OCP(Open Compute Project)規格製品群とセイン独自のシリーズを展開
セインでは、データセンター向け 液冷・水冷用カップリング(カプラー / クイックディスコネクト(QD)とも呼ばれる)を幅広い製品ラインナップで提供しています。Open Compute Project (OCP)の中で開発された世界標準規格(UQD、LQC、UQDB、BMQC)に準拠した4シリーズのほか、セイン独自のシリーズもご用意。AI時代のデータセンターが求める高度な冷却ニーズに対応し、効率的かつ信頼性の高い冷却ソリューションを実現します。
クラウド、機械学習(ML)、AI、IoT、エッジアプリケーションの需要が急増する中、データセンターでは冷却能力のさらなる向上が求められています。
膨大なデータ処理を効率的に行うために、データセンターの電力消費量は増加の傾向にあります。また、サーバーラックの高密度化が進むにつれて発熱量も増大しています。
そのため、従来の空冷方式だけでは十分な冷却が難しくなりつつあります。この課題に対応するため、冷却効率が高く省エネルギーな液冷方式の冷却システムの需要がますます高まっています。
冷却システムにおける空冷方式と液冷方式の比較
空冷方式(従来) | 液冷方式 | |
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熱交換効率 | × 低い | ◯ 大きい |
消費電力 | × 大きい | ◯ 小さい |
漏水リスク | ◯ 小さい | × 大きい |
液だれリスクへの対応 | 液冷方式の冷却システムでは液体を扱うため、液だれのリスクが伴います。液だれが発生すると、サーバーや電源ユニット、ネットワーク機器に直接接触してショートや故障を引き起こす可能性があります。 配管や接続部分での液だれを防止するために、高品質かつ気密性の高い液冷・水冷用カップリング(カプラー)を採用する必要があります。 |
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流量性能の最適化 | 冷却システムの効率を最大化するために、大流量・低圧力損失の液冷・水冷用カプラーが求められています。 カップリングの流量性能が低いと、冷却温度が安定ぜず、エネルギー効率の低下にもつながります。 |
長期接続後のバルブ作動不全低減 | カップリングの着脱頻度が少ない場合は、長期接続後の分離の際にOリングがドライ状態になり潤滑性を失い、バルブが閉じずに液漏れが発生するリスクがあります。 このような液漏れリスクを低減するため、長期信頼性が確保できる製品が求められています。 |
ここではデータセンターの液冷システム用途において最適なカップリング(カプラー)を選定するためのポイントを紹介します。
着脱時に液だれが発生しないノン・ドリップ設計のカップリングを選ぶことが重要です。
デリケートな機器に液体が触れると、ショートや故障といった深刻なリスクを引き起こす可能性があります。ノン・ドリップ設計のカップリングを使用すれば、こうしたリスクを未然に防ぎ、安全で信頼性の高い運用が可能になります。
カップリングでの圧力損失を抑えることは、どの冷却システムにおいても非常に重要な課題です。
圧力損失の大きいカップリングを使用すると、冷却効率の悪化や消費電力の増加の原因となり、冷却システム全体の性能低下につながります。
そのため、大流量で圧力損失の少ないカップリングを選ぶことが、冷却水循環装置(CDU)の冷却温度の安定化や、システム全体の省エネルギー化においてとても重要です。
材質によっても性能や品質が大きく異なります。カプラーの材質は、冷却用の化学薬品や液体に対する適合性や耐食性に優れたものであるかを考慮する必要があります。
シール材も、液だれを防ぎ信頼性の高い接続を維持するため、使用する流体に適したものを選択することが重要です。
メンテナンスのしやすいカップリングを選定しましょう。
手動でワンタッチ着脱できるクイック・カップリングであれば、保守作業を迅速かつ容易に行うことができます。一方、冷却水分配ユニット(CDU)の冷却水インレットやアウトレット等の大流量を必要とする箇所で使用する大口径カップリングは、大きな接続力が必要になりますが、ねじ込み式のカップリングであれば容易に接続することができます。
ホットスワップが可能なシステム設計をお考えの場合は、被圧下でも接続ができるかどうかも確認しましょう。
カップリングは、接続方式によって大きく「手動接続型カップリング」と「ブラインドメイト機能付きオートカップリング」の2種類に分けられます。
スペース上の制約があったり、人を介さずロボットにより接続を自動化したい場合は、ブラインドメイト機能付きのオートカップリングが最適です。人の手で接続する場合は力加減や差し込み位置の微調整も容易ですが、ロボットの場合は細かな調整が難しい場合があります。ブラインドメイト機能付きのオートカップリングであれば、芯ずれが生じても着脱が可能なため、ロボットによるラックの自動接続にも適用しやすくなります。
手動接続からオートカップリングまで、幅広く製品を提供しているかも重要なポイントです。
セインでは、データセンターの液冷システム向けに最適な特長を兼ね備えたカップリングを提供しています。
・着脱時の液だれなし
・大流量・低圧力損失
・耐食性の高い材質を使用
・CDU稼働中に着脱可能
・多彩な製品ラインナップ
データセンター用途で必要な冷却温度を維持するための装置、冷却水循環装置(CDU)および直接液冷 (DLC)に使用可能な液冷・水冷用カップリングを幅広い製品ラインナップで提供しています。
OCP内で開発された世界標準規格(UQD、LQC、UQDB、BMQC)に準拠した4シリーズのほか、セイン独自のシリーズを展開しています。
OCP規格製品群 | セインオリジナル製品群 |
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世界標準規格に基づく仕様で互換性があります。セインはOCP規格の構想段階からこのプロジェクトに携わってきました。(参考:OCPの一員としてデータセンター業界をけん引) セインのOCP規格製品は、標準規格を上回る品質を実現しています。 | 長年にわたり培ってきた独自の液冷カップリング技術に基づく高性能カップリングです。 大手北米IT企業のプロジェクトなどで多数の実績があり、高い信頼を得ています。 |
