IoTとはInternet of Thingsから頭文字をとったものであり、様々なモノがインターネットに繋がっている仕組みを意味します。例えば、車や家電製品など、これまではインターネットに接続していなかったもモノを接続することで、離れた距離から遠隔操作ができるようになるなどのメリットがあります。
また、近年では一般ユーザーだけでなく、製造業・物流業・農業・医療など、産業向けIoTの活用も浸透しつつあります。総務省が発表しているデータによると、2019年にIoTを導入している日本企業は14〜15%と言われており、今後IoTを活用する企業はますます増えていくでしょう。
特に近年では製造業におけるIoT活用が注目されており、「スマート工場」「スマートファクトリー」という言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
もともとこれらの言葉が生まれた背景にはドイツの提唱した「インダストリー4.0」があります。日本語では「第4次産業革命」と呼ばれるインダストリー4.0は、生産工程をスマート化(効率化)するための取り組みを意味します。人と機械が共同となって生産活動をすることで、より自律的な製造現場を実現することができるようになります。
工場をインターネットに接続するメリットは様々なものがありますが、ここでは「データドリブンによる工場経営」「異常・故障の予防保全」「育成のコストダウン」の3つのメリットをご紹介します。
製造業におけるIoTの基本は、工場で稼働している設備等のデータを収集して分析することにあります。センサを取り付けて機械からデータを収集することによって、最適な稼働状況を維持することができます。
この時のポイントは、データに基づいた客観的な経営判断ができるということです。時に製造現場では現場の担当者から経営判断を行う役員まで様々な人を介するため、実際の現場に求められている判断を下すことは容易ではありません。しかし、データに基づいた判断であれば、客観的な観点で設備投下の最適なタイミングを実現することができるメリットがあります。
機械設備からデータを収集することによって、異常を素早く察知することができたり、故障を未然に防ぐことができるようになります。
従来の機械設備のメンテナンスは、機械に異常が発生してから対応を行う方法や、一定の期間を決めて定期的にメンテナンスを行う方法が主流でした。しかし、データを収集し分析することによって機械設備の稼働状況を可視化することができるようになります。
また、海外や国内の遠隔地に点在する設備の稼働を一貫して管理をすることも可能になるため、機械をインターネットに接続することは管理面・メンテナンス面において大きなメリットをもたらします。
人材不足や熟練者の技術を継承しなければならないという課題は製造業においても例外ではありません。しかし、熟練者の技術は属人化してしまう傾向にあり、育成マニュアルを作成するのが難しいものです。
そこで、例えば、製造現場における熟練者の動きをカメラで撮影し、その特徴をAIで分析して体系化することによって、技術をマニュアルとして共有することが可能となります。このようなプロセスを組み立てることができれば、全国に点在する工場の技術力のバラツキや育成面の課題を克服することができます。
工場内の要素をインターネットに接続することで、それぞれの状態を可視化することができるようにします。しかし、単にネットに接続するだけで理想のIoT化が実現するわけではありません。
ここでは、工場のIoT化を実現するために必要な3つのステップをご紹介します。
まずは、工場内の設備の状態を把握するためにデータを「見える化」するための仕組みを作ります。機械設備からデータを収集するためには、センサを取り付ける手法が一般的です。そして、収集されたデータを統計的手法を用いて分析し、グラフや数値によって状態を可視化します。
次に得られた客観的なデータを基にして、工場内で稼働する機械設備の制御を行います。例えば、ある設備をモニタリングすることによって不良品を生み出す傾向をつかめた場合は、機械の域値を変更するなどしてその原因に最短で策を講じることことができるようになります。
最終的にはデータの収集・分析・改善策を自動化できるのが理想となります。こういったサイクルを実現するにはAIの活用が欠かせません。人が行うデータドリブンの内容をAIに繰り返し学習させることによって、AIが自動で判断し、最適な改善策を提案してくれるように仕組み化することもできます。
IoTを活用することで、客観的なデータ基に得た改善策を製造ラインへ組み込むことができるようになります。スマート工場の流れは日本よりもドイツや中国などが先行している現状がありますが、近年ではIoT化に向けた補助金制度等も整いつつあるため、ぜひ一度IoTの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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