モデル生物とは
モデル生物とは、生物学の研究に使われる生物のことです。研究の目的にあわせて、実験しやすい特徴を持った特定の生物が用いられます。
モデル生物の中でも、小型魚類のゼブラフィッシュやメダカは、特に研究に適した特長を持っています。まず、哺乳類のモデル生物に比べてサイズが小さいため、省スペースで飼育でき、管理コストが低く済みます。
また、毎週100〜200個の卵を産むため、数を多く確保できます。さらに、約70から80%の遺伝子がヒトと共通しているため、ヒトに関する研究に幅広く使用することができます。そのため、ヒトの脳や体の研究、創薬や機能性食品の開発など、様々な分野の研究においてニーズが高まっています。
研究に使用するモデル生物は、適切に管理する必要があります。
研究用途に適した飼育管理が行える装置「LAbREED(ラブリード)」
株式会社イワキは20年ほど前から、ゼブフィッシュやメダカなどのモデル生物の飼育管理装置に携わってきました。現在は、研究用途に適した飼育管理が行える「小型魚類集合水槽システムLAbREED(ラブリード)」を提供しています。
「LAbREED(ラブリード)」は、高性能水質コントローラにより、飼育水の安定した水質管理が可能です。アメリカの大学、研究機関や、日本国内の大学、民間企業で多く採用されています。
このシステムにより魚の「管理」はできるようになりましたが、その「解析」には、課題がありました。
小型魚類モデル生物の解析の課題
ニーズの多様化
「動線分析」や「寸法計測」が求められるように
近年、ゼブラフィッシュなどが広い分野で普及したことにより、動きを追う「動線分析」や、サイズを測定する「寸法計測」といった新たなニーズが出てきました。
これらの解析は、従来は研究者が目視で魚の状態を確認して行っていました。
目視確認には課題があった
目視による確認には、「見る人によるバラツキが大きい」「定量的な判断ができない」などの課題がありました。
これらの課題で研究がうまく進まないことがあり、イワキはこれを解決するために立ち上がりました。LAbREED(ラブリード)に動線分析・寸法計測などの機能を搭載するため、数年前からセンシング技術の活用を検討してきました。
センシング技術の活用にも課題が
しかし、センシング技術の活用は簡単ではありませんでした。まず、動線分析や寸法計測に利用するには、複雑なプログラミングが必要です。さらに、動き回る魚を正確に捉えて数値化することは難しく、なかなか精度の高い結果が得られませんでした。
フォトナビ・目視レスとLAbREEDの連携
検証:動線分析・寸法計測の定量化が見込める状況へ
「フォトナビ・目視レス」では、「水槽の反射」「影」「魚」を人の目と同じように区別し、魚の画像だけを抽出することができます。
動線分析:様々な魚の向きに対応
純粋な魚の動きのみを追って動線分析を行うことができます。
寸法測定:狙ったフレームにて正確な寸法測定
動画をフレームごとに解析し、魚が真横を向いた瞬間のフレームから寸法を算出することで、精度の高い寸法計測が可能です。
おわりに
「フォトナビ・目視レス」は、自由に動きまわる魚など従来のプログラムでの判別が困難な分野でも活用することができます。
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