手動接続と、芯振れ許容量のあるブラインドメイト接続の2種類のカップリングをご用意。データセンターの直接液冷 (DLC)インフラに合わせて選択可能です。
手動接続型 | オスとメスのカップリングを手で押し込む、またはねじ込むことで接続します。ラッチ式の手動接続、片手操作とも呼ばれます。 UQD規格カップリングでは、クランプやフェルールでの組付けが不要なプッシュロック式ホース接続も選択可能で、迅速かつ確実な組付けができます。被圧下でも着脱可能なホットスワップ対応で、冷却水循環装置(CDU)の稼働を止めずに着脱可能です。 |
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ブラインドメイト接続カップリング | 着脱時の芯振れや偏角等への許容度が高く、カップリング部分に手を触れずに接続可能です。 芯ずれが生じても着脱が可能なため、ロボットによるラックの自動接続にも最適です。ラックマウント型コールドプレートやプラグインモジュールに適しています。こちらもホットスワップ対応で、冷却水循環装置(CDU)の稼働を止めずに着脱可能です。 |
データセンター業界をけん引する共同コミュニティ「Open Compute Project (OCP)」内でインテル社主導で開発された、データセンター液冷システム用クイック・ディスコネクト(QD)の世界標準規格に対応した製品です。OCPの世界標準規格であるUQD、LQC、UQDB、BMQCに準拠した4シリーズを展開しています。
オープンスタンダードであるため、同じ規格の仕様に沿って製造されたカップリングであればどのメーカーの製品でも接続が可能。入手性、互換性の点でメリットがあり、国内外のデータセンターでの採用が広がっています。
OCP UQD カップリング ![]() |
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OCP LQC カップリング ![]() |
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OCP UQDB カップリング ![]() |
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OCP BMQC カップリング ![]() |
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OCP BMQC カップリングのブラインドメイト接続のイメージ
長年にわたり培ってきた独自の液冷カップリング技術に基づく、高性能なカップリングです。大手北米IT企業のプロジェクトなどで多数の実績があり、高い信頼を得ています。
ウルトラフロー シリーズ ![]() |
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ノン・ドリップ シリーズ ![]() |
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フル・フロー シリーズ ![]() |
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ウルトラフローSTC カップリング ![]() |
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スマートフロー ![]() |
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DLC シリーズ ![]() |
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セインは、スウェーデンに本社を構えるクイック・コネクトカップリング(迅速流体継手)の総合メーカーです。1955年に初めて特許取得済のクイック・コネクトカップリングを発売して以来、あらゆる工業分野に高品質で革新的な製品を提供し続けています。
ヨーロッパ市場では業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立し、クイック・コネクトカップリングの定番メーカーとして認知されています。現在は世界17か国に販売拠点を展開するグローバル企業です。
Open Compute Project (OCP)は、より効率的かつ持続可能なデータセンター・ソリューションの創造に取り組む共同コミュニティです。セインは、データセンター業界をけん引するOCPの一員として、コンセプト段階から参画し、グローバルスタンダードの確立に貢献しています。
OCP内で開発した世界標準規格の基準をクリアすることはもちろん、長年にわたり培ってきたセイン独自の経験により、標準規格をさらに上回る品質をキープしています。
大手北米IT企業のプロジェクトなどで多数の実績があり、高い信頼を得ています。
標準品とは別で、お客様のニーズに応じたカスタム品の開発にも対応可能です。
環境マネジメントシステムの国際規格「SS-EN ISO 14001」および、品質マネジメントシステムに関する国際規格「SS-EN ISO 9001」に基づいて、DNV Certification ABから自主的に認証を受けています。
セインジャパンは、1981年からセイン製品の販売エージェントとして日本市場で展開してきました。2000年に法人化した後は、日本国内の営業拠点として在庫を保有し、ホースの組付けなどの作業も手掛けています。
製造業や造船関係、データセンターなど、幅広い業界のお客様に信頼性の高い製品を提供しています。カスタマイズ対応などもお気軽にお問い合わせください。
所在地 | 〒302-0106茨城県守谷市緑1-2-1 |
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設立年月 | 2000年06月 |
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