した画像データの解析にまつわる技術全般を指します。
人の目による検知を代替する技術であり、多くの製造現場にとって欠かせないソリューションとなっています。また、近年のAI(人工知能)の発展とも親和性が非常に高く、ますますの応用が期待されている技術です。
製造現場における画像処理技術の活用事例として最も代表的なのが、検査工程への応用です。本来人の目で行う検査を画像検査へ代替することで、検査効率や精度の向上が期待できます。 画像処理による検査を行う際には、主に「画像データの取得」・「画像データの解析」といった二つのフローを経る必要があります。
まず、画像データの取得では、検査用カメラ等を用いて検査対象物を撮像します。その後、コンピュータに組み込んだソフトウェア等を用いて画像データの解析を行います。画像データの解析では、あらかじめ設定しておいた検査項目とそれぞれの基準値を基に判定します。
製品名 | 特徴 |
---|---|
TECHVIEW 画像処理アプリケーション開発ツール | 「プログラミングスキルが無くともアプリケーションの修正や変更ができる」ことをコンセプトに開発された、製造現場の担当者でも簡易的に画像検査アプリケーションを開発することを可能にする製品です。 |
画像処理検査ソリューション「URCP」 | 柔軟なカスタマイズ性があり、URCPと検査装置をトータルシステムとして提供し、お客様のニーズに合わせた提案、開発、カスタマイズ、導入、アフターフォローを全面的にサポートします。 |
AI外観検査システム「ZENAI(ゼナイ)」 | ディープラーニング技術を使用した外観検査AIシステムで、高度な画像分類により、不良や傷・異物の検出を自動化します。0.1秒で高速判定を行い、微細な欠陥も検知できます。 |
iVision | 様々な画像処理検査システムの不満を解決し、「無駄なく、無理なく、使いやすい」を徹底したシステムを提供します。品質現場に最適な画像処理検査システムです。 |
画像処理技術による外観検査システム | ヴィスコ・テクノロジーズ社の画像処理製品と周辺機器を利用した外観検査システムを提案し、事前の仕様決めやサンプル評価からアフターサポートまでを提供します。 |
画像処理・画像検査用LED照明 | 薄型反射式リング照明や、業界では珍しいUSB式LED照明などのオリジナリティの高い製品から、スタンダードなLED照明や赤外(IR-LED)や紫外(UV-LED)まで様々なラインナップを提供。カスタムや試作にも柔軟に対応可能です。 |
「画像処理×計測」のフロントランナー | 30年にわたり、画像処理と計測をテーマにアカデミックや研究開発の現場で、デジタル化した画像の見える化、数値化、解析をサポートし、ものづくり現場ではトラブルシュートや高精度な検査工程の自動化などに貢献する。視線計測による技能向上も支援します。 |
オーダーメイド画像検査装置 ソフトウェア開発の技術集団「ヒューブレイン」 | ヒューブレインは、画像検査装置をオーダーメイドで開発し、モノづくりの現場における課題解決に最適なソリューションを提供しています。技術とエンジニアリングノウハウを組み合わせ、品質保証に関わるプロセスを自動化しています。 |
フォトナビ・目視レス | ABHBという独自の画像認識アルゴリズムを用いて、特定条件や形状、模様などを検出することができます。不定形物も対応可能で、外観検査工程で活用可能です。カメラや外部センサーなどのトータルソリューションも提案します。 |
クラボウの特殊カメラ・照明・画像処理技術 | 色や外観の検査において、分光光度計などを使い、自社開発の検査システムで問題を解決し、お客様の安全安心をサポートします。繊維部門のカラー技術を背景に、染色工程に特化した特殊技術を活用します。 |
Arithmer Inspection | Arithmer社は高度なAI画像解析技術を用いて、静止画像からの物体識別や固有情報取得を実現し、従来の検査などの業務を効率化・高精度化できます。保険業界などでの損傷判定や生産ラインの資産活用にも適用可能で、iOS・Androidアプリにも対応。お客様と共に新しいソリューションを創出します。 |
NEDが開発したTechViewは、画像処理アプリケーションの開発作業を劇的に効率化します。
従来の作業と比べて1/10以下の時間で、だれでも簡単に画像処理アプリケーションを作成可能。プログラミングスキルが無くてもアプリケーションの修正や変更を行うことができるため、マンパワーが不足している現場でも活用いただけます。
画像処理検査ソリューション「URCP」の大きな特徴は柔軟なカスタマイズ性です。画像処理検査ソフトウェア群「URCP(UIS Ready and Custom Packages)」と検査装置を併せて、トータルシステムとしてご提供。お客様のニーズに合わせ「提案」「新規開発」「カスタマイズ」「導入」「アフターフォロー」まで、全面的にサポート可能です。
ディープラーニング技術を用いた外観検査AIシステム「ZENAI(ゼナイ)」により、お客様の課題解決を支援します。ZENAIで外観検査工程を自動化します。高度な画像分類により、不良や傷・異物の検出が可能です。これまで不可能だった微細な欠陥を検知でき、0.1秒の高速判定を実現しています。
AdDが開発した「iVision」は画像処理検査において、お客様要求される品質検査に対し、「無駄なく、無理なく、使いやすく」を徹底したシステムを提供します。
キズの有無、キズの大きさ、打痕の有無、色の違い、汚れ、寸法計測など、品質現場に最適な画像処理検査システムを提供します。
外観検査の⾃動化に課題を抱える方に、画像処理を利用した外観検査システムを提案。
様々な工業製品の検査用途に対応できる汎用性と、特定の分野に適合する高い専門性を備えたヴィスコ・テクノロジーズ社製画像処理製品及び周辺機器をインテグレートし、お客様のご要望に合わせたシステムを提供します。
また、画像処理システム導入にあたっては事前の仕様決め、サンプル評価が重要です。光学技術、電気・機械の知識と経験を元に、システム導入からアフターサポートに至るまでお手伝いします。
省スペースで設置したいときなどに好適な反射ミラーを使用して厚さ3mmを実現した薄型反射式リング照明や、業界では珍しいUSB式LED照明などのオリジナリティの高い製品から、スタンダードなLED照明や赤外(IR-LED)や紫外(UV-LED)まで様々なラインナップをご用意しております。
画像を初めてデジタル化~情報処理の対象として30年。画像処理と計測をテーマひとすじにアカデミックや研究開発の現場で(見える化)(数値化)(解析)をお手伝い。ものづくりの現場では、ハイスピードカメラによる製造装置のトラブルシュート・熟練者による高精度な検査工程の画像処理による自動化・「どこをどんな風に見ているか」をデータ化して技能を向上を目指した視線計測の採用等で役立ちます。
ヒューブレインは、変化する時代のトレンドを見据え、モノづくりの品質保証に関わるさまざまなプロセスを自動化する画像検査装置をオーダーメイドで開発しています。
創業以来、長年にわたり開発に取り組んできた照明+画像処理+搬送の技術に蓄積してきたエンジニアリングノウハウを加え、モノづくりの現場における課題解決に最適なソリューションをお届けします。
人間が目で見て脳で判断する感覚に近しい独自開発の画像認識アルゴリズム(ABHB)で、画像の中から特定の条件に当てはまる領域を検出したり、類似する色・形・ 模様などを瞬時に自動検出いたします。機械学習・ディープラーニング等では判定の困難な不定形物も対応可能です。
基板、ボード、シート、フィルム、その他にも飲料系などの容器類の外観検査、更に分光光度計(測色計)などを活用して、検査工程の問題を解決します。繊維部門の染色工程で長年培ったカラー技術、測色技術、色に関わる特殊技術を背景に、自社開発のカメラ、照明、ハード、ソフトで検査システムを提案し、お客様の安全安心をサポートいたします。
Arithmer株式会社では、高度AI画像解析技術を応用して、静止画像からの物体識別、位置特定、固有情報の高精度な取得を実現します。従来、人の目で静止画から情報を取得し判断していた検査などの業務は、ArithmerInspectionを使用することで飛躍的に効率化、高精度化することが可能です。
製造現場において「生産量の増加」は収益に繋がる大事な要因ですが、生産量を増加するということは、すなわち検査が求められる量も同様に増加することを意味します。そのため、画像処理技術を用いて検査を全自動化・半自動化することは、製造現場の生産量増加に大きく貢献します。
従来の検査手法は顕微鏡等を用いて人の手によって行われることがほとんどでした。しかし、画像処理技術の発展により、「目視による検査」から「機械・コンピュータによる検査」へと検査手法の主流は変化しつつあります。
機械・コンピュータが人の目に代わって検査判定を行うことにより、作業員の習熟度に依存していた検査品質のバラツキが解消されます。また、導入時の初期費用が掛かる分、その後の作業員の採用や育成に掛かるコストの削減が期待できるのもメリットの一つです。異物混入・回路パターンの乱れ・電気特性不良 等
画像処理技術による検査の特徴として、検査の情報を”見える化”するという点が挙げられます。
不良検知の情報をパターン化・分類することにより、検査精度がますます向上するのはもちろんのこと、不良が発生している工程の特定にも繋がるため、スムーズな問題解決に貢献します。
検査情報を基に人が設定基準の変更・改善を行うのではなく、取得したデータを基にソフトウェア自らが自動で精度改善を行えるソリューションもあります。このような学習プロセスを要したソリューションを導入することで、大幅な精度向上を製造現場にもたらす可能性を期待できます。
パワーデバイス、通信モジュール、センサーモジュール、LED、MEMS、LSI、グラスチップ、WLCSP、FOWLPなど様々な電子部品の検査へ活用が期待できます。
検知できる検査項目例 | クラック、チッピング、カケ、パターン欠陥、異物、カラー、ふくれ 等 |
---|
食品容器の検査は人の安全に直結する分野のため、求められる検査基準が非常に高いものです。また、特別な形状をした容器も少なくないため、一つ一つを目視による検査で行う場合は検査コストが膨れ上がっていくという問題もあります。
そのような課題感の多い食品容器の検査においても、画像処理技術を導入することで、精度向上と時間削減の改善に大きく期待ができます。
検知できる検査項目例 | デザインの色ずれや色ムラ、汚れ、文字の滲み、傷、へこみ 等 |
---|
金属表面の傷は製品や部品と色味が近しくなるケースが多いため、人の目による検査では発見することが困難です。そのため、顕微鏡を用いて一つずつ確認をすることが有効な検査手法なのですが、時間とコストの面に頭を悩まされている製造現場も少なくありません。
しかし、画像処理技術を活用することで、顕微鏡レベルで撮像した画像データを解析し、コンピュータに不良判断を自動で実施してもらうことができるようになります。
目視以上に高精度の検査を実現できる画像処理技術。単に人の目に代わる技術ではなく、人の目を超える技術として製造現場の検査工程に大きく貢献します。
各メーカーが提供するソリューションには、それぞれ得意・不得意があるため、まずは自社工場の検査工程において、自動化を実現しやすい内容から導入を検討していくのが良いかもしれません